Todos los capítulos de 異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい3: Capítulo 11 - Capítulo 15

15 Capítulos

11話 一閃の戦果、霧の中に散る三頭の巨狼

 剣を構えると、二頭のオオカミが地を這うような低い唸り声を上げ、牙を剥いて同時に襲いかかってきた。ユウヤは冷徹なまでに冷静な動作で、バリアを纏わせた剣を一閃、薙ぎ払うように振るった。 空気を切り裂く鋭い音と共に、勢い余って三頭の首が空中に舞い、鮮血が霧の中にどす黒い花を咲かせる。仲間が一瞬で屠られた光景を目の当たりにし、残りの三頭は本能的な恐怖に駆られたのか、じりじりと後退を始めた。「逃がすと面倒だしな」 ユウヤは逃走を許さず、足元の地面を蹴った。縮地に近い速度で肉薄し、バリアを刃として振るう。抵抗する間もなく、残りの三頭もまた、その首を地面に落とした。「うぅ~ん……見た目だけで手応えナシか」 ユウヤは剣を軽く振り、付着した血を払った。期待外れだったことに、少しだけ肩透かしを食ったような気分だ。「えっと……魔石あるのか? これだけデカかったらあるだろ」 試しに『収納』の機能を使って回収を試みると、手のひらに収まりきらないほどの巨大な魔石が六個、ぼうっとした輝きを放ちながら現れた。「で……このワンコ達は片付けなきゃいけないのか? 面倒じゃない……? 一応……収納に入れておくかな」 死体を放置して腐敗させるのも寝覚めが悪いため、ユウヤは巨大なオオカミの死骸も手際よく収納へと放り込んだ。 作業が終わろうとした、その時だった。 風を切る鋭い音が響き、ユウヤの足元に一本の矢が突き刺さった。「弓矢……? 人か? 盗賊?」 ユウヤは瞬時に身を翻し、矢が飛んできた方向を鋭い眼差しで見据えた。モンスターが多発しているこんな危険な場所で、わざわざ人間が攻撃を仕掛けてくるだろうか。「盗賊も知能が低下し過ぎてモンスターになっちゃって、共存し始めたのか? それとも頭が悪すぎて体内に魔石でも出てきちゃって、モンスターに進化したとか!? あはは……な訳ないか」 ユウヤは自嘲気味に笑い飛ばしたが、周囲の霧がさらに濃くなり、その奥から複数の不気味な気配がじわじわと近づいてくるのを感じていた。それは、先ほどのオオカミたちとは明らかに異なる、知性と殺意を孕んだ気配だった。「それにしても、気配を全く感じられないのは、この黒い霧のせいなのかな……?」 ユウヤは、視界を遮るねっとりとした闇を忌々しげに睨んだ。弓矢が飛んできた方角へと視線を向けると、その違和感の正体がようやく
last updateÚltima actualización : 2025-12-25
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12話 地下の巨大空間、放たれた光球と暴かれる異形の群れ

 足元の感覚が唐突に消えた。対人用なのか、あるいは巨大なモンスターを捕らえるためのものか、地面が音もなく崩落し、巨大な落とし穴がその口を開けた。「うわっ!! なに……? えっ!? わぁぁぁ~~……」 重力に引かれるまま、ユウヤの体は闇の中へと真っ逆さまに落ちていく。視界は一瞬で奪われ、冷たい風の音だけが耳元を掠めていく。地上から20メートルほども落ちただろうか。暗闇の底で、硬い地面が急速に迫ってくる。 だが、地面スレスレのところでユウヤは咄嗟に反射神経を研ぎ澄ませ、自身の周囲に強固なバリアを展開した。 激しい衝撃波が穴の底で渦巻き、土煙が舞い上がる。地面との衝突は寸前で回避され、バリアに守られたユウヤはふわりと軽い着地を決めた。「はあ……死ぬかと思った。大規模な罠?」 ユウヤは激しく脈打つ鼓動を鎮めながら、見上げた。遥か上方には、ぽっかりと丸く切り取られた灰色の空が小さく見える。どうやら、想像以上に深い場所まで落とされたようだった。 そして、その穴の底。湿り気を帯びた空気の向こう側から、先ほどまでのゴブリンたちとは比較にならない、どろりとした重苦しい殺意が伝わってきた。「もお……危ないなー。で、何ここ? 罠? ゴブリンの仕掛けた罠? そんな訳が無いかぁ……」 ユウヤは冷や汗を拭い、暗闇の中で独りごちた。こんな大規模な罠、並の魔物には作れるはずがない。一回使い切りの仕掛けにしては手間がかかりすぎている。「ここ、自然にできた洞窟か……」 状況を把握するため、アイテム作成で球体の明かりを生み出し、周囲を照らしてみた。しかし、放たれた光は広大な闇に吸い込まれ、壁はおろか天井さえも見えない。ただ、足元にゴツゴツとした岩の地面が果てしなく続いていることだけが分かった。「うわっ……大量の群れが、こちらに集まってきているなぁ……」 地を這うような無数の足音と、飢えた獣たちが放つ不快な体臭。空間が広すぎて、先ほどの小さなライトでは全く役に立たない。ユウヤは辺りを完全に見渡すため、直径百八十センチはある巨大な光の球体を生成した。 直視すれば目が眩むほどの強烈な輝きを放つライトが、頭上高くに設置された。 その瞬間、闇に隠れていた光景が白日の下にさらされた。「……うわ、気持ち悪いな」 光に照らし出されたのは、数え切れないほどのゴブリン、そして地上では見た
last updateÚltima actualización : 2025-12-25
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13話 浄化される森、霧散した邪気と異変の終焉

