すぐに、感謝の宴会が始まった。
会社は特別にVIP顧客を招待し、スクリーンには航空会社が設立以来経験してきた様々な出来事が次々に映し出されていた。
私はシャンパンを片手に隅で、谷原宏斗と木村穂香が楽しそうに会話しているのを見ていた。
谷原宏斗もVIPの一員として参加しており、イベントの主催者は木村穂香だった。
当然、谷原宏斗も木村穂香の恩恵を受けていた。
でも、彼女がただのキャビンアテンダントとして、谷原宏斗を直接VIPとして扱うことはできなかった。
結局、彼女はリストに載っていた鈴木毅の名前を谷原宏斗に変えたのだ。
もしかしたら鈴木毅は小さな航空会社の感謝の宴会に興味がなかったのかもしれないが、彼の妻はきっと、綺麗なキャビンアテンダントが電話をかけて夫にその名義を譲るように頼んだことを気にしただろう。
「どこだ?木村穂香!出てきなさい、私の旦那を誘惑したのはあんたでしょ!ああ!」
鈴木夫人がやってきた。扉を開けるなり、口汚く罵り始めた。
次の瞬間、猛然と木村穂香の髪を引っ掴み、激しく殴りかかり始めた。
谷原宏斗もその狂った女に驚き、二人を引き離そうと手を伸ばした。「やめなさい、この方、こんなことをしてはいけない!」
「あんたは誰よ!何の権利で私に指図するの?あんた、このビッチの愛人でしょ!自分の女をしっかり躾けろよ!うちの旦那を誘惑するんじゃない!」鈴木夫人はさらに罵声を浴びせ、まるであばずれ女のように見えた。
谷原宏斗は何も言い返せず、顔を真っ赤にして必死に弁解し始めた。「穂香は私の彼女じゃない、私たちには何もないんだ......私の彼女はあそこにいる......」
ようやく谷原宏斗は自分に彼女がいることを思い出した。
しかし、彼が私を指差す前に、スクリーンに彼と木村穂香がソファで抱き合っていた映像が流れ始めた。
「な、何だこれは!誰がこんなことを!消せ!今すぐ消して!」木村穂香は崩壊したように叫びながら、スクリーンに向かって走り、必死に叩きつけた。
スクリーンが壊れて真っ黒になっても、彼女が甘ったるい声で谷原宏斗を呼ぶ声は、依然として響き続けた。
やがて、谷原宏斗と木村穂香は、これが誰の録画かを理解した。
二人は目を大きく開き、驚愕の表情で私の方を見つめていた。
私はグラスを高く掲げ、二人に向かって一言だけ言った。
「