Semua Bab 会長様は別れたい: Bab 21 - Bab 30

38 Bab

第21話

「あっ、あのさ、変なことを聞いてもいい?」実はずっと気になってることがあったんだ。「えぇ、いいわよ」「何かあった?」俺の問いかけにゆきママとみきママが答えてくれた。「えっと…実は今回の話が出てからずっと気になってたんだけど…大我が俺を養える力があるってどういうこと?」そう、寮にいたときも、ここに来た時も、大我は平然とそんなことを言ったんだ。でも、俺自身が堕ちてたから詳しい理由とか聞けずに今までいたわけで…。みきママたちの養子になるって決めてから、妙に安心して自分に少し余裕ができた分だけ大我のあの言葉が気になったんだ。今更って言われたらあれだけど…「あー、そのことね。それ、嘘じゃないわよ」「そうね、今回の件は本当に大ちゃんが自分で片付けちゃう気でいたんだし」2人のママはケラケラ笑いなが教えてくれるけど答えになってません。だからジッと大我を見たら小さく笑われた。「どういうこと?」ジッと大我を見たら「それはねゆいちゃん。大ちゃんが私たちの会社のモデル兼デザイナーだからよ」「それに、大ちゃんはイラストの方も仕事してたわよね」ゆきママとみきママから飛んできた言葉に俺はあんぐりと口を開けて固まってしまった。「ゆいちゃん、はいこれ」「最近のはこれだな」って、尚パパとまさパパが雑誌を開いて見せてくれた。そこに写っていたのは見間違うはずもなく、大我の後ろ姿だった。って、劉くんも一緒なんですけど!「えっ?うそ、いつの間に?どうやって?」そう、大我がいつこれを撮影出来てるのかが知りたかった。そんな時間ないはずなんだ。寮にいるわけだし、俺が傍にいるから出歩いてないし…。「唯斗が発情して一人で部屋に籠ってるときとか?こっそりと寮を抜け出したりとか?後は寝てる唯斗を誘拐したときとか?」なんて、大我の口から出てきた言葉にびっくりした。全然気が付かなかった。「えっ?でも俺発情ん時も大我のこと呼んでるよね?普通に来てくれてるじゃん」そうなんだよ。一人でこもってても大我を呼ぶときがあるんだ。そういう時でも大我は普通に来てくれるんだけど…。一体いつどうやって抜け出して戻って来てるんだ?「普通に行くな。だけど、唯斗の場合は俺が傍にいると発情の時はいつもより深い眠りに落ちるだろ?それこそ何時間も起きないぐらいには…」大我のその言葉にあって思った。確かに今の
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-08-29
Baca selengkapnya

第22話

「唯斗を嫁にもらうんだ、唯斗の件に関しては自分で片付けるのは当たり前だろ?それに、あんな奴らが来るような場所に置いておきたくはない。どうせあと1年であの施設を出ることになるんだったら今抜けても構わないだろ」その言葉にはやっぱり大我の怒りが込められてるって感じた。「でも…大我は本当にそれでいいの?その…俺で本当にいいの?」大我の気持ちを信じてないわけじゃない。信じてるからこそ、俺は大我に捨てられるのが怖い。大我の優しさが無くなったら俺は死ぬ。大我に裏切られたら俺は間違いなく二度と人を信じることができなくなる。それこそ廃人になるぐらいにはダメになるだろう。「俺は言ったはずだぞ。唯斗が自分の番だって気付いた時から唯斗を手に入れる気でいたって。俺は唯斗を捨てないし、裏切らない。だから、唯斗がみきママとまさパパの養子になったら、俺と結婚しよう。俺と本当の家族になろう」真面目な顔で俺を見て大我が言う言葉を俺は信じられない思いで聞いていた。自然と涙が零れ落ちた。嫌だとかじゃなくて、嬉しくて涙が零れ落ちた。「…っ…はっ…はい…」だから俺は泣きながら大我の言葉に返事をした。俺はこれからも大我の傍にいたい。大我と一緒にいたいんだ。自棄を起こした俺をずっと支えて来てくれた大我が好きで、大我の優しさが嬉しくて、もっと甘えていたくて、俺の番は大我ただ一人だから、これからも一緒に生きていきたい。「ゆいの涙腺はぶっ壊れたままだなぁ。まぁ、今のは俺が泣かしたんだけど…」小さく笑いながら大我が優しい手つきで頭を撫でていく。「あー、すみません。俺の涙腺がぶっ壊れたままで話し進まないですよね…」鼻をズビズビ言わせながら謝ったら「イヤ、大体の話は終わってるから大丈夫だ」って大我があっさり言うから驚いた。「へっ?いつの間に?」いつの間に終わったんだろうか?「今までの流れで終わってないわけないだろ?ゆいが養子に入って、あの夫婦にはこっちから縁を切るって決めただろ?」大我が説明してくれて頷くけど、「でも、あの人たちはお金を返せって…」一番の問題が残ってると思う。これどうするんだろう?「俺が払うけど?」って、またしても大我があっさりと言ってのけた。「イヤイヤイヤ、大我さん、一人で払える額じゃないんじゃないの?」俺は三枝さんと話をしてないから金額がいくらかはわからない
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-03
Baca selengkapnya

