晴れ渡る青空の下、咲き誇る花々に囲まれた王室主催のお茶会は、今日も今日とて馬鹿馬鹿しいものだった。 真っ白なテーブルクロスに、色鮮やかで見た目も綺麗なお菓子たち。王室御用達の高級な紅茶もとても美味しいのに……テーブルに集まった貴族の淑女たちは、お菓子片手に笑い声を立てている【ある少女】の機嫌を取るのに、大忙しだ。 王国では滅多に見ることのない、艶やかで真っ直ぐな黒髪に、大きく愛らしい、ぱっちりした垂れ目気味の瞳。 大きく胸元が開いた、大胆なドレスを着て楽しそうにしているのは、先日、この王国に突然現れたという、異世界から来た聖女様だ。「えええ、そうなんですかぁ? やだあ、マルツァーさんったら!」 品の欠片もない言葉に、きゃははと上がる笑声――。もう、限界だった。「……失礼、聖女様」 音を立てずにカップを置き、少し大きな声で言う。 するとぴたり、と周囲の会話が止み、視線が私へと集中した。 にっこりと笑顔を意識して、目を丸くしている聖女様へと声を掛ける。「これまで、何度も申し上げていることですが……。地位ある女性として、品のない言葉遣いをなさるのは、よくありませんわ。そのように声を上げて笑うなど、貴族の幼い子女でもしませんのよ」 やんわりと注意をしたつもりだが、彼女は途端に大きな瞳を潤ませて、さっと俯いてしまう。すかさず、彼女の両脇に座っていた令嬢ふたりが、彼女の身を案じ、こちらを睨み付けてきた。「ユロメア公爵令嬢、どうしてそんなことを仰いますの!」 「そうですわ! アリサ様は、まだこちらの世界に慣れていないだけです! それなのに、毎回そのようにきついお叱りをなさるなんて、あんまりですわ!」 口々に私を批判するふたりに続いて、他の参加者もひそひそと批難を始める。「またですの? ジュリエッタ様ったら、聖女様のことを妬んで、あんな意地悪を……」 「仕方ありませんわ。幼馴染みの第二王子殿下を、聖女様に取られてしまって……」 声を潜めているつもりでも、ばっちりと聞こえている。 私――ユロメア公爵家令嬢、ジュリエッタは、確かに先日まで、第二王子殿下の婚約者だった。 しかし今現在、第二王子殿下の婚約者は、私ではなく彼女――異世界から来たという聖女アリサである。 婚約していたとは言え、私は、ヴォルグ――第二
Huling Na-update : 2026-09-09 Magbasa pa