「ももちゃん、これあげる」ママのおともだち、ゆかちゃんのむすこのそうちゃんは、わたしの手のひらにかわいいビンを置いた。「これなあに?」小さなビンの中には、ピンクやきいろ、いろんな色のほしのかたちのようなものがたくさん入っていた。「ぼくね、まほうつかいなんだ」「え?」「そのビンの中には、ほしが入ってるの。ぼくがつかまえたほしだよ」ドヤがおをしたそうちゃんに、わたしはただ「すごいすごい!」とばかり言っていた。そうちゃんは、なんどもわたしにほしをくれた。「またつかまえてきたよ!」って、わたしにうれしそうにわたしてくれた。そうちゃんと会うときは、いつもママのが車をうんてんして、少しとおいところで会っていた。ゆかちゃんとそうちゃんはご近所さんというわけではなかった。それでも春夏秋冬、それぞれのきせつに一回、会っていた。それは、私が小学3年生まで続いていた。そうちゃんのパパが外国でお仕事をすることになったから、家族で引っ越しをしてしまった。わたしは、そうちゃんに会いたかった。でも、わたしもそうちゃんも、ママたちみたいにスマホを持っていない。ママたちはスマホを使ってやり取りをしているけれど、わたしたちにはそれはできなかった。──そうちゃんに、会いたいな。
Última atualização : 2026-09-04 Ler mais