その場にいる全員が聞き入っていた。
「真白さん、この先生いいわね。どこで見つけたの?前回までは、おじいさんばかりだったよね?」
お茶会はすでに何回か開催された。毎回違う人が企画・手配していた。
今回はちょうど真白の番で開催者になり、茶芸師が急病になったため、凛を助っ人に呼んだのだ。
前の数回にはこんな「ミス」はなかった。
もう一人の奥さんがこれを聞いて、すぐに頷いた。「そうよ!こんなにきれいな女性の先生がいるのにどうして呼ばなかったの?おじいさんばかりでつまらないし、今回みたいにすればよかったじゃない?」
「目と耳の保養だよ」
「この子は確かにいいわね。声がとても心地いい」
凛が現れた瞬間、晴香と美琴は呆然とした。
そして彼女が落ち着いて壇上に座り、口を開けば余裕そうに、お茶の文化について話し続けるのを見た。
晴香はそれらの評価を耳にした。みんな凛がどれだけ素晴らしいか、どれだけ美しいか、気品がどれだけあるか、褒め言葉ばかりだった!
どうして?
どうして誰も彼女が好きなの?
彼女だってお茶のことなんかわかってないのに、どうして壇上で偉そうに奥さんたちに講義なんかしてるの?
何様なの?
晴香の目には悔しさが閃いた。よく見ると、その目には明らかに狂おしいほどの嫉妬があった!
「待ってください」晴香は立ち上がり、凛の声を遮った。皆の視線が一瞬にして、彼女に集まった。
美琴は止める暇もなかった。
真白も眉をひそめた。
凛は冷静に聞いてみた。「何か質問がありますか?」
晴香は口元を緩めた。「先生、私たちにお茶の文化を教えに来ましたが、あなたは本当に茶芸師なんでしょうか?ちょっと若すぎませんか?それに、あなたの話はどうしてもプロに聞こえませんが?テレビのドキュメンタリーのセリフまで読み上げたじゃないですか?」
この言葉を聞くと、他のみんなも議論し始めた。
「そうだね、どうして急に先生が変わったの?」
何度かお茶会に参加した人であれば、当然講師が60代の男性であることを知っている。どうして急に若い女性に変わって……
真白はそれを見て立ち上がり、説明した。「実は岡崎先生が急に倒れてしまったので、新しい先生を見つかりました。彼女の茶芸は絶対に問題ないと保証します」
晴香は眉を吊り上げた。「では確認させたいです。先生はどの階級の茶芸師な