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第957話

Author: 心温まるお言葉
すっかり落ち込んでいて南は、大野皐月が女性を呼んでくれた途端、たちまち機嫌を直した。

「大野さん、ありがとうございます!」

大野皐月は彼を一瞥したが、何も言わず、ワインを飲んだ。

ワインを一口飲むと、一人の女性が彼の隣に座った。

彼女は細い指で、彼の太ももから上に撫で上げていった......

大野皐月は反射的に彼女の手を掴んだ。「何をするんだ?」

女性は怯えることなく、彼に体にすり寄せた。「大野さん、せっかく遊びに来たんですから、楽しまなくちゃ。今夜、私にお付き合いさせてください」

実を言うと、大野皐月は童貞で、そろそろ経験してみようかとも考えていた。

しかし、女性が彼の膝の上にまたがった時、大野皐月は和泉夕子が霜村冷司の膝の上に座っている姿を思い出した......

「ふざけるな!」

そのシーンを思い出した瞬間、大野皐月は思わず怒鳴ってしまった。

彼は自分に腹を立てていたのだが、膝の上の女性は驚いてしまった。

「大、大野さん......何か、気に入らなかったでしょうか?」

大野皐月は冷たい目で女性を一瞥した。

「消えろ!」

どんなに女に触りたくても、売春婦には絶対手を出さない!

......

唐沢白夜は二日酔いで、二日後にようやく杏奈に会いに行った。

しかし、杏奈に会いに行く途中で霜村凛音に会ってしまった。

彼女はへそ出しのTシャツにショートパンツ、キャップという涼しげな格好をしていた。

車をチェックするために腰をかがめていて、どうやら故障したらしく、それで道端に停めていたようだ。

真夏の強い日差しが彼女を照らし、まるで光に包まれた陶器人形のようで、思わず見とれてしまった。

以前は、彼を見るとすぐに駆け寄ってきて、腰に抱きつき、顔を上げて笑いかけてくれたのに。

今は......

霜村凛音の警告の言葉が、まだ耳に残っていた。

「もうあなたとは関係ない。二度と私に関わらないで」

その言葉に、唐沢白夜は夜中に夢から飛び起きるほど胸をえぐられた。

しばらく彼女を見つめていた唐沢白夜は、数秒ためらった後、結局ドアを開けて車を降りた。

「凛音......」

「霜村さん」

唐沢白夜が車の間をすり抜け、霜村凛音に近づこうとしたその時、如月雅也が現れた。

「車の故障?」

汗ばんだ顔を上げた霜村凛音は、スラリとした高身長の
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