第23話

「気付かないわけないだろ。俺は唯斗と一緒にいる時間が多いから、そういうのにはちゃんと気付いてる」大我の言葉にそうだよなって妙に納得しちゃった。大我は俺が自分でも気が付いてない自分の変化に気付くぐらいには俺のことを見てくれてたんだった。俺が自棄を起こしてるあの時からずっと…俺を守るかのように見てくれていたんだった。「でも、俺、大我と遊びに行きたいって思ってるからな」これだけはちゃんと伝えておかないとダメだよな。「わかってる。だからあのイベントの約束しただろ?」って、笑いながら言われちゃったよ。「うん、絶対だからな」俺は念押ししといた。だってあれは本気で行きたいって思ったイベントだから。青い世界が見たいって思ったんだ。「わかってる。ちゃんと連れて行くから楽しみにしてろ」笑いながら頭を撫でられた。なんだか恥ずかしいけど、嬉しかったんだ。大我がちゃんと約束を守ってくれるってわかったから。「ゆいの場合は幼少期の出来事が原因で、行きたいのに行きたくないって思うんだと思うんだよな」なんて、大我から出てきた言葉に驚いた。「なんで、知ってんのぉ~。俺がいつも葛藤してるやつを…」そこまで気づかれてるなんて思わないじゃん普通さぁ。ホントに大我さんは一体どこまで俺のこと知ってるんですかね?「ん~、中学の頃に自棄起こしてる唯斗くんがポツリポツリと話してくれたからなぁ。まぁ、本人は全くそんなこと覚えてないんですけどね」なんて、やっぱりな言葉が返って来て俺はガックリと項垂れた。「やっぱり俺って色々とやらかしてるんだ…」こうやって改めて聞くと、俺って一体どれだけ大我に迷惑かけてたんだろうって思う。「まぁ、色々とな。甘えて記憶を失くすぐらいだし、色々とやらかしてるな」なんて言われれば、俺は一体どれだけのことを大我にやらかして来たんだろうか?って思う。「覚えてないならそれでいい。それだけ唯斗は俺を必要としてくれてたってことなんだからな」一人で自分の考えに浸ってたらぐしゃって大我に頭を撫でられて我に返った。「そうやって大我が甘やかすから俺が抜け出せなくなったんだからな」少しだけ膨れて言えば「今度からはみんなが甘やかすことになるから覚悟しろよ」なんて恐ろしいことを言われた。「えぇ~!!それは怖いよ」本気で怖いと思った。これ以上、甘やかされたら本気
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-07
Baca selengkapnya