 洞窟内に再び静寂が戻ると、ユウヤは女神から授かったスキルを使い、散らばった魔石の回収を始めた。「これだけデカいと、魔石も相当なもんだな……今日だけで、モンスターの大量の討伐をして随分とレベルが上ったな。そのお陰で体が随分と軽くなった気がするな。最高じゃん!」 ユウヤは自らの掌を握り込み、全身に漲る圧倒的な力を実感した。重厚な魔石を次々と収納に放り込み、ふと、自分を飲み込んだあの巨大な穴を見上げた。「どうやって、脱出しようか考えてたけど、今の身体能力なら跳躍で出れそうじゃないのか?」 深く暗い垂直の穴。以前の自分なら絶望していたかもしれないが、今のユウヤには揺るぎない自信があった。彼は軽く膝を曲げ、大地の反動を余すことなく跳躍へと変えた。 ドォン! という爆音と共に地面が爆ぜ、ユウヤの体は弾丸のような速度で上昇した。急激なレベルアップによる身体能力の向上は想像を絶しており、穴の出口を通過しても勢いは止まらない。「うおわっ!? 飛びすぎだろこれ!」 想定を遥かに超え、ユウヤの体は木々の梢を遥か眼下に捉えるほど上空まで舞い上がった。切り裂くような風の音が耳朶を打ち、冷たい空気が全身を包む。 落下に備え、ユウヤは空中で瞬時に姿勢を制御した。着地の衝撃を殺すため、足元にクッション状の多層バリアを展開する。地面に接触した瞬間、凄まじい土煙が舞い上がったが、バリアが全ての衝撃を吸収し、ユウヤは事もなげに大地に降り立った。 立ち上がり、周囲を見渡したユウヤは、その光景の変化に目を細めた。「……霧が、晴れてる」 先ほどまで視界を塞いでいたどす黒い霧は霧散し、そこには陽光が木漏れ日となって差し込む、穏やかな山の風景が戻っていた。 原因は、あの地下の空間に溜まっていた大量のモンスターの邪気やオーラが混ざり合い、溢れ出していたものだったのだろう。地下の魔物を一掃したことで、異変の源流が絶たれたのだ。 森の奥には、まだ微かに魔物の気配が残っているが、それはごく一般的な野生のそれだった。「これなら、もう問題ないな」 ユウヤは清々しい表情で空を仰いだ。山を覆っていた不気味な気配が消え、村を繋ぐ道は再びその姿を現していた。ふと、手元にある依頼書の魔力的な表示を確認し、ユウヤは思わず「うわっ……」と声を漏らした。「ヤバっ!? 討伐合計数が三万体ってなってるし……
last updateÚltima actualización : 2025-12-25
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14話 依頼完了のサイン、三万体の記録を抱えての帰路

