LOGIN転生特典として、彼は防御と攻撃を兼ね備えた万能バリア、そしてあらゆるアイテムを生成し収納できる能力を手に入れる。これで安泰……かと思いきや、転生と同時に身体が若返り、中学生くらいの容姿になっていたことが判明! 戸惑いながらも、新たな能力を駆使して危険なモンスターを退け、彼は異世界での生活を満喫し始める。
View More♢帝都への旅路と予期せぬ吉報「それじゃ、帝都に向かうか……」 俺がリビングの静寂を破るようにそう告げると、向かいのソファに深く腰掛けていたシャルが、驚きと緊張がないまぜになった表情を見せた。淡いピンク色のドレスをふわりと広げ、お気に入りの場所に座る彼女は、いつもなら明るく元気な笑顔を振りまいているのだが、今はその淡いフワッとした金髪を揺らし、不安げに俺を見つめている。「て、帝都ですかぁ……?」「ん? シャルも緊張するのか?」「はい。帝都ですよ……宮殿ですよ? わたし……宮殿は苦手です」 シャルは甘えるように体を縮め、ぶるぶると小刻みに震わせた。同じ王族という立場でありながら、少しドジっ子で自由奔放な彼女にとって、他国の、それも厳格な礼式が重んじられる帝国の宮殿は、想像するだけで息が詰まる場所に違いない。そんなシャルの様子を見て、俺の隣に座っていたミリアが、不満げに頬をぷくっと膨らませた。「なんですの……その宮殿は凶悪というイメージは……そんな恐ろしい場所では、ありませんわっ」 ミリアはますます頬を膨らませ、透き通るような青い瞳を尖らせて反論した。淡い金髪が、彼女の憤りに合わせてふわりと揺れる。 ああ、なんとなく分かる気がする。それって宮殿じゃなくても同じだろう。実際、数人の王様が殺されかけてたしな……。「ユウヤ様。宮殿は、そんなに恐ろしいところではありませんからねっ!」 隣に座るミリアが、俺の腕をきゅっと抱きしめ、顔を覗き込むようにして必死に訴えかけてきた。彼女にとって、そこはただの温かな実家なのだ。 これだけ長く一緒に行動しているんだ、ミリアが大切に思っている場所がどんなところか、何となくは理解しているつもりだ。それにシャルだって、もう俺の嫁になっているんだし、俺が守るんだから安全性に問題はないだろう。 あ、でも……シャルはなぁ。
「お前! 一体何をしたんだ? 俺のファイアボールを受けて無事でいるとは……」 リーダー格の男は、宙に浮いたまま顔を引きつらせ、震える指先をこちらに向けて叫んだ。「もしかして……今のが攻撃だったのか?」 俺が心底不思議そうに問い返すと、男は屈辱に顔を赤く染め、必死に虚勢を張る。「うるさいぞ! そろそろ……師匠が来てくれる……。師匠の攻撃を受けてみれば、俺たちの凄さが嫌というほど分かるさ!」 師匠、か。このレベルの「浮いているだけ」の連中を育てた奴がどんなものか、逆に興味が湧いてくる。「どうした? 俺を待っているのか? 良い獲物でも見つけてきたのか?」 路地の奥から、低くよく通る声が響いた。現れたのは、中年の魔術師風の格好をした男だった。手にしているのは、一際大きな魔石が埋め込まれた不気味な杖。その出で立ちは確かにそれらしく見えるが、男が放つ言葉は、到底高潔な魔導士のそれではない。「……こいつが師匠と呼ばれる男か」 師匠と呼ばれるくらいだから、弟子たちよりはマシな実力があるのだろう。だが、「良い獲物」という言葉からは、彼らが日常的に通行人を襲い、略奪を繰り返している事実が透けて見える。 俺の隣で、ミリアが嫌悪感を隠そうともせず、透き通るような青い瞳を冷たく細めた。