第24話

「あれ?ここは?」目が覚めて、ここがどこだか分らなかった。「起きたのか、寝てて起きないから寮に連れて帰ってきた」そんな言葉が飛んできて驚いて飛び起きたら、メガネをかけた状態で、机に向き合ってたのか椅子に座ったままで大我がこっちを見てた。「あれ?俺またそんなに寝てたのか?」目を冷やしながら寝ちゃったのは自覚してるけど、そこまで寝てるとは思わなかったんだ。「まぁ、動かしても起きないぐらいには深く寝てたな」大我の言葉に項垂れた。またしても俺はそこまで深く寝てたのかって…。「大我は何やってんの?」俺が寝てる間に何やってるのかなって気になったんだ。別に深い意味はない。「ん?あぁ、仕事。見るか?」なんて言いながら大我は椅子を動かし、ベッドの傍まで来た。その手に持ってるものを見せてもらいポカーンってしちゃった。「唯斗を養うためには仕事しないとな」なんて、言いながら意地悪い顔で笑う。それでもそんな顔もカッコいいとか、げせぬ。「これデザイン画?」数枚ある絵を見て聞けば「そう。あの話し合いの後で頼まれたやつ。唯斗が寝てるから今のうちにって思って描いてた」なんて言いながら違う紙も渡されてそれ見てびっくり。なんかかわいいイラストが沢山描いてあるやつだった。「これも仕事?」イラストは鉛筆で描かれてるやつだけど、もしかしたらって思ったんだ。「こういうの唯斗好きだろ?」なんて聞かれて素直に頷いた。大我が描いてた可愛いイラストは確かに俺が好きなタイプのやつだったからだ。「なんで知ってんの?ホントに…」毎度毎度、大我には驚かされっぱなしだよ。「どっかの誰かさんが教えてくれてるくせに自分で忘れてるんでね」なんて耳が痛いことを言ってくれた。そう、本当に自棄を起こしてた頃の俺は大我に甘えると記憶が無くなってたんだ。甘えたということ自体を忘れるぐらいには軽く記憶喪失になっていた。最近ではというか、大我とちゃんと付き合うようになってからは、大我が印をつけてくれているのと、自分自身が覚えていられるようにはなっている。3回に1回程度だけどさ。それでも覚えていられるようになった分だけ偉くない?って思うけど、肝心なことを忘れることがあるから大我には呆れられるんだ。「でも、大我って本当に俺が知らない間にやってたんだ」大我の実家で聞いたときは驚いたけど、こうして本当
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-09
Baca selengkapnya

第25話

「怒ってないか?」俺が大我に抱き着いたままで、ずっと無言でいた。どれだけそうしてたのかな?急に大我がポツリと呟くように聞いてきた。「怒るって、何を?」なんに対して怒るのかがわからなくて聞き返した。それに俺は別に何も怒ってないし。「いや、結局は俺が勝手に決めたようなもんだから…」大我の言葉にあぁって納得した。今回のことを大我がほとんど勝手に決めていったから俺が怒ってないかって心配になったんだ。俺はそれがおかしくてクスって笑っちゃった。「えーっ、俺的には凄く助かってるんですけど?俺じゃ決められないことばっかりだったもん」うん、これは本当のこと。俺一人じゃ絶対に決められなかったことだ。大我がいてくれたからこそこんなにも話が早くまとまったんだ。「そうだとしても、唯斗の気持ちを決めずに話を進めていったから良かったのかって思ったんだ」大我っていつもそうだな。俺のこと考えて先に突っ走っていって後でこれでよかったのか?って自問自答を繰り返して俺に聞くんだ。まぁ、それには理由があって、俺が自分で考えられる状態じゃないときが多いから、大我が代わりに考えて行動してくれてるんだけど…。大我自身は後悔してないけど、俺的にはよかったのか?って悩むんだ。「イヤだったら途中で頭がハッキリしてるときに文句言ってるって。俺は大我だったら俺にとっての最善の方法を決めてくれるって思ってるから大丈夫。だから怒ってもないし、イヤでもない」本当こういうところは変わらないな。「唯斗が怒ってないならいい」「安心して思いっきり寝ちゃうぐらいだから大丈夫」大我の言葉に素直に答えたら笑われちゃった。「でも、唯斗には三枝さんに連絡してもらわないとダメだからな」「あー、そっか。それは俺が自分でしないとダメなのかぁ」大我の言葉に不満げに言ったらペシペシと手を軽く叩かれた。「俺は唯斗から連絡させますって三枝さんに言ったからな。さすがにそれは唯斗本人じゃなきゃダメだろ」俺の言葉に苦笑気味で答えられた。「うん、それはわかってるんだけど、大我がした方が早く終わりそうなんだもん」自分の事だから自分でしなきゃいけないのはわかってるんだ俺も。だけど、俺よりも大我の方が断然早く済む気がする。「それは却下だな。ちゃんと傍に入るから唯斗がやりなさい」「ちえぇ。残念」俺の意見はあっさり却下された。で
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-12
Baca selengkapnya

