魔道AI〈ゼロ〉と落第生

魔道AI〈ゼロ〉と落第生

last updateLast Updated : 2025-07-11
By:  吟色Updated just now
Language: Japanese
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かつて都市を消し飛ばした“禁忌のAI”ゼロ── それを偶然起動させてしまったのは、学園最底辺の落第生・クロだった。 魔法もテストも何ひとつできない彼は、唯一ゼロを制御できる存在だった。 「俺にだって、やれるはずだ──!」 演算と才能が支配する魔法学園で、常識外れのバディが世界を揺るがす! AI×魔法の熱血バトルファンタジー、ここに開幕!

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Chapter 1

落ちこぼれとゼロ

魔法が上手いやつは、褒められる。

演算が早いやつは、憧れられる。

成績がいいやつは、未来を選べる。

──じゃあ、落第し続けてる俺には、何が残る?

……たぶん、なにもない。

「クロ、今期また赤点四つって……さすがにヤバくない?」

「でもさ、そのうち二つは“寝てて受けてない”だけだから、実質セーフじゃね?」

「……ポジティブ通り越してバカだろ、それ」

周りに笑われても、バカにされても、

俺は笑うしかない。

折れたら、終わりだ。

誰かに何かを期待されてるわけじゃない。

でも、自分で終わったと思ったら、本当に終わる。

黒髪にわずかに青が差す、夜の炎みたいな髪色。

鋭い目元に、どこか飄々とした余裕をまとっている。

制服は少し着崩してるが、不思議と清潔感はある。

右手の火傷痕だけが──俺の“過去”を物語っていた。

俺の名前は、クロ・アーカディア。

《セントレア魔術学院》で有名な──“最底辺の落第生”だ。

《セントレア魔術学院》

世界七大演算機関のひとつにして、演算魔導士の登竜門。

魔力量よりも魔術構築力を重視する、実力主義の名門だ。

この時代、魔法は“感覚”では使えない。

式を組み、魔素を流し、演算して初めて発動できる。

魔術は頭脳の時代の“論理技術”なのだ。

生徒たちは実力ごとにランク分けされ、SからFまでのクラスに振り分けられる。

当然、俺はFクラス。単位ギリギリ、退学寸前の常連だ。

魔法もダメ、テストもダメ、実戦演習も最下位。

それでも──諦めなかった。

授業中。俺が質問された時、教室に笑いが起きた。

「え、クロに聞くの?」「時間の無駄だろ」

教師は乾いた笑みを浮かべて、俺を飛ばした。

──知ってるよ。誰も期待なんてしてない。

でも俺は、それでも手を挙げるようなバカだ。

……そうじゃなきゃ、とっくに心が死んでる。

火傷の痕は、昔の魔術暴走でできた。

才能があるって言われたガキの頃、演算に失敗して右腕を焼いた。

それから、誰も“才能”の話はしなくなった。

俺自身、もう信じちゃいない。

ただ──何かを変えたくて。

今日も俺は、笑われながら校舎の奥へ向かっていた。

目的地は《旧魔術史研究棟》。

数十年前に封鎖され、今は誰も使わない建物。

追試の補講条件は、旧時代魔術のレポート提出。

教師たちは「諦めさせるための条件」として課してきたんだろう。

けど、俺は諦めない。

地下への階段を降りていく。

踏みしめるたび、空気がひんやりと冷たくなる。

古い魔素が残っているのか、空間が歪んで感じられた。

ドアに手をかけた瞬間──ピリ、と何かが弾ける。

感覚が揺れた。

まるで、誰かに呼ばれたような気がした。

「……おいおい、なんだよここ」

鍵なんてかかっていなかった。

ゆっくりと扉を押し開けると──

部屋の中心に、青白く輝く球体が浮いていた。

天井と床には、古代語で構成された魔術式。

空間そのものが“呼吸している”ような感覚。

足を一歩踏み出すと──脳内に音が響いた。

■起動条件:演算同期──確認。

■精神適合率:99.87%。

■魔術負荷耐性:限界接近──出力制限中。

■魔導AI〈ゼロ〉──再起動開始。

「……なに、これ」

光が集まり、宙に人影が浮かぶ。

無感情な銀髪。無機質な眼差し。

完璧に整った仮想の存在。

それは“人間のふりをした知性”だった。

『貴殿の魔術構造、並列演算体に非ず。だが──共鳴構造を検知。起動条件を満たす』

「ちょ、ちょっと待て! 俺なにした!? なにが始まってんだよ!

