「おはよう。聖良」「おふぁよう。春君」 朝。俺の家の洗面所で歯を磨いていたのは、皆川聖良。同級生だ。 兄妹でも恋人でもない、ただの高校の同級生。「聖良。抜いてくれ」「……歯磨きの途中なんだけど……」「いいから」「……すぐ外に叔父さんたちいるんだけど……」「いいから」 有無を言わせない俺の圧力に負けたのか、「……わかった。口、だよね。 春君声出さないでね」 軽く口を濯いで、俺のパジャマを下ろす聖良。 俺は入れ替わるように歯磨きを始める。 シャコシャコシャコ ジュプ、ジュプ、ジュプ 歯ブラシのリズムに合わせるように、聖良の頭が前後に揺れる。「出る!」「んん!」 一切の我慢も躊躇もすることなく、聖良の口の中に解き放つ。「んん……」 チュプ……「ふふぇふぇいい?(捨てていい?)」「飲んで」「ん」 こく、こくっと嚥下する聖良。「早く準備して朝飯食うぞ」「……ぷはぁ……わかった」 ー「おはよう。叔父さん叔母さん」 眠そうな顔で俺の親に挨拶する聖良。 だがこれは、眠いのではなく聖良のデフォルトだ。 眠そうなややタレ目のジト目、黒縁の眼鏡に野暮ったい三つ編み。 校則を熟読したかのようなキチンとした制服の着こなし。 いわゆる、地味系女子。「おはよう聖良ちゃん。この家にはもう慣れた?」「うん、そろそろ1ヶ月になるし、元々しょっちゅう遊びにきてたから」「確かにな。うちのエロガキからは変なことされてないか?」 エロガキ……俺のことらしい。 俺、川島春は普通の高校生だ。 聖良の事は、親同士が友達ということもあり小学生の頃から知ってはいたが、しょっちゅう顔を合わせるようになったのは中学の頃。 聖良の家族が近所に引っ越してきてからだから、幼馴染とも違うと俺は思ってる。だから同級生。 それ以上の事は何もなかった。 父子家庭の聖良の父が長期出張に旅立って、聖良がうちに居候に来るまでは。「あいつが帰ってくるまでまだ何ヶ月もあるからな。エロガキがなんかしてきたら俺たちに言えよ?」 あいつとは聖良の父の事。 だが残念だな親父。聖良が居候してきたその日には手を出してしまっているんだ。「大丈夫だよ。春君は私が嫌な事はしてこないから」 ……暗に、嫌じゃない事はしてるとも捉えられないか?考えすぎか?「……ご馳走様」
Last Updated : 2026-07-02 Read more