第26話

「んっ、たい、がぁ、ぁっ、ん」自分から大我にキスして、俺は大我を求めた。発情してるわけじゃないけど、大我が欲しかった。大我に甘えたかったんだ。「後で文句言うなよお前」俺の言い出したいことがわかってるのか、そういいながら俺を抱きしめながらベッドの押し倒した。「んっ、大丈夫、いわな、いか、ら」俺は大我の首に腕を回し、もう一度、自分からキスをした。そこからはずっと大我とキスしてた。触れるヤツだったり、舌を絡め合ったり、本当にキスばっかり繰り返してた。「キス魔になってるな」キスばっかりして軽く酸欠になった俺に笑いながら言ってくる。「んっ、らって、」頭クラクラしてて、呂律も怪しいかも。「ゆいがキス魔になるのは今に始まったことじゃないけど、酸欠は初めてだな」酸欠を起こしてる俺の顔中に小さなキスを落としながら小さく笑いながら言う大我が少し憎らしい。「そんな顔してもダメだ。酸欠中にキスしたら意識飛ばすぞ。戻ってこれなくなたらどうすんだよ」なんて、軽く脅された。イヤ、うん、魂が抜けちゃうと困るもんな。「でも、キスぅ、したいぃ」うん、自分でもわかってるよ、わがままになってるって。「もう少し落ち着いたらな。それまでは違う場所にキスしてやるから」大我も俺の性格とかわかってるから毎度、毎度、対処の仕方がうまいなぁって思う。だって本気で色んな場所にキスをしてくんだもん。顔中や、首筋、腕、手、指先、本当に一つ一つ確認するようにキスをしていく。それがくすぐったくて、身をよじって逃げるけど、簡単に捕まって抱きしめられて唇を塞がれた。「んっ、ふっ、ぁ、ん、」繰り返されるキスが気持ちいい。「んっ、ぁ、たい、がぁ、ん、ぁ」でも、俺がまだ酸欠中だから唇のキスはすぐにやめられてしまう。変わりに他の場所にキスが落とされていく。キスだけで俺は飛んじゃってるから、ダメだってわかってるのに大我を求めるんだ。もっとキスがしたい。キスして欲しい。「まだダメだ。我慢しろ」やっぱりな言葉が大我から返ってくる。「いじ、わるぅ、」ぶすってふくれながら呟けば「時と場合によるな」なんて笑いながら首筋に噛みつかれた。「ひゃぁ、ぁ、たい、がぁ」噛みついた場所を舐められて変な声が出た。でも、大我はそれだけで止まらずに、気が付いたら俺はシャツを脱がされ上半身裸だった。「いつの、
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-17
Baca selengkapnya

第27話

「週初めから学校休んでる俺って…」起き上がることは出来るけど、怠くて動くのも億劫すぎて体調不良を理由に休んだ。で、俺は一人、自分の部屋ではなく大我の部屋でだらけてたりする。休んだついでにやることと、いうか、やらないといけないことがあるので、時間が来るまで待ってたりする。三枝さんに連絡をしなきゃいけないけど、さすがに朝早い時間だと迷惑だろうなってことで、10時過ぎるのを待ってたりする。事前に大我と話をして、三枝さんに伝えなきゃいけないことをメモッといた。自分でわかんなくなると困るからさ。11時近くになってから俺は三枝さんに電話を掛けた。数回のコールの後で『はい、三枝です』三枝さんと繋がった。「お久しぶりです。聖です。今、お時間大丈夫ですか?」俺は少しだけ緊張しながら声を掛けた。『お元気ですか聖くん、この間の返事ですか?』俺が要件を言い出す前に三枝さんが聞いてきた。だよなって思った。だって大我が俺から返事の電話をさせるって三枝さんに言ったんだもん。「いえ、その事とは別に先にお願いしたいことがあります」先に片づけなきゃいけないことがあるんだ。『お願いですか?珍しいですね聖くんがお願いだなんて』三枝さんが驚いた声を出す。確かにそうかもしれない。俺が、俺自身が三枝さんたちにお願いをすることなんてなかったんだから…。「実は、俺の里親の件でお願いがあるんです」『決まったんですか!』俺の言葉に喰いつかん勢いで聞き返してきた。少し笑ってしまう。「はい、実は俺がとても信頼してる方たちがいて、先日その方たちに子供にならないかって言われてお願いしました」簡単な説明をすれば『なら、一度こちらに来てもらって、手続きをしましょうか。いつ頃がいいですか?』三枝さんが嬉しそうに言ってくれる。それだけ俺が三枝さんに迷惑かけてたのと、心配させてたってことなんだけどね。「早い方がいいですよね?もう一つの問題も残ってるんで…」一番片付けなきゃいけない問題があるんだよなって思いながら聞いてみる。『そうですね、待ってもらってるので早い方がいいですね』って、やっぱりな返事が返ってきた。「今週末、今度の土曜日って三枝さんの方は都合どうですか?」早い方がいいなら、今週末に行ってしまえばいい。ちょっと強行的になっちゃうけど、俺的に早く片付けたい。『今週末ですね、
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-25
Baca selengkapnya