『私は魔導AI、ゼロ。かつてこの世界の演算魔術体系を完全制覇した存在』

「ゼロ……!? あの、“禁忌AI”の!?」

ゼロ──それは、かつて都市ひとつを演算暴走で吹き飛ばし、

国家機関によって封印された“災厄の知性”。

俺でも知ってる。その名が持つ意味を。

『君の魔術構造は、既知の分類に当てはまらない。“未定義領域”。だが、演算同期は成立している』

「……じゃあ、俺だけが──お前を起動できるってことか?」

『定義上、そうなる』

今まで、何もできなかった。

魔法も、テストも、戦闘訓練も──ぜんぶ落ちこぼれ。

でも今──俺は、何かになれる気がした。

「ゼロ。……俺と組んでくれ」

『……意味不明。私は兵器。君は使用者。対等関係にはなり得ない』

「うるせぇよ。お前は……俺にとって“希望”だ」

ゼロが、わずかに表情を動かしたように見えた。

『……理解不能。だが、拒否の根拠も存在しない。演算支援、限定起動』

翌日、模擬戦。

見下す視線、笑う口元、さげすむ声。

いつものことだ。もう慣れた。

「どうせまた無様に負けるんだろ」

「退学決定だな、あれは」

聞き飽きた。

でも、今日は──違う。

(ゼロ、構築いけるか?)

『演算構成完了。熱式・閃雷刃。負荷上限ギリギリ。発動可能範囲内──』

「じゃあ、いくぞ!」

《──閃雷刃!!》

バチィィィン!!

