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Home / 恋愛 / 夫の元カノが帰国!妊娠隠して離婚を決意した私 / 第1189話

第1189話

Author: 夜月 アヤメ
侑子はもともと気分が最悪だったうえ、安奈に叩き起こされたことで、さらに苛立ちが増していた。安奈がネットで何をしていようと、かまっている余裕なんてなかった。ただ、ちらっとコメント欄をのぞいただけだ。

それにしても、あの安奈みたいな厄介者にも、擁護してくる人間がいるなんて驚きだった。どうかしている。女の品格だのモラルだのと説教じみたことを言う人間が、いかに多いかを思い知らされる。

―類は友を呼ぶ、とはよく言ったものだ。

下品は下品を引き寄せる。まともな人間なら、あんな汚い言葉を吐き散らしてまで他人を叩こうなんて思わない。

画面に並ぶコメントは読むに堪えなかった。まるで時代錯誤の偏屈なおばあさんたちが集団で作者を叩いてるような感じだ。語彙の酷さと下劣さは目を疑うレベルだった。

【こんな本書けるのは、頭がおかしいか、節操のない人間だけだろ】―そんな言葉まで見つけて、侑子は冷笑した。

本当のところは、そういうコメントを平気で書き込める奴の方がよっぽど下品で、教養もなければ品位もない。

ああいう手合いって、まるで自分に「貞節の証」でも掲げてるつもりなんだろうか?自分自身が「純潔」を体現しているとでも?

人の私生活を勝手に断罪する女ほど、現実では男に媚びて生きてるものだ。アイドルを見ればよだれ垂らしてるくせに、よくもまあ他人にだけ厳しくできるもんだ。

要するに、侑子の目には、あいつら全員が―首輪つけた発情犬にしか見えなかった。

顔も知らない相手に罵詈雑言を投げつけて、時間も労力も浪費してる。哀れなのは、その中身のなさだ。

まともな人間なら、気に入らなければ静かに離れる。それができず、まるで噛みつくように執着するその姿は、どうしようもなく空虚で、惨めで、哀しい。

―可哀想な奴ほど、他人に攻撃的になる。

ネットで暴れている人間は、現実でもうまくいかない奴らばかりだ。仕事も恋愛もダメで、苛立ちと怒りが溜まりに溜まって、ネットにぶつける。それがまた自分をダメにしていく、負のスパイラルだ。

侑子は、自分が聖人だなんて思ってない。けれど、少なくとも、ネットでわざわざ下品な言葉を吐き捨てたりはしない―その程度の誇りは、持っているつもりだった。

侑子にとって、時間はもっと大事なことのために使うべきだった。

安奈のような存在は、たまに役に立つこともあるが、長く関われ
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