彼女は生まれつき好奇心が旺盛な人間だった。
あの日、晴人が「自分は成長した」と言った時、どうしてか彼の性器のサイズがどれくらいなのか気になってしまった……ただの好奇心であり、それ以上の意味はなかった。
この手のことに関して、彼女は昔から大胆だった。高校の頃も、性関係を持ちたいと先に言い出したのは彼女の方だった。
でも、そのことを晴人の前で口にするなんて……
まるでずっと彼のことを気にしているみたいではないか。
酒は本当に怖いものだった。
高村は水で顔を洗い、少し冷静さを取り戻した。
洗顔後、購入契約書を取り出して写真を撮り、それを母親に送った。
すると、母親からすぐ電話がかかってきた。
「高村、急にどうして家を買ったの?それも緑洲団地だなんて。いくら借りたの?今住んでいる家はどうするの?」
高村は照れくさそうに笑った。「お母さん、これは私が買ったんじゃなくて、もらったのよ」
母親は2秒ほど沈黙した後、「高村、来月晴人と結婚するんじゃなかった?」
「うん」
「それなら、どうして他人から家なんて受け取れるの?」
「……そうよね、私、他人から家なんて受け取るはずないのに」
母親は一瞬呆然とした後、気づいて驚いた声で言った。「その別荘、晴人がくれたの?」
「うん!」高村は勢いよく頷いた。
「全額現金で?」
「うん!」
「彼、そんなお金どこから?」
「とにかく、盗んだり奪ったりしたわけじゃないんだからいいの。お母さん、稼げる婿を見つけた娘が嬉しくないの?」
「もちろん嬉しいわ。晴人、なんて優しいのかしら?別荘をくれるなんて、これから会社のことでもお世話になるんだから、もっと彼に優しくしないとね」
「分かったよ、お母さん。もう晴人の味方なんだね!」
「まぁね」母親は苦笑いしながら言った。「ただ、あなたたちがずっと幸せに暮らせるように願ってるだけよ」
「そうだ、お母さん。明日のお昼に帰るから、結婚の話をしましょう」
「分かった」
母親はこの婿にますます満足した様子だった。最初は来月の結婚について少し迷っていたが、その最後の一抹の疑念も消えてしまった。
翌朝。
高村が洗顔を終えてキッチンに行く時、由佳が野菜を洗っていたのが目に入った。
何かを思いついたように、咳払いをしてからさりげなく聞いた。「由佳、朝ご飯は何作るの?」