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Home / 恋愛 / 前世の虐めに目覚めた花嫁、婚約破棄を決意 / 第389話

第389話

Author: 小春日和
綾乃が無事卒業だと聞いて、奈津美は自分の耳を疑った。「白石さんが卒業?どうしてそんなことに?カンニングを主導した張本人なのに、どうして無罪放免なの?」

「これは監察委員会の決定だ。校長先生はすでに解任され、調査を受けている。近いうちに新しい校長先生が就任する。これが精一杯の結果だ」

「涼さんのせい?」

奈津美は疑問を口にした。

しかしすぐに、自嘲気味に笑った。

そんなこと、聞くまでもない。

この神崎市で、涼以外に誰がこんなことができるだろうか?

礼二がゆっくりと言った。「お前はよくやった。相手が悪かったということだ。それは認めざるを得ない」

礼二の言葉を聞いて、奈津美は彼を見上げた。

「何を見ている?」

礼二が眉をひそめた。

「望月先生は自分の力が涼さんに及ばないと言っているの?」

「俺はお前の後ろ盾だとは一度も言っていない」

「でも今は、私たち運命共同体でしょ。涼さんは、あなたが何度も私を助けてくれたのを見ている。彼は今、あなたが私に惚れていて、私があなたの次のターゲットだって思ってる。もしあなたが私を助けなかったら、望月先生が涼さんを恐れているって噂が広まって、あなたの名前に傷がつくわよ」

奈津美ははっきりとそう言った。

礼二は片眉を上げて言った。「挑発なんて俺には意味がない。相手を間違えているよ」

「礼二!」

礼二が立ち去ろうとするのを見て、奈津美はすぐに彼の前に立ちはだかって言った。「本当に私を助けないつもり?私はあなたの大事なスーザンよ」

奈津美が諦めないのを見て、礼二は腕を組んで言った。「そこまでして彼女を追い詰めたいのか?」

「私が彼女を追い詰めたいんじゃなくて、彼女が私を追い詰めたのよ。私は、やられたらやり返す主義なの。彼女が私の答えをカンニングして、破棄したんだから」

「どうしようもないだろう?結果は出てしまったんだ。俺に監察委員会に掛け合えと言うのか?講師の俺にそんな力があるとは思えないが」

「礼二、私を騙せると思わないで。あなたがわざわざこの話をしに来たってことは、何か方法があるんでしょ?言って。代償は何?払うから」

奈津美は、礼二が綾乃を罰する方法を知っているに違いないと確信していた。

礼二はただ軽く眉を上げて笑い、こう言った。「方法ならあるよ。ただ、俺を動かすための代償については......今は
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