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第12話 停戦協定(02)

Penulis: 星琴千咲
2025-06-22 10:11:25

「!?」

今度は大介が驚いた顔をした。

「今回の件に関して、悠治の考えが浅はかだったの。あなたに嫌がらせをするのが一心で、危うく大きなミスを犯したところだった」

「大きいなミスって?」

「もう大体想像がついたのでしょ?」

「……」

大介は沈黙した。

悠子はそっと体を傾けて、前の座席の間から頭を出して、大介の横顔をじっと見つめた。

「大介はやさしいね」

「そんな目で見つめないでくれ、気持ち悪い」

「もったいないわ。今の横顔、ちょっとかっこよかったのに!」

「何処かのインチキ引きこもりと違って、オレは何時だってかっこいい」

いきなりほめられて、大介は逆に対応に困った。

「でも女子が苦手だよね、せっかくの男前なのになかなか彼女ができないでしょ。雪枝に頼んでおしゃれな子を紹介してもらおう」

「余計なお世話だ。それよりあのエロ小説、何時削除してもらえる?」

「はっくしょん!ああ、寒い、暖房をもっと上げて。ちょっと寝るわ……うちについたら起こして」

「とぼけるな!真面目に返事しろ!」

悠子はまたとぼけて逃げたけど、いつものことだし、大介はそれ以上追い詰めなかった。言われた通りに暖房の温度をあげて、悠治を家まで送った。

03

翌日、悠治から修正されたシナリオが届いた。

誤魔化す程度の修正ではなく、全体的に伏線や、違和感のあるところも一緒に直されたしっかりしたものだった。

憎ませるために、給料ゼロとか言い放ったが、こんなできのいいものをもらった以上、何も返さないと、大介の人間としての良心が許さない。

「お兄ちゃんが好きなもの?」

返すものに悩んでいたので、雪枝に電話をした。

「パジャマかな……一番よく着るものですから、20着も持ってるらしい」

(それは、単に洗濯が面倒くさがっているじゃない?)<

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