父の葬儀を簡単に済ませ、私は急いで精神病院で母の手続きを終わらせた。
その後、家の掃除を専門の業者に頼み、家を売りに出すことに決めた。
すべてが終わった後、私は偶然須恵ちゃんのタトゥーショップの前を通りかかった。
彼女はお客さんに龍のタトゥーを彫っていた。
私は彼女に言った。
「ちゃん、私に鳳凰のタトゥーを彫ってもらえませんか?」
須恵ちゃんは私の頭を軽く叩きながら言った。
「何考えてるの?大人になってから、もっとしっかり考えたほうがいいよ。タトゥーは一度決めたら後悔できないから」
「この世のすべては慎重に考えなきゃいけないけど、どうしてなにも考えずに子供を産んだりするの?」
須恵ちゃんは少し黙ってから、言った。
「繁殖は動物の本能だから」