俺の住む世界は、セーフガーデンと呼ばれている。おかしいと思わないか? 世界が一つなら、名前なんていらないだろう? そう。ここは。 異世界が存在することを誰もが知っている世界。 ――セーフガーデン某小学校「みんなは、17歳になったらどうなりますか?」「消えるー!!」「はい、よくできました!! でも、この世界から消えるだけで、他の世界に行けるから大丈夫なのよね? どの異世界に行けるかは分からないけど、一年後には戻ってこれます。その一年で、みんなは何をするのかな?」「修行!!」「えっと、文化を、持ち帰ります……」「向こうの世界の人となかよくなる!」「すごいですね、全部正解です! だから、セーフガーデンはこんなに発展しているんですよね? じゃあ、異世界の数がわかる人!」「187に決まってんじゃん」「そう、187です! じゃあ、それより増えることはありますか?」「ありません、預言者マナがそう預言してます」「その通り! だから、私たちの知らない世界はもうありません」 ――セーフガーデン魔法道場 俺たちの身体にはナルと言われる魔力の源があり、そのナルを消費して、魔法やオタを使う。オタとはナルを用いた物理攻撃のことだ。 魔法の口上のことをチュニと呼び、カッコよくて長いチュニほど威力が高い。「トバリ、随分魔法使えるようになったな?」「万物の理を破り、その力顕現せよ! 燃え上がれ!!」 言葉通り、先生の身体を脚から包み込むように炎の渦が巻き起こる。先生は宙を舞い難なくかわす。「筋は良いが、不意打ちした割には私の服を焦がせてもいないぞ! チュニの洗練が足りんな!」 クソ、反撃が来る!「精霊よ、舞え! ……吹き飛べ」 俺の周りの空気が揺らぐ。たちまち突風が巻き起こり、俺は二メートルほど吹き飛ばされた。「生徒相手に容赦無いな、先生!」「何をいう、初歩的なチュニしか使ってないぞ! お前は自信過剰だから隙ができるんだ!」 今日の修行はここまでか。明日はいよいよ俺が異世界に旅立つ日だ。 どこに行こうと関係ない。俺は一年でもっと強くなると決めている。 そして、将来は警官になるんだ。 護ってやる、このセーフガーデンの何もかも! そして、ついでに、ヒカリィも……
Terakhir Diperbarui : 2026-09-15 Baca selengkapnya