「ユウヤ様、あの方からは非常に下品な臭いがいたしますわ。このような者が街を闊歩しているなんて、教育の必要がありそうですわね」 ミリアの静かな怒りが再燃し始めるのを感じながら、俺は新しく現れた「師匠」とやらの力量を測るべく、静かに身構えた。「師匠! こいつら、俺たちの魔法が効きません! 普通の奴じゃないです!」 弟子たちが必死に訴えかけるが、その間も彼らはぷかぷかと中途半端に浮いたままだ。見れば見るほど、その姿は滑稽でしかない。浮いていると踏ん張りが利かないから、一撃受ければ木の葉のように吹っ飛ぶだろうし、何よりそのドヤ顔が…&hell
その光景を眺めていた騎士団長が、憑き物が落ちたような表情で俺に向き直った。「この騎士団はあなたのおかげで、今日を境に良い方向へ向かいそうだ。ありがとう!」 騎士団長は、今日何度目かになる深い一礼を俺に捧げた。その後、彼は生き残った団員たち全員に聞こえるように、朗々とした声で宣言した。これからは門地や階級に関わらず、等しく実力と規律によって評価し、上級貴族であっても例外は認めないと。 静まり返った戦場に、かつての腐敗した空気を切り裂くような、新しい騎士団の胎動が響いていた。♢ミリアとの遭遇 王城へ無事に帰還した後、騎士団は血相を変えて国王への報告へと向かっていった。重々しい空気の隊列を見送りながら、俺は人混みに紛れてこっそりと抜け出した。せっかく訪れた初めての街だ。このまま堅苦しい城の中に閉じこもっているなんて、俺の性分には合わない。 鼻歌混じりに城壁の出入り口へと足を向けると、そこにはなぜか、見慣れた装備に身を包んだ護衛の集団が整然と待ち構えていた。「ユウヤ様、どちらへ?」 鈴を転がすような、それでいてどこか逃げ場を許さない響きを含んだ可愛い声が鼓膜を叩く。あ……このタイミング、この声。バレたか。「あ~、当然……初めての街だし、少しばかり散策をしようと思って」 俺は冷や汗を拭いながら、努めて自然な笑顔で振り返った。「へえ~そうですか。わたしを置いて、ですか?」 武装した護衛たちの間を割って、可愛らしく頬をぷっくりと膨らませたミリアが姿を現した。腰に手を当て、ジト目で見つめてくる彼女の背後には、まるで「逃がしませんよ」と言わんばかりの威圧感が漂っている。 騎士団の精鋭たちを黙らせた俺の足取りも、彼女のこの表情の前では、たった一歩も前に進めることはできなかった。「ひどいですっ。ユウヤ様! 最近いつも置いてかれて寂しいですっ」 ミリアは上目遣いに俺を睨みながら、いっそう頬を膨らませた。その仕草には年相応の幼さと、隠しきれない独占欲が滲んでいる。「
極限まで抑えたつもりだったが、それでも俺の瞳の奥に宿る「捕食者」の光を隠すことはできなかったらしい。 副団長の顔からは一瞬で血の気が失せ、土気色へと変わった。ガチガチと歯の根が合わない音が聞こえ、彼は支えを失った人形のように、その場に腰を抜かして座り込んだ。 俺を見上げる彼の瞳は、もはや人間を見ているものではない。深淵の底から這い出してきたバケモノを正視してしまったかのように、ただ絶望的な恐怖に支配され、激しく震え続けていた。「おいおい……お前は上級貴族様なんだろ? 下級貴族でもない、ただの元平民のゴミ以下の奴の前に座り込んで、いったい何をしてるんだ? その首でも、俺に差し出す気になったのか?」 俺は、無造作に剣を鞘から引き抜いた。