私が突然投げかけた質問に、兄妹二人は顔を見合わせて黙り込んだ。
知っての通り、弘人は妹が恋愛をすることを最も嫌っている。
昔、彼たちの母親が結婚後に他の男と関係を持ち、それを父親に見つけられ、三人で揉み合いになった末に、結局みんな死んでしまった。
その事件が原因で、彼らの家は村中で有名になり、村人たちは葵が大人になったら、母親のように男性と乱れるかどうかを予想し、賭けまでしていた。
「お兄ちゃん、わかったよ。きっとお姉さんがあなたを裏切ったから離婚したいんだよね」
私は思わず笑ってしまった。「葵、あなたが私の車で遊びに出かけるのはまあいいとして、どうして男と一緒にいるのに、ホテルに連れて行ってもらうこともないの?」
弘人の顔色がだんだん真剣になり、葵は明らかに慌てていた。
「ふざけんな、絶対にあなたが使い古したものを捨てずに、だらしない生活をしてるからだろ!」
葵が言ったその瞬間、私はもう迷うことはなかった。
すぐに携帯電話を取り出し、ビデオを開いて弘人の目の前に差し出した。
弘人は疑問の表情でスマホを受け取ると、画面に映し出されたのは、葵と男性が私の車の後部座席で露骨に絡んでいるシーンだった。
弘人の顔色が次第に真剣になっていった。「言え、この男、かなり年上なんだろう?誰なんだ?」
葵は震えながら後ろに身をひいて隠れた。
「私は必死にお客さんに笑顔を作って、あなたに学費を稼いであげたのに、あなたは勉強も終わらせず、男には声をかけられたのか」
正直言って、私は弘人が妹にこんなに厳しく接するのを初めて見た。
「今日はこの男が誰か言わないと、殺すぞ」そう言って弘人はコップを手に取ると、それを葵に向かって投げつけた。
「あ、あの、私の自動車学校の教官なの」と、葵は震えるような小さな声で答えた。
私は驚きのあまり言葉を失い、なんとも言えない虚しさを感じた。せっかく大事に育てたこの子が、どうしてそんなに軽率に、知り合ってまだそんなに経っていない自動車学校の教官と......
なるほど、葵があんなに早く免許を取ったのも納得だ。
「私、何も悪くないよ。私はただ、同級生たちのように車で学校に行きたかっただけ。あなたたちが言ったんだよ、免許を取ったら車を私に使わせてくれるって」
葵はまた涙を流しながら、すすり泣き始めた。
「葵、良い生活をした