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Home / 家族もの / 室外機の孤影、涙の子守歌 / 第14話

第14話

Author: 鈴木葵影
家族の親戚たちはこの知らせを聞くと、誰もが避けるように連絡を絶ち、電話にも出なかった。

医者は仕方なく私に相談してきた。

「君のお父さんの状態は軽い方だけど、脳内出血で神経を圧迫しているので、将来的に麻痺が残る可能性が高いです」

「お母さんについては、下半身がほとんど粉砕されている状態です。命を助けるためには、下肢を切断しなければなりませんでした」

つまり、今後二人とも車椅子で生活する可能性が高い。

もう二度と、私たちをエアコンの外機に置くことはできない。

医者は慎重に私に尋ねた。

「お父さんは脳内にまだ血が残っている可能性があるので、もう一度手術をするかもしれません」

「お母さんも、もし再び立ち上がりたいのであれば、義足をつけることができます。君はどう思いますか?」

私はしばらく考えてから、静かに首を振った。

「すみません、お医者さん、うちにはお金がありません。私には、彼らを助けることはできません」

心の中でふと、もしお金があったとしても、彼らを助けるべきかどうか迷う自分がいた。

しかし、驚いたことに、お金はすぐに見つかった。

須恵ちゃんが教えてくれた。

「お母さんが以前、事故保険に入っていたことを調べたの。しかも、かなり高額の保険よ」

でも須恵お姉ちゃんは少し間をおいて言った。

「ただ、その保険の受取人が、あなたのお父さんになってるの」
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