もう一つの隠れた名作は『What Remains of Edith Finch』だ。廃墟となった家を探索しながら、家族の死に向き合う物語。各エピソードが独特のゲームプレイで表現され、例えば嵐の日の漁船での出来事が波の動きと連動した操作になる。死を直視しながらも、そこにあった愛を感じさせる構成が秀逸。最後の部屋の窓から差し込む光が、全てを包み込むような終わり方をする。
『To the Moon』は別れの苦しみを扱ったゲームの傑作だ。記憶を辿るSF設定の中に、夫婦の切ない別れが描かれる。
特に印象的なのは、認知症の妻リバーが折り紙のウサギを繰り返し折るシーン。これは夫ジョンnyとの最初の出会いを象徴しており、記憶が失われても本質的な愛情が残っていることが伝わってくる。終盤の月に行くという願いの真相が明らかになる展開は、プレイヤーに深い余韻を残す。
『The Last of Us Part II』の物語は、憎しみと喪失の連鎖を描きながらも、人間の複雑さを深く掘り下げた傑作だ。エリとエビーの対立構造は単なる善悪二元論を超え、プレイヤーに両者の視点を強制することで、従来のゲーム叙事を破壊する。
特に印象的なのは、劇的な復讐劇の末に訪れる空虚感だ。暴力の連鎖が何も解決しない現実を、ゲームシステムそのもので表現している。戦闘後の静寂が、プレイヤーに本当の答えを考えさせる仕掛けは秀逸。キャラクターの呼吸や細かな仕草までが感情を運ぶ、稀に見る完成度だ。