展望エレベーターだけ稼働してる。今もだれか昇って行ったけどこれは使えないな。
「ユサ、サーバー室、何階だっけ?」 「鯖? 7階」 西棟の階段は外に入り口があるんだっけ。あれ? ドア開かない。鍵掛かってるのか。しかたない外階段を昇るか。今日は風はそれほどでもない。戦える服って、思い付くのがこれしかなかったんだけど。ニッカボッカスタイルは乙女としてどーよってのは置いておく。ユサはユサでどうしてゴスロリなの? それ戦える服? 似合ってるからいいけど。駐車場、結構車停まってる。ノーブルシャイニングホワイトのエクサスはっと。えーと、あった。隅っこの方。この仕事を今晩の12時までに方付けられれば、あれはあたしのものっと。 「ヒビキ、なにムフムフしてるの?」 しまった、つい。ここの階、廊下しかない。左はずっと壁で、右側の窓から上の議事堂の円盤が見えてる。一番奥に扉。秘密基地か? 重そうな鋼鉄の扉。厚さどれくらいあるんだろ。小窓開いた。
「誰だ?」 「システム監理のユサです」 中の人、眼光鋭い感じ。 「合言葉は?」 マジか? 「宮本君。ふざけてないで、早く開ける」 「すんませーん。カードかざしてくださいね」 いかにも重そうな音をたてて扉がゆっくりと開いた。 扉、ぶあつ! 10センチ? 15センチ? 「ユサ先輩、何かのイベントですか?」 「あ、この格好? そう、今夜は町長主催の仮装会議」 「えー、いいなー、ボクも参加したかったなー」 「今度、上に頼んどいてあげるよ」 「ホントすかー、あざーす。えっと、そちらの方はー」 「この人、本社の人」 どうぞお入りください(無声)。 こんばんは。あなた大丈夫? 青い顔してるけど(無声)。 眼光鋭いんじゃなくって、疲れて落ち窪んでるんだね。 床高くなってる。 なに? スリッパに履き替えろって? ゴミとか極力サーバー室に入れないためですか。ナルホド。すごく涼しい。中だだっぴろ。まったく窓がない。唸