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Beranda / 家族もの / 室外機の孤影、涙の子守歌 / 第25話

第25話

Penulis: 鈴木葵影
家に入った瞬間、ひどい悪臭が鼻をついた。

私は思わずドア枠に寄りかかり、吐き気を催した。

食べ残しの出前の容器にはウジが湧いていて、ハエが部屋中を飛び回っていた。

部屋は暗いカーテンで覆われ、一切の光が差し込まない。

床にはゴミが散乱していて、腐敗臭が蔓延していた。

突然、その「ゴミ」が動いた。彼女が頭を持ち上げた瞬間、それが母だと気づいた。

彼女は私を見るなり泣き出し、車椅子を懸命に動かして私に近づいてきた。

「晴ちゃん、やっと帰ってきたのね。お母さん、もう二日もご飯を食べてないの。お願い、何か作って」

私は思わず後ずさりした。車椅子に座った母の肉の塊を見て、言葉を失った。

「たった数ヶ月で、どうしてこんな姿になったの?」

母は泣きながら、私たちがいなくなった後の出来事を話し始めた。

「お父さん、あの畜生......私がご飯を持って行ったのに、殴ろうとしたんだよ。あの日からだいぶ良くなって、ようやく話せるようになったの」

「そのとき、何を言ったか知ってる?」

私は首を振った。

母は涙をぬぐいながら、訴えるように言った。

「なんと、お父さん、私に『お前が俺をこんな風にしたんだ』って言ったのよ」

「私はあんなに愛していたのに......こんなこと言われて、もうお父さんには優しくしないわ。晴ちゃん、お願い、私をここから連れて行って、こんなゴミ屋敷で暮らすなんて耐えられない」

突然、私は嫌な予感がした。母を押しのけてゴミの山を越え、ドアを開けた。

ドアを開けると、ハエと腐った匂いが一気に襲ってきて、私はまた吐き気を催した。

地域の担当のおばさんが顔色を変え、叫び声を上げた。

「うわっ!死んでる!!!」

母は大きく口を開けて、電気ショックでも受けたように固まった。

「まさか......毎日ご飯を持って行ってるのに、どうして死ぬなんてことが!」

私は近づいて見ると、玄関に積まれた食事はすでに腐っていたが、父は一口も手を付けていなかった。

母はずっと死体にご飯を持って行っていた。もう彼女も完全に狂ってしまったのだろう。
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