翻訳の現場で『ぬかに釘』に遭遇すると、その場のニュアンスをどう英語で伝えるかでいつも頭を悩ませる。
語義としては「どれだけ力を入れても効果が出ない」「その手間が無駄になる」といったニュアンスだから、英語では場面に応じていくつかの言い回しを使い分けるのがいいと思う。例えば『to try to nail jelly to the wall』は、やってみても形が定まらない不可抗力の無駄さをユーモラスに伝えられる表現だ。もっと直接的に言うなら『a wasted effort』や『to be a futile exercise』も自然だ。
僕の経験では、相手が努力の無意味さを笑い飛ばせる文脈なら前者、深刻さを残したい場面では後者を選ぶと読者に違和感を与えにくい。そんなふうに使い分けるのが落とし所だと感じている。