俊明は、明菜がこんな形で、この暗くみじめな人生に幕を下ろすとは、さすがに思っていなかった。博文が湯のみを手にしてやって来て、隣に腰を下ろす。「彼女のこと、考えてるのか?」「考えてはいる。でも、恋しく思ってるわけじゃない」俊明はそう答えた。「もっとしぶとく生きると思ってた。昔の私の姉みたいに、苦しみながらでも生き続けるんじゃないかって」博文は俊明を見やった。「名目上とはいえ、君の妻だった人だ。亡くなった以上、因縁も終わりだろ。最後に見送ってやるか?」彼女を最後まで、送るのか。……明菜の死は、刑務所にいる雅弘の耳にも届いた。目の前に立つ俊明の秘書を見つめても、彼の瞳には一切の光がな
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