10年という愛を、私は売った私は学生の頃から付き合っていた久保直樹(くぼ なおき)と、卒業と同時に籍を入れた。
一から直樹が会社を立ち上げるのを、ずっと隣で支えてきた日々は、本当に大変だった。
私たちの子供が白血病にかかった時でさえ、お金が無かった私たちは、ただ見ていることしかできなかった。
それから5年後、私は再び新しい命を授かった。
その時には、直樹も若手実業家として成功していた。
人生これからだと思った矢先、あるメッセージが2通、私の元に届いた。【直樹さんのこと好きになっちゃった】
【いくら欲しい?直樹さんと別れてくれるなら、言い値で払うからさ】
メッセージの送り主は、山田家の甘やかされて育った娘、山田佳奈(やまだ かな)だった。パーティーで直樹に一目惚れしたらしい。
一晩考えた私は、翌日佳奈から送られてきた小切手に金額を書き込んだ。「10億円。これで私と直樹の10年を買い取ってください」