大事なのは比喩の透明度で、宗教的由来を知らない人にも通じる普遍性がある点は強みだと思う。『今まで見えなかったものが急に見えるようになる』という核心的な意味は、ビジネスにおける気付きのプロセスとぴったり重なる。ただし英語圏のクライアント相手には『It was an eye-opener』と訳した方が伝わりやすいかもね。
そういえば先日、友達と『聖書』のエピソードについて話していた時にこの話題が出てきたんだ。サウロ(後のパウロ)がダマスカスへ向かう途中で天からの光に打たれ、目から鱗のようなものが落ちて視力が回復したという『使徒行伝』9章18節の記述が元ネタだって話でね。
この表現が日本語になった経緯は結構面白くて、明治時代の宣教師たちが聖書を翻訳する過程で生まれたんだとか。鱗が落ちるという鮮やかなイメージが、『急に物事の真相が理解できる』という現代の意味にピッタリはまったんでしょうね。西洋のイディオム『Scales fall from one\'s eyes』とも通じるものがあるし、文化的な交流が生んだ言葉だなって思います。
実際に『鬼滅の刃』の炭治郎が戦いを通して真実に気付くシーンとか、『進撃の巨人』のエレンが壁外の現実を知る瞬間なんかにもこの表現が似合うと思うんですよね。宗教的な起源を持つ言葉が、いまではアニメの名シーンを形容するのに使われるなんて、言葉の旅って本当に興味深いです。