司が第一ラウンドのゲームでいきなり指名され、場の雰囲気は一気に盛り上がった。
華は赤い唇を引き上げ、司を見ながら言った。「それじゃあ真実ゲームを選ぶね。質問。あなた、奥さんとしたこと、あるの?」
その場にいる人たちは、帰国したばかりの和也を除いて、誰もが真夕こそその「奥さん」であることを知っていた。
つまり華は、司が真夕に触れたかどうかを聞いていたのだ。
テーブルにいる御曹司たちは、面白がって口笛を吹いた。
華は悪意ある視線を真夕に投げながら言った。「奥さんとはもう三年も結婚してるのに、まさかまだ一度も触れてないなんてこと、ないだろうね? 一体どれだけ彼女のことが嫌いなの?」
彩も、真夕を見下ろすような誇らしげな表情で言った。「私が司に、あの女には触れないように言ったの。だから、司はきっと彼女に触れてないわ」
華と彩は手を組み、真夕を辱めようとしていた。
辰巳と御曹司たちは囃し立てた。「兄貴、早く答えてよ!真実ゲームなんだから、嘘ついちゃダメだぞ」
幸子は華と彩を見て、今にも飛びかかって引き裂きたくなるほど怒っていた。
だが、真夕が彼女を押さえた。
幸子は小声で怒りを込めて言った。「真夕、あいつら、絶対わざとやってるよ」
真夕は自嘲するように微笑んだ。「司が私に触れてないのは事実よ。笑いたければ笑わせておけばいいわ」
彩がそれを許さなかったのか。
いや、彩がそうしなくても、そもそも彼は最初から触れる気すらなかったんだ。
真夕は顔を上げ、テーブルの主席に座る司を見た。
今夜の司は黒いシャツに黒いスラックスを着ていた。シャツの袖を二つ折っており、彼の鋭い関節が露わになっている。鋭く美しい目元が動き、あの冷たい視線が真夕の顔に落ちた。
真夕には、彼が何を考えているのか全く読み取れなかった。
彩は急かした。「司、みんなに言ってよ。触れてないって!」
皆の視線が集まる中、司は冷静な声で口を開いた。「罰ゲームを受けるよ。酒を飲むから」
司は答えず、罰ゲームとして酒を選んだ。
彩は一瞬固まった。
見物気分だった華も、思わず驚いた表情を浮かべた。
司は酒を取り上げ、一気に三本飲み干した。
幸子は、司がようやく「まともな男」のように見えてきて、すぐに