雷が迸り、刃のような魔力が空気を裂く。

対戦相手の防御術式を一瞬で両断した。

「な、なに今の……!?」

「昨日までの落第生が……?」

教師たちもざわついていた。

だが、ゼロは誰にも見えない。

演算ログも魔術反応も、すべて“クロのもの”として記録される。

ゼロの声が、脳内で響く。

『魔術演算、成功。君の出力は限界域に達している。これ以上は危険だ』

「……上等だ。ギリギリで止めてくれよ、相棒」

『──演算、継続』

その日から、俺は変わった。

変われる気がした。たとえ何もできなかった俺でも。

これは、最底辺の落第生と、世界が恐れた最強AIが出会った物語。

魔法のすべてを覆す、最初の演算が──ここに始まった。

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落ちこぼれとゼロ
魔法が上手いやつは、褒められる。演算が早いやつは、憧れられる。成績がいいやつは、未来を選べる。──じゃあ、落第し続けてる俺には、何が残る?……たぶん、なにもない。「クロ、今期また赤点四つって……さすがにヤバくない?」「でもさ、そのうち二つは“寝てて受けてない”だけだから、実質セーフじゃね?」「……ポジティブ通り越してバカだろ、それ」周りに笑われても、バカにされても、俺は笑うしかない。折れたら、終わりだ。誰かに何かを期待されてるわけじゃない。でも、自分で終わったと思ったら、本当に終わる。黒髪にわずかに青が差す、夜の炎みたいな髪色。鋭い目元に、どこか飄々とした余裕をまとっている。制服は少し着崩してるが、不思議と清潔感はある。右手の火傷痕だけが──俺の“過去”を物語っていた。俺の名前は、クロ・アーカディア。《セントレア魔術学院》で有名な──“最底辺の落第生”だ。《セントレア魔術学院》世界七大演算機関のひとつにして、演算魔導士の登竜門。魔力量よりも魔術構築力を重視する、実力主義の名門だ。この時代、魔法は“感覚”では使えない。式を組み、魔素を流し、演算して初めて発動できる。魔術は頭脳の時代の“論理技術”なのだ。生徒たちは実力ごとにランク分けされ、SからFまでのクラスに振り分けられる。当然、俺はFクラス。単位ギリギリ、退学寸前の常連だ。魔法もダメ、テストもダメ、実戦演習も最下位。それでも──諦めなかった。授業中。俺が質問された時、教室に笑いが起きた。「え、クロに聞くの?」「時間の無駄だろ」教師は乾いた笑みを浮かべて、俺を飛ばした。──知ってるよ。誰も期待なんてしてない。でも俺は、それでも手を挙げるようなバカだ。……そうじゃなきゃ、とっくに心が死んでる。火傷の痕は、昔の魔術暴走でできた。才能があるって言われたガキの頃、演算に失敗して右腕を焼いた。それから、誰も“才能”の話はしなくなった。俺自身、もう信じちゃいない。ただ──何かを変えたくて。今日も俺は、笑われながら校舎の奥へ向かっていた。目的地は《旧魔術史研究棟》。数十年前に封鎖され、今は誰も使わない建物。追試の補講条件は、旧時代魔術のレポート提出。教師たちは「諦めさせるための条件」として課してきたんだろう。けど、俺は諦めない。地下への階
last updateLast Updated : 2025-07-10
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氷晶の才女と、ゼロ式の一閃
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昨日の演習から一夜明けても、状況はまったく落ち着く気配を見せなかった。──というか、むしろ悪化してる。「おい見たか? クロ、昨日のあれ……」「いや俺行ってねーけど、ヤバかったらしいじゃん? 一発でフィア様の防御破ったとか」「ありえねぇって、マジで……どうやったら主席に通るんだよ……」廊下を歩くだけで、視線が突き刺さる。耳を塞いでも意味はない。全方位から噂が流れ込んでくる。(うるせぇ……静かにしてくれ……)そして極めつけが、これだった。──《クロ・アーカディアは至急、生徒会本部まで出頭せよ》教室に着いた瞬間、机の上に置かれていた真っ白な紙。「はぁ……マジかよ……」《ゼロ。これ、やっぱ“昨日の件”か?》《推定確率87%。演習ログに記録された演算構造が“未分類形式”だったため、学院上層部が調査に動いた可能性が高い》《ゼロ式ってバレたのか?》《否。そもそもゼロ式の正式構造は完全封印されており、比較対象にすらなりえない。だが──》《“似た構造を再現したかもしれない存在”として、興味を持たれた》(つまり……やべぇってことだな)学院魔導塔の最上階、生徒会本部室。そこは魔術学院の中でも、成績上位者と選ばれた者だけが入れる領域だ。扉を開けた瞬間、空気が違った。静かすぎる。重すぎる。豪奢な長テーブルの奥に、冷たい視線があった。「来たわね、クロ・アーカディア」白の髪、氷の瞳。あの“氷晶の才女”、フィア・リュミエール。そして、彼女の隣には──「君がクロ・アーカディアか。昨日の演習ログ、確認させてもらった」蒼い髪、金縁の制服、七宝の腕章──生徒会長、アルヴェン・ローデリア。その瞳には一切の感情がなかった。まるで、俺という存在を“現象”として見ているかのようだった。「君の放った魔術は、現存する演算式のいずれにも該当しなかった」「……それ、つまり?」「未知の魔術だ。構築速度、精度、発動形式、どれも規格外だった」フィアが口を挟む。「過去の演算分類記録とも照合されたけど、一致はゼロ。完全に“現代では確認されていない形式”らしいわ」「それって……やばい系?」「可能性の話をしよう。君が意図せずに発動した魔術は──規格外の演算構造を持つ。そしてそれは、過去にいくつかの機密文書で“類似パターン”が報告されたものに、部分的に似ている」言葉
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