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本島幸久
Author
Novels by 本島幸久
ある日突然にどーる
ミステリー
強いヒロイン
青春
探偵
オタク
バディ
記憶喪失
学園
成長
ミステリー
10
ある日あたしは人形になった。 記憶は無いけれど間違いなく人間だった自覚がある少女人形の〈どーる〉は、偶々出遭ったコミュ障大学生・間嶋久作と共に自分の正体を突き止めようとする。しかしその最中、久作の気になる同級生・結月沙苗が校舎の屋上から転落し……それを皮切りに起こるのは殺人未遂や特殊詐欺、そして殺人といった物騒な事件ばかり…何故か人形を巡るファンタジーにはちっともならないミステリな非日常である。 それでも仲間になってくれた久作の怪しい先輩・希津水破一郎、天才演劇少女・楠本真名の助けも借りながら、どーると久作は事件と自分の謎に挑んでいく。 どーるの人形ならではの視点と破一郎の破天荒推理が奇跡的に噛み合って、謎が何となく解けたり解けなかったりしているうちに、やがて全ての事件を繋げる悪意も浮き彫りになってきて……
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Chapter: 第二話 死者の粉
─そんなに邪魔だったの…? 彼女は身|動《じろ》ぎもせずに立ち竦んでいる。大きく目を見開いて、驚愕とも恐怖ともつかない表情で固まるその姿は、まるで討ち取られた|怪物《メドゥーサ》の首を見てしまった乙女の様だ。 いや、彼女が見つめる先─煌々と照らされた光の輪の中に倒れていたのは、確かに《《怪物》》だった。 ─そんなに殺したかったの…? こんな手を使ってまで…私を…… ガタン。 走り出した電車が揺れて、よろけた誰かに後ろから押された。 「むぎゅう、苦しっ…」 「わっ、う、ううっ…」 右肩に背負った黒いリュックから小さな声がして、僕は慌てて呻き声を被せる。 周りの乗客の何人かが反応して、特に右隣で吊り革に掴まっていた中年女性が怪訝そうな目を向けてきた。当然だろう、『苦しい』と言ったのは高い少女の声─ボサボサ頭の眼鏡男子が出したとは普通思わない。それでも更に「ゲホゴホ」と|噎《む》せて喉の調子がおかしいアピールをしながら、僕はリュックを胸の前に引き寄せた。中年女性は体格が良く、茶色いソバージュヘアもオレンジ色のワンピースも何だか迫力がある。その明らかに僕より体重も力もありそうな、近所のママ友のボスといった感じの彼女の視線を避けて、左の窓側に体を捻る。 車窓の外に広がっているのは緑も多く落ち着いた街並で、沿線でも住み易い住宅地として人気の代々木上原である。 |五月《さつき》晴れの空の下、キラキラと風が光って流れていく── 僕─間嶋久作は小田急線の通勤準急下り線に乗って、大学のある〈|麗青学苑《れいじょうがくえん》前〉駅に向かっていた。 金曜日の午前十時─朝のラッシュアワーは過ぎていたが、新宿始発の電車に発車時刻ギリギリで飛び乗った為座席は埋まっていて、僕は入口ドアの脇に立っている。当初は吊り革に掴まる乗客がチラホラいる程度だったのだが、準急で最初の停車駅となる〈代々木上原〉で一気に乗客が増えて車内の人口密度が上がり、リュックが潰される羽目になったのだ。この駅は東京メトロ千代田線と相互乗り入れしているので、乗り換え客が多く乗ってくるのである。 と言っても勿論、リュックが苦しがった訳ではない。 声を上げたのはリュックの中にいる《《人形》》─どーるだ。 常識外れにも程があるが、彼女はまるで人間の様に見て聞いて喋って
Last Updated: 2025-12-14
Chapter: 第一話 亜人の靴
……ゆるゆると目を開ければ、辺りは昏くて白い。 夜空に綺麗な満月が浮かんでいる。 頭上で重なり合う枝葉をサワサワと風が鳴らし、隙間から月光が零れ落ちてくる。 あたしはその大きな樹の根元に仰向けに寝転がっていた。草の匂いがする。 (草原…?) その|叢《くさむら》は横たわるあたしの体をスッポリ隠す程に深く、葉の一枚一枚も何だか大きい。一体ここはどこだろう?あたしの生活圏内にこんなザ・自然な場所、あったっけ?どこか山奥にでも来たのだったか…… 「…って、え?てか、今までどこにいたんだっけ…? 何してたんだっけ……あ?え…? ……あたし、誰?」 全身から力が抜ける。ゾワゾワと嫌なモノが背中から這い上がってきて、寒気と吐き気で体が震え出す。 (分からない…記憶喪失っ…?) ガチガチと鳴り出した歯を止めようと、あたしは頬に両手を当てた。 ペコン。 予想していなかった音がして、頬に手を当てたまま固まる。爪が頬骨に当たったのか…?いや、そこまで硬い感触ではない。しかし覚えている皮膚の弾力とはまるで違う。あたしは両手を頬から離して目の前に掲げた。 月明かりに白く光る細い指も|掌《てのひら》も透き通る様に綺麗…けれど、明らかに不自然だった。ツルンとしてシワが全く無いのだ。指紋すら無い。指の関節はあるが、まるで切れ込みが入ったかの様にくっきりしている。そして手首の関節は── あたしは悲鳴を上げた。 ……………………………………… よく晴れて、日差しの眩しい朝である。 僕─|間嶋《ましま》|久作《きゅうさく》は眠い目を擦りながら、ヨロヨロと急坂の歩道を上がっていた。 ブロオオォ…… すぐ脇の車道をバスが追い抜いていく。車内には僕と同年代の男女が多く乗っていた。見送って溜息をつく。 東京都南西部・世田谷区の|麗青《れいじょう》。この辺りは地域全体が丘になっており、駅前を過ぎるとすぐに上り坂になる。庭付きの高級住宅ばかりが並んでいて、土地が物理的にも価格的にも高い。都心から離れて落ち着いた世田谷区内でも、特に有名なセレブの街である。 僕は日差しを避けて豪邸の塀沿い、庭の樹々が枝を張り出している木陰をトボトボと歩く。垂れ下がった葉っぱが不意に頭を掠めて、ビクッと首を竦めるのが我ながら情けない。 季節は本
Last Updated: 2025-12-05
真夜中の長女の冒険〜ポン・シスポンディ
ミステリー
現代
短編小説
天然
一目惚れ
三角関係
歪んだ関係
ミステリー
少女は言いました──貴方は二十四時間以内に死ぬと。 だけど未来は、現在の貴方が作るのです。 〈死の未来〉に抗うのは彼か彼女か……
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Chapter: 真夜中の長女の冒険 ポン・シスポンディ
冬の空気の底、都心の夜景が寒々しく煌めく。 そのマンションの屋上からの眺めは、見る人が見れば感動するのだろう。彼は高層ビル街の足元に繁華街のネオンが広がるその景色を、シャンパンタワーの様だと思った。ただ本物のシャンパンタワーなど見た事はない。最近聞いた忌々しいワードを、つい連想してしまっただけだ。 (アイツが通ってたホストクラブなら見れるんだろうな……) 溢れたシャンパンの金や銀の|飛沫《しぶき》がキラキラと跳ね回るのを見て、キャアキャアと浮かれていたに違いない…いや、今日は週末の金曜日、あのネオンのどこかで今夜もアイツは現在進行形で…彼は目をギュッと瞑り左右に激しく首を振る。そしてひとつ大きく吐いた息が、白く拡散した。 「クソッ…見てろっ……」 彼がそう憎々しげに吐き捨てて、ゆっくりと前に一歩踏み出した時── 「あ、ちょっといいですかあ?」 不意に背後から掛けられた声に、鉄柵を掴もうとしていた彼は一瞬ビクリと背筋を伸ばし、慌てて振り向く。 そこに女が─いや、中学生くらいの少女が立っていた。彼にスマートフォンを向けている。 「な…」驚き過ぎると声は咄嗟には出ないものだ。彼が固まっている隙に、少女はカシャッと写真を撮った。 「何だよ君っ…失礼だろっ…!」 彼が情けなく掠れた声で怒鳴ると、少女はニカッと笑った。 少し赤みがかったショートカットで整った顔立ちをしている。黒いハイネックのニットとピンクのミニスカート、黒いダッフルコートを羽織って、スラッとした素足に黒いショートブーツ…細身だがプロポーションもいい。可愛いと言えばかなり可愛いけれど、笑った顔は悪戯小僧の様だし、この状況ではどんなに可愛くても彼と同じく腹を立てるだろう。 「勝手に撮ってっ…」 「画像送ってもいいですかあ?イヤならこのまま見せるけど〜」 人の話を聞いていないのか、少女はニコニコと続ける。彼が言葉が続かなくなって口をパクパクさせていると、スルスルと目の前に寄ってきた。そして右手に持ったピンクのスマホを、彼の顔の前に突き出して画面を見せる。 「えっ…?」 それは、ザラザラとした白黒の写真だった。 スーツ姿の男とワンピースを着た女が写っている。 二人は真っ暗闇の中にポツンと浮かぶ、細いロープの上に向かい合って立っている。男は両手で女の首を絞
Last Updated: 2025-10-31
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