Utopia

Utopia

last updateLast Updated : 2021-06-29
By:  Victor-Emmanuel BRETTCompleted
Language: French
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Synopsis

Née des cendres de notre monde, l’Utopie règne sur Elysia. Le dernier refuge de l’Humanité où elle a prospéré au cours des deux derniers siècles. Une ville égalitaire, qui vise à combler chaque désir de son peuple. Où la guerre n’est plus qu’un lointain et mauvais souvenir. Où le bonheur est maître-mot.
Caine et Elias sont deux jeunes hommes que tout oppose, si ce n’est une chose : ils vont avoir dix-huit ans. L’âge auquel Elysia leur ouvre ses portes. 
Leur chemin, loin d’être tracé, les projette alors vers des mondes radicalement différents. 
Des tours d’albâtres d’Elysia aux confins des contrées périlleuses, leurs découvertes réduiront à néant toutes leurs certitudes. À l’exception d’une seule : un secret se cache derrière l’Utopie.

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Chapter 1

L’Auteur

結婚式を一週間後に控えた頃から、森川晴樹(もりかわ はるき)の出張が急に増え始め、式のリハーサルに一緒に行くと約束した日でさえ、彼は現れなかった。

申し訳なさを感じていたのか、彼は朝から何度も電話をかけてきては、私の機嫌をどうにか宥めようとした。

「今日風が強いから、外に出ない方がいいよ。式のリハーサルなら僕が戻ってからでも遅くない。いい子にして待ってて」

けれど私はもう式場に立っていた。そして、彼の姿を見た。

もしかして私にサプライズを?そんな甘い期待がかすめたのも束の間。

紫のバラが絨毯のように広がる会場で、晴樹が両腕を広げた。すると、ウェディングドレス姿の女性が彼の胸に飛び込んだ。

女性が彼の手を握るより先に、晴樹は彼女の体を抱き寄せ、深く唇を重ねた。

「ちょっと、やめてよ、みんな見てるでしょ?」

晴樹は警戒するように周囲を見渡した。

数秒後、ふっと緊張が解けたように、彼は微笑みながら女性の身体を軽々と抱き上げる。

「さっきまで『もう終わりにする』って言ってたの、誰だっけ?」

「その話はもういいでしょ?それより腰は?もう平気?」

……

気づけば、私は露天の式場で二時間も冷たい風に当たっていた。そうでもしないと、あの光景を頭の中から消すことなんてできないだろう。

私は一通の電話をかけた。

「お世話になっております、小林絵莉(こばやし えり)です。前日いただいた内定の件ですが、ぜひお受けしたいと思います。

ええ、なるべく早く入社したいと思います」

「承知しました。では一週間後、A国でお会いすることを楽しみにしております」

電話を切ると、私は大きく息を吐いた。

晴樹のために、結婚したらすぐ妊活を始めようと思い、私は海外昇進のチャンスを手放そうとした。けれど今、この三十年近く暮らしてきた故郷を離れる決心をした理由も、やはり晴樹だった。

いろんな思いを巡らせていると、また電話が鳴った。晴樹専用の特別な着信音だ。私は少し間を置いてから、風で冷えた頬を手で温めながら電話に出た。

「絵莉?今はどこ?君が落ち込んでご飯もちゃんと食べてくれないんじゃないかと思って、お母さんを家に呼んだんだ。

でも君が留守だって連絡が来て……それで何度も電話をしたんだけど、ずっと通話中だった」

そこで彼はいったん口をつぐみ、次に続けた言葉に不安が滲んでいた。

「絵莉、もしかして……外にいるのか?」

「うん」

その瞬間、電話越しでも彼が息を呑んだことが分かった。私は何気ない口調で続ける。

「ドレスのサイズ直しで連絡が来たから、ちょっと出かけただけ」

彼はほっとしたように息をつき、少し笑みを含んだ声で言った。

「それなら一言言ってくれればよかったのに。君がいないと、僕もお母さんも心配するだろ?

あと一日待ってくれればそっちに戻れる。式まではもうどこにも行かないって約束するよ」

私は返事をしなかった。

「……絵莉?」

晴樹は探るように私の名前を呼ぶ。

しばらく経つと、衣擦れの音が僅かに聞こえてきた。彼はスマホを耳から少し離したようで、その隙間から漏れた声には鋭さと、誰かを制するような強い口調が混じっていた。

「紗耶香……静かに。

いいから降りてくれ」

そこで、通話がぷつりと切れ、その直後にメッセージが届いた。

【式場に使う紫のバラだけど、調子が悪いってスタッフから連絡が来てるんだ。悪いけど、色のコントラストが映える花束で会場を明るくしてもいいかな?】

バラの調子が悪い、ね。私は苦笑いをこぼし、さっき目にした紫のバラの海を思い出す。

十五歳のある夜中に、私は父に家から追い出され、公園で彷徨っていた。そんな私を見つけてくれたのは晴樹だった。彼は私の手を握り、草むらに咲いているたった一輪の紫のバラを指さした。

「見てごらん、満開だよ」

──紫のバラ。花言葉は「一生に一人しか愛さない」。

式場に紫のバラを使ったのは私のこだわりではなく、ただ昔、晴樹がそう誓ったから。「君のために、数え切れないほどの紫のバラを育てる。誰にも真似できない、特別な愛を贈る」と。

けれど残念なことに、その誓いは虚しい嘘だった。

私は目を伏せ、短い返事を打ち込む。

【晴樹が決めていいよ】

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