ソファの上で、二つの白い影が絡み合っていた。それは私がよく知っている姿だった。
一人は谷原宏斗で、もう一人は木村穂だ。
二人は周りを気にすることなく、燃えるように激しく抱き合っていた。
彼らは私が寝室で寝ていることを忘れているようだった。
「宏斗、陽菜姉は聞こえちゃうよ」
「ハニー、声を小さくすればいいさ。なぜ今日急に来たの......いつも火曜日じゃない?」
「宏斗が恋しくなっちゃって。どうして私じゃなくて、陽菜姉に宏斗の写真を載せるの?」
「彼女は私の彼女なんだ。穂香は何だ?セフレか?ハハハ......」
二人の汚い言葉がこそこそ隠し立てせず、耳に飛び込んできた。まるで私が酔っ払って何も分からないと思っているかのようだ。
しかし、私は酔っ払っただけで死んだわけではない。
彼らの言葉を聞きながら、まるで頭の上から冷たい水を浴びせられたような気がした。
どうやら二人はずっとこそこそと裏で結託していたらしい。
思えば、なぜいつも火曜日に谷原宏斗が残業だと言っていたのか、理由が分かった。それは、他の誰かと一緒にいたからだ。
そうだった。冷笑を浮かべながら、私が谷原宏斗と最初に連絡を取ったのも、まさにこんな風だったことを思い出した。
すぐさま、涙を拭き取った私は、冷静になってスマホを取り出し、愛し合っている二人の姿を録画し始めた。
「ハニー、目が覚めた?どうだった?昨夜は酔っ払って、大変だったよ」
朝になって、谷原宏斗は何事もなかったかのように、私の体調を気遣うように微笑んで話しかけてきた。
ビンタする衝動を抑えた私は、目を細めて、彼に問いかけた。
「どうして今朝、客室から出てきたの?穂香は客室にいるんじゃないの?彼女に会いに行ったの?」
谷原宏斗の顔に一瞬、困ったような表情が浮かんだが、すぐに温和な笑顔に戻った。
「彼女は前のクライアントでね、ちょっとしたフォローアップをしに行ったんだよ。安心して、ただの口頭での確認だけだから」
「そう、谷原先生は私の回復状況を聞きに来ただけよ、陽菜姉、別に何もないの」と、木村穂香が慌てて客室から出てきて、私の質問に応じた。冷静さを装っているものの、指が衣服の縁を引っ張る仕草が、彼女の緊張を如実に物語っていた。
私はその虚飾に満ちた二人の顔を見ながら、「何もない?本当に何もないなら、激しく抱き