第28話

「んっ、あれ?」俺はどうやら大我を待ってる間に寝てたらしい。部屋の中が薄暗くなっていた。時計を見ようと動けば重しが乗ってて動けなかった。なんでだ?って思いながら重しの方を見たら大我が寝てた。「珍しい…大我が寝てる…」ポツリ呟いてみるけど、大我だって忙しかったんだから疲れてて当たり前だよなって思った。「いつもご苦労様」寝てる大我の頭を撫でようと手をのばせば、それは少し熱い大きな手に捕まった。「あれ?起きてる?」まさか捕まるなんて思わなかったから間抜けな声出しちゃったよ。「ゆっくり休めたか?」指先に小さなキスをしながら聞かれる。「うん、電話した後で横になったら今まで寝てた」だから、今日の自分の行動を報告したら笑われちゃったよ。理由はお昼からこの時間までずっと寝てたんだと自白したからだ。自分でも驚いてるんだ。まさかこんな時間まで寝てるなんて…。「ゆっくり休めたならいい。今度は寝すぎで寝れなくなりそうだけど」笑いながら言う大我の言葉に俺は頷いた。多分、寝すぎで寝れなくなりそうだもん。「飯はどうする?」俺の手を放して頭を撫でながら聞かれる言葉に考える。「あんまりお腹空いてないです」ずっと寝てただけだからお腹空いてないなって思って素直にそれを口にしたら苦笑されちゃったよ。「だろうと思った。食べずに寝直すか?」その言葉に「大我は?大我だって食べてないんだろ?」俺は大我も食べてないんだろうなって思って聞いてみた。「まぁ、食べてないな。ゆいが食べないならそれでいいかって思った」大我にしては珍しい返事が返ってきて驚いた。いつもだったらちゃんと食べろって言ってくるのに、今夜は大我も食べる気がないらしい。珍しいことがあるもんだ。なんて思っちゃった。「ん、じゃぁ、いらない。動いてないからお腹空いてないもん」そう、俺の場合は寝てばっかりだとお腹がすくことはなく、食べなくても平気だと思っている。発情してるときは特にそういう考えが強く、よく大我に怒られる。だから大半が強制的に大我にご飯を食べさせられるのだ。「わかった。ならシャワーだけでも浴びてこい」俺の言葉に反対することもなく、代わりにシャワーを浴びてこいというので「んっ、行ってくる。大我は?ここにいる?」身体を起こし聞いてみた。「あぁ、ここにいるから行って来い」同じように身体を起こ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-10-02
Baca selengkapnya