キィィン、と硬質な金属音が戦場に響き、その切っ先を、腰を抜かして震える副団長の鼻先へと突き立てる。剣に宿る冷徹な殺気が、男の頬をかすめる。彼は喉を鳴らし、あまりの恐怖に瞬きすら忘れたまま、ただ銀色に輝く死の象徴を凝視していた。「いえ……その、こだわりは……捨て去ります……。心を入れ替え、現場では差別なく接するようにいたします……」 副団長は、震える声で絞り出した。その瞳からは、先ほどまでの傲慢な輝きは完全に消え失せ、代わりに深い悔悟と、それ以上に強い生存本能が支配していた。「だそうだな、その方が賢明だと思うがな。なあ? 団長も聞いたろ?」 俺は剣先を突きつけたまま、横に立つ騎士団長へと視線を投げかけた。俺の放つ冷ややかな圧迫感に、歴戦の猛者であるはずの団長もわずかに頬をこわばらせ、額に一筋の汗を流している。「あ、ああ……聞いた。そろそろ剣を収めてくれないだろうか……副団長が怯えている」 騎士団長の声には、懇願に近い響きが混じっていた。俺はふん、と鼻で笑うと、吸い込まれるような滑らかさで剣を鞘に収めた。カチリ、という静かな音が戦場に響くと、張り詰めていた空気がわずかに緩む。
♢牙を剥くイレギュラー 整然と並ぶ兵士たちが、鋭い号令に合わせて型通りの剣を振るっている。だが、昨夜あの地獄のような強襲を潜り抜け、理外の力を振るった俺の目には、その動きはあまりに緩慢で、どこか緊張感に欠けるものに映った。舞い上がる砂埃も、兵一人ひとりの放つ魔力も、良くも悪くも普通の域を出ることはない。「な~正直……普通で良いも悪いもないよ? 数とかは知らないし。練習じゃ分からないな~俺と王国軍の軍事演習とかしちゃう?」 退屈紛れに、ふと口にした言葉。それは俺にとっては軽い冗談に近い提案だった。しかし、隣にいたミ
「うん。同じ世界にいるし~わたしの世界だからねっ。悪い事してるのも分かるんだからね!」 釘を刺すように人差し指を立てる彼女に、俺は肩をすくめて笑った。「はいはい……婚約者となら良いんだよな?」「ふんっ! まあ……仕方ない許す! 他は、だめっ!」 独占欲を隠そうともせず、そっぽを向く彼女の頬が少しだけ赤い。そんな可愛い反応を見せられたら、送り出す前に少しだけ悪戯したくなった。「はぁ~い……ちゅっ♡」「きゃぁっ♡
『ドキッ♡』っと心臓が大きく跳ね、一瞬で眠気が吹き飛ぶ。あまりの可愛さに思考が停止しかけたが、すぐに隣に寝ていたのがサーシャであることを思い出し、俺は冷や汗を流した。幸せの絶頂のような状況だが、同時に得も言われぬ危機感が背筋を走る。 もし彼女が目を覚まして、昨日みたいに「誰よっ!」と叫びながら神の力を行使したら……。普通の攻撃なら死んでも時間を戻してもらえばいいが、もし彼女の逆鱗に触れて「存在そのもの」を消去されたら、やり直しすら効かないのではないか。だが、そんな不安を抱きつつも、視線はどうしても目の前の造形美に吸い寄せられてしまう。
俺は、さらに加速した。黄金のオーラを尾のように曳きながら戦場を縦横無尽に駆け抜け、瞬く間に半数の個体を文字通りの塵へと変えていった。一振りごとに異形の肉体が易々と両断され、夜の静寂に崩壊の音が混じる。 ふと足を止め、一度全身の力を抜いて意図的に制限をかけ直してみた。そして今度は、より繊細に、古びた蛇口を慎重に少しだけ捻るようなイメージで「僅かな制限解除」を試みる。全身を包んでいた過剰なオーラが静かに収まり、狂乱していた周囲の空気が平穏を取り戻すように安定していった。「これくらいで良いんじゃない……?」 これなら