忍は尋ねた後、すぐに相手の正体を察した。ホスト。その衝撃は大きく、多分月子が再び静真と復縁するのを聞くのとほぼ変わらないくらいだろう。忍は持ち前の図々しさで、次第に月子と親しくなっていった。しかし月子からは冷たさだけでなく、真面目さも感じられた。遊び慣れているようには見えなかった。まるで時代遅れの人間のようだった。特に恋愛に関しては、以前会った時はまだ静真に振り回されていて、隼人とくっつけようとしても、まるでピンと来ていないようだった。今になって忍は理解した。月子は鈍感なのではなく、離婚届が受理されるまでは静真のことしか頭に無かったのだ。さらに、忍と月子が会う時は、いつも隼人が同席していた。つまり、二人きりで会ったことは一度もなく、彼女のプライベートな一面を知る機会などなかったのだ。忍は心の中で静真を罵った。あんな最低な男になんの取柄があって、月子は惹かれたんだろう?しかも、月子のその想いを踏みにじるなんて。月子は、みるみるうちに表情を変える忍を見て、紹介した。「阿部さんよ」そして要に言った。「桜井さん」要はすぐに「桜井社長、初めまして」と挨拶した。忍はすぐに状況を理解し、笑って近づきながら二人を見て言った。「驚いたな」月子は言った。「独身って、こんな風に遊ぶものなの?」忍は頷いた。「ああ、そうさ。あなたの独身パーティー用にイケメンを10人以上用意したんだ。服を脱がせても、文句を言わずに従うようなのをね」月子は言葉に詰まった。彩乃は言った。「私も行きたくなってきたわ」彼女は月子に真剣な顔で尋ねた。「行く?」月子は「行くなら、あなたが行けばいいじゃない」と言った。忍は月子と彩乃の間に座り、彩乃の方を振り返ってこう言った。「あなたの誕生日はいつだ?俺がパーティーを開いてやるよ。今日のより盛大にやるから」彩乃はそれが社交辞令だと分かっていた。忍に酒を注ぎ、彼の視線が月子に向いているのを見て、少しだけ会話を交わしたが、それ以上は何も言わなかった。「隼人を呼んで一緒に盛り上がろうか?」忍は月子に尋ねた。「人が少なすぎて、少し寂しいな」月子は言った。「……いや、それはいい」「見られたくないのか?」月子は忍が何を試しているのか理解していた。「別に会っても構わないけど、彼は私の上
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