決戦の朝が来た。オブシディアン基地の大ホールには、500名を超える戦士たちが集結していた。異常演算者、支援者、医療班、通信班。すべての人員が、最終確認を行っている。「各部隊、準備状況を報告せよ」ルーク司令官が指揮台に立つ。「第一部隊、準備完了」「第二部隊、準備完了」「第三部隊、準備完了」次々と報告が上がる。クロたち12人は、中枢突入部隊として最前列に並んでいた。「緊張してる?」サクラがクロに聞く。「少しな」クロが正直に答える。「でも、やるしかない」ジンも頷く。「今日で、すべてが決まる」カイが拳を握る。「よし、気合い入れていこうぜ」「おう!」12人が拳を合わせる。その時、ルークが最後の訓示を始めた。「諸君」500人の視線が、一斉にルークに注がれる。「今日、我々は歴史を変える」「異常演算者が自由に生きられる世界を、我々の手で掴み取る」「危険な戦いだ。命を落とす者もいるかもしれない」「しかし――」ルークが力強く言う。「我々には、戦う理由がある」「家族のため、仲間のため、未来のために」「だから、恐れるな」「胸を張って、戦え」500人が一斉に敬礼した。「了解!」その声が、基地中に響き渡る。「では、出撃」ルークの号令で、500人が動き出した。飛行船が次々と離陸し、政府中央評議会への航路を辿る。クロたち12人は、先頭の飛行船に乗っていた。「到着まで、30分」パイロットが報告する。「了解」クロが答える。窓の外には、朝日が昇り始めていた。新たな時代の夜明けを告げるように。「綺麗な朝日だな」カイが呟く。「ああ」ジンも頷く。「この美しい世界を、守るために戦う」サクラが優しく微笑む。「必ず、勝ちましょう」「ああ」全員が頷いた。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――30分後、飛行船は政府中央評議会の上空に到着した。巨大な建物が、眼下に広がっている。「すごい……」サクラが驚く。「こんなに大きいんだ」「当然だ」フィアが説明する。「ここは、国の中枢だから」レインも短く言う。「厳重」確かに、建物の周囲には大量の警備兵が配置されている。さらに、対空砲台も多数設置されていた。「第一部隊、降下開始」通信が入る。
Last Updated : 2025-10-26 Read more