結婚して三年以上経っているが、司は真夕と一度も同じ部屋で過ごしたことがなかった。当然、他の女性ともそういったことはなく、これは完全に初めてだった。
今、彼女が忙しそうにスキンケアをしているのを見て、司は新鮮に感じた。
この時、真夕は彼の視線に気付き、振り向いた。
司は目をそらす間もなく、彼女と視線がぶつかった。
真夕は彼を睨み、「何見てるの?美人を見たことないの?」と言った。
司は淡々と答えた。「……時間があるなら、本でも読んで自分を鍛えてみたらどうだ?いくら美人になっても、中身が空っぽじゃ意味がないぞ」
「空っぽ美人」と呼ばれた真夕は言葉を失った。待ってろよ、いつかその目を見開かせてやる!
真夕は彼を無視し、布団をめくってベッドに入った。
その時、「ピン」と音が鳴り、司のスマホの通知が届いた。
彼は鋭い目を伏せ、ちらりと画面を確認した。すると、母校のサイ学長がチャットグループを作り、彼を招待していたのだった。
そこにはもう一人いた。それは黒いアイコンのW、つまり彼の天才後輩だった。
数日前、彼の友達追加申請を拒否したあの天才後輩だった。
そして今、二人は同じグループにいる。
サイ学長は拍手の絵文字を送った。【二人の天才を歓迎するよ!学校は新しいデジタルゲームをリリースする予定なんだけど、その前にテストプレイをお願いしたいんだ】
司は【オッケー】と送信した。
天才後輩のWも【オッケー】と送った。
サイ学長はゲームアプリを共有した。司とWは同時にアクセスし、プログラミングゲームのクリアに挑戦した。
司はすぐにクリアし、記録は10.4秒だった。
彼は天才後輩Wの黒いアイコンを見つめた。正直なところ、彼女がどれくらいの時間でクリアするのか興味があった。
あの日、サイ学長は彼に言った。彼の記録を何度も挑戦し、肩を並べるほどの天才少女がいると。その時彼は信じていなかった。
その後、その天才後輩は彼の友達追加申請を拒否したが、彼は別に気にしなかった。
まさかこうして、サイ学長によって二人が繋がることになるとは思ってもみなかった。
すると、サイ学長がスクリーンショットを送ってきた。【二人とも10.4秒だ!限界に挑戦してるね、すごい!】
司の美しい目