 冗談っぽくそう告げた瞬間、建物の中から「ひっ!?」という短い悲鳴が上がり、ドタバタと慌ただしい足音が響いた。……さすがに討伐したモンスターを生き返らせるなんて、俺にもできないと思うけどさ。「お、お待ちください!! 待っていただきたい!!」 勢いよくドアが開き、中から白髪混じりの髭を蓄えた、恰幅の良い老人が飛び出してきた。その後ろからは、不安げな表情を浮かべた村人たちが恐る恐る顔を覗かせている。「わ、私は、この村の村長です……。モンスターの殲滅をしていただいたそうで……感謝をいたします。……ですが、ほ、本当に、本当に殲滅をされたのですか?」 村長は、信じられないといった様子でユウヤを凝視した。村を覆っていたあの禍々しい黒い霧が晴れ、久方ぶりに差し込む暖かな陽光が彼らの肌を照らしている。それが何よりの証拠ではあるのだが、たった一人で現れた少年に、村を救うほどの力があるとは俄かには信じがたいのだろう。「ええ。とりあえず、村の周りと地下にいた群れは片付けましたよ。もう山道を通っても襲われる心配はないはずです」 ユウヤが屈託のない笑みを見せると、村人たちの間に「おお……」と地響きのような、安堵と驚愕の混じった溜息が広がっていった。 ユウヤが「これ、ギルドの依頼書です」と差し出すと、村長は震える手でそれを受け取った。そこに刻まれた信じられないような討伐数と、実際に晴れ渡った空を見比べ、彼は枯れた声を絞り出すように叫んだ。「うおぉ~~!! 助かったぞっ! 皆の衆、もう大丈夫だ!」 その声を合図に、広場には家々から村人たちが次々と溢れ出してきた。「わぁ~!!! やったぁ~! 餓死しなくて良かった……」「三ヶ月振りに、やっと町に帰れる……。ゴブリンやデカいモンスターは、もう現れないんだよな? な?」 涙ながらに抱き合う者、地面に膝をついて祈りを捧げる者。村中が爆発したような歓声に包まれる。その中で、荷物を背負った商人風の男が必死な形相でユウヤに詰め寄ってきた。「本当に、現れないんだな!?」「はい。普通の山程度には現れますけど……あの異常な群れはもういませんよ」「でも、現れるのだな? なら護衛が必要だな……頼めないか? あんた、強いんだろ?」 男は商品を売りに来たのか、はたまた届けに来たのか、運悪く封鎖に巻き込まれて三ヶ月も足止めを食らっていたらしい
last updateÚltima actualización : 2025-12-25
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15話 甘酸っぱい沈黙、ニーナのために急いだという言葉

 急いで帰路につくと、レベルアップによる恩恵は凄まじかった。脚力のみならず、心肺機能や動体視力までもが強化されており、飛ぶような速さで険しい山道を駆け抜ける。結局、馬車で数日かかるはずの道のりを、わずか半日で踏破して街へと戻ってこれた。 そのままギルドへ直行し、報告のために受付の列に並ぶ。すると、カウンターの奥で忙しなく動いていたニーナが、列の中にいるユウヤの姿をいち早く見つけ出した。 彼女はぱっと顔を輝かせ、丁寧にお辞儀をすると、弾むような足取りで駆け寄ってきた。「ユウヤ様、なにか問題でしょうか? 途中で引き返してこられたのですか?」 ニーナは眉をひそめ、縋るような眼差しで問いかけてきた。よほど重大なトラブルがあったのだと思い込んだのか、返事を聞く間もなくユウヤの手を引き、足早に応接室へと連れ込んだ。 重厚な扉が閉まり、二人きりになると、彼女は身を乗り出すようにしてユウヤを見つめた。「どのような問題でしょう? わたくしにできることがあれば、何でもご協力いたしますよ」 必死に力になろうとしてくれる彼女のひたむきな姿勢に、ユウヤは苦笑いを浮かべた。「ん? 問題はないよ。依頼が終わったから帰ってきたんだけど……」「へ……? は、はい? えっと……最短でも、やっと山に着いた頃だと思いますけれど……?」 ニーナは目をパチパチさせ、信じられないものを見るように首を傾げた。彼女の常識では、今この瞬間にユウヤが目の前にいること自体が、魔法か何かを見せられているような感覚なのだろう。「あはは、ちょっと急いだんだ。ほら、これ。村長のサインももらってきたよ」 ユウヤが差し出した依頼書を、ニーナは震える指先で受け取った。しかし、そこに記された数字に目を落とした瞬間、彼女の時が止まった。「……えっ? あ、あの……ユウヤ様? この……討伐数の欄……桁、間違えていらっしゃいませんか……?」 ニーナの透き通った瞳が、三万体というあり得ない数字を捉えて激しく揺れていた。 俺から手渡された依頼書を凝視したまま、ニーナは石像のように固まってしまった。まあ、書き換えも誤魔化しもきかないこの討伐数を見れば、無理もない反応だとは思うけれど。「あ、あの……何ですか、これ……。種類の数も討伐数もおかしいです。いったい……どちらへ行かれたのですか? 討伐する場所を間違えてませんか
last updateÚltima actualización : 2025-12-25
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