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Home / 恋愛 / 元夫、ナニが終わった日 / 第20話

第20話

Author: 雪吹(ふぶき)ルリ
舞は堀田家の次男の娘で、彩と特に仲が良かった。

舞は真夕を見ると、すぐに軽蔑的な表情を浮かべた。「真夕、司兄さんはあなたのことなんて別に好きじゃないのに、またおばあさんに取り入ろうとしているの?堀田家であなたが気に入っているのは、おばあさんだけよ。自分にどれだけの価値があるのか、考えたことある?田舎から出てきたくせに、彩姉さんがいない間に嫁いできて、本気で堀田家の若奥様になったつもり?あなたなんか、司兄さんにはまったくふさわしくないわ。さっさと離婚しなさいよ」

真夕はもう慣れていた。司の家族も彼の友人と同様、彼女を好ましく思っていなかった。

真夕は舞を無視し、そのまま本家に入った。

堀田家の老婦人は白髪を揺らしながら、嬉しそうに真夕の手を握った。「真夕、どうして何日もおばあさんに会いに来てくれなかったの?おばあさんのこと、恋しくないの?」

これは真夕が堀田家で感じられる唯一の温もりだった。老婦人は彼女をとても気に入っていた。

真夕は口元をほころばせ、優しく老婦人に抱きついて甘えた。「おばあさん、もちろん恋しいわ」

老婦人は笑顔でいっぱいだった。

その時、司は堂々とした姿で入ってきた。

真夕は老婦人から離れた。「おばあさん、真夕手作りのお粥、食べてみない?準備してくるね」

真夕は台所へと向かった。

司は老婦人のそばに座った。「おばあさん」

老婦人は台所の真夕を見ながら言った。「司、真夕とケンカしたの?」

老婦人の体調が良くないこともあり、司は彼女を心配させたくなかった。「いいえ」

「じゃあ、どうして真夕はあなたが入ってくると台所に逃げ込んだの?前の真夕なら、そんなことしなかったわ。

司、彩なんかに惑わされないで。三年前、植物状態になった時、彩はすぐにあなたを置いて海外に行ったじゃない。あなたの面倒を見ていたのは、真夕よ。

あなたが横になっていた三年間、おばあさんはショックで体調を崩してしまったの。真夕はあなただけじゃなく、この本家の私のことまで世話してくれたの。いろんな薬を用意してくれてね。真夕がいなかったら、堀田家はとっくに崩れていたわ。

おばあさんは、人を見る目があるの。真夕は良い子よ。自分を尽くしてくれる女性を、絶対に失望させてはいけないわ。なぜなら、女の人は一度失望を積み重ねると、去ってしまうのよ。一度去ったら、もう戻っては来
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