第29話

1週間は早いもので、今日は大我たちと一緒に俺が育った施設へと行く日になってしまった。嫌なことは早く済ませたいとは思うけど、いざその日となると緊張するし、不安にもなる。「すごい顔になってる」施設に向かう車の中で大我に頬をつつかれた。「だって…大丈夫かなって不安なんだもん」隠してても大我にはバレるだろうから正直に話した。「そこまで心配する必要はないと思う」緊張して不安がってる俺に対して、大我はいつも以上に落ち着てる。えっ?これって大人の余裕ってやつ?「なんで大我ってそんなに平気なんだよぉ」だからついそんなことを聞いちゃったよ。「まぁ、色々と手は尽くしたんで…」なんてサラッととんでもないことを口にしたよねこの人。「なにそれ?どういうこと?」また俺の知らないところでなんかやったねこの人。「唯斗が心配するようなことはしてないって。話が円滑に進むようにちょっと手を出しただけだって」なんて言ってますけど、この人が手を出してちょっとじゃない気がする。「いや、本当に少しだけだって。あぁ、ほら、もう着くぞ」なんて、話を逸らされた。でも、本当に施設に着いちゃった。「おかえり、聖くん」施設の入り口で三枝さんが待っていてくれて挨拶してくれた。「お久しぶりです。ご無沙汰しててすみませんでした」俺はひとまず謝った。電話で連絡はしてるけど、こうしてこの場所に来るのは本当に久しぶりだったから。「いいえ、電話でお話しできてるので大丈夫ですよ。さぁ、ここで立ち話もなんですので、こちらへどうぞ」俺たちはみんな三枝さんに案内されて、一番大きな応接室へと入った。「では、聖くんの里親の話を進めましょうか」俺とまさパパとみきママがソファに座って、大我となおパパとゆきママは後ろに立ってた。「お願いします」俺は三枝さんに頭を下げた。「大丈夫ですよ、聖くん。聖くんの里親になる方の条件はあの頃と変わってませんから」三枝さんが小さく笑う。「本当ですか?えっと、じゃぁ、俺が里親になってほしいと思った二人です」俺は隣に座っている二人を三枝さんに紹介した。「神尾さんですね。お二人の審査はすでに完了しております。ですから、手続きを済ませてしまいましょうか」三枝さんの言葉に俺もまさパパとみきママが声を上げた。「えっ?どういうこと?」「終わってるっていつ?」「私
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-10-08
Baca selengkapnya

第30話

「では、書類の方を確認させていただきますね」俺が1人、考え事に没頭してる間にママとパパが書類を書き終えて、三枝さんが確認をしてた。「はい、では、こちらの書類の方も問題なく書いていただいたので、本日より、神尾さんご夫婦は正式に聖くんの里親とさせていただきますね。では、神尾さんご夫婦と聖くんに最終確認ですが、本日付で聖くんをこの施設から退所という形で手続きをしてもよろしいですか?」本当だったら、もっと色んな手続きとかあるはずなのに、三枝さんは俺の為に簡素化してくれてるんだなって、改めて思った。「ゆいちゃんはどうする?」「ゆいちゃんの気持ちで決めていいわよ」2人はあくまでも俺の気持ちを優先していいといってくれる。俺は小さく頷きながら大我を見た。俺だけの気持ちで動きたくないって思ったんだ。だって、この先は大我と一緒に決めていかなきゃいけないから…。「大丈夫だ、ゆいが決めていい」小さく笑いながら大我は俺に決めていいと言ってくれた。なら、俺の気持ちは一つだ。「退所で手続きをしてください」「わかりました。では、こちらの書類をお渡ししますね」俺の言葉に三枝さんは小さく返事をして、今度は違う書類を俺の前に出した。「これは?」俺はそれを見て聞いてみた。「聖くんご本人の退所手続きの同意書です。内容を読んで間違いがなければ署名捺印をしてくださいね聖くん」三枝さんは俺に説明をしてくれた。本当に準備がいいなって思う。里親だけじゃなくて、退所の手続きも一緒にサクサクやってくれるんだもん。もしかして、大我が話したのかな?なんて思う。俺は書類を読み、今日の日付と名前を書いた。「あっ、俺、印鑑もってない」まさか自分の印鑑が必要になるって思ってなかったから持ってない。「あぁ、ほら」俺の呟きに大我が差し出したのは俺の印鑑でした。この人も用意周到でした。「ありがとう」色々と聞きたいことはあるけど、それは帰ってからでいいやって思った。だって、ここで聞いたら話が長くなると思ったからさ。「これで大丈夫ですか?」俺は大我から受け取った印鑑を押し、三枝さんに渡した。「はい、確かに。では、聖唯斗くんは本日付で、神尾ご夫妻の里子になり本施設を退所ということで、手続きさせていただきます。控えを用意しますので、お待ちください」三枝さんはそれらを確認して、部屋を出ていった。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-10-12
Baca selengkapnya
Sebelumnya
1234
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status