突然、電流があなたを貫いた。
鋭い電流が体中を駆け巡り、あなたは仕方なく意識を引き戻した。
以前はよく実験として電撃を受けていたが、玲司の管理下に移ってからは、そんなことは一度もなかった。
怒りに満ちた目を見開くと、無数の触手がガラスを叩きつけ、狂ったように広がっていった。
ガラスには血のように赤い瞳が映り込み、その姿は恐ろしいほどだった。
玲司が現れると、あなたの怒りはさらに燃え上がり、冷たい視線を彼に向けた。
ここは彼の研究室であり、電撃の命令を出せるのは彼だけのはずだ。
玲司は眉間を揉みほぐしながらこちらに歩み寄った。
研究員たちは混乱する中、彼に道を譲り、すべての希望を彼に託すような眼差しを送っていた。
彼らは知らない——玲司がいつもどのようにしてあなたを宥めてきたのかを。
それは身を捧げることだった。
彼らが憧れるあの冷静で禁欲的な玲司が、初めてあなたを宥めたとき、顔が真っ赤に染まり、羞恥に震えていたことを。
しかし今回は、そんな簡単に彼を許す気にはなれなかった。
「皆さん、出て行ってください。僕が彼女を落ち着かせますから」
玲司はガラスタンクの前に立ち、一方の手をガラス壁に押し当てた。
研究室が空になると、彼は少し自責の念を込めた声であなたに謝罪した。「さっき博士が言ったんだ。君の成長度がもっと厳しい実験に耐えられるって。僕はその提案を断ったから、博士が怒って君に電撃を与えたんだ」
あなたは彼の言葉を信じなかった。彼が言うような「怒り」の感情など、その場には一切感じられず、ただ冷静な雰囲気が漂っていたからだ。
彼を無視したまま、あなたは思った。
冷静な彼と、交わりを重ねるときの彼は、まるで別人のようだ。
彼の人間として脳は賢く、冷静であるときは極めて危険だ。
こうして平然と嘘をついているときも同じだった。
彼は瞳を伏せ、背筋をまっすぐに伸ばし、薄紅色の唇をきつく引き結んでいた。
しばらくして、彼は小さな声で「ごめん」と言った。
もしこの謝罪が、その欺瞞に対するものならば、彼を許すこともできただろう。
だが明らかにそうではなかった。彼はただ芝居を続けているだけだと分かった。
その認識があなたの怒りをさらに煽った。あなたは水槽の上部へと泳ぎ、彼との距離を取った。
心の中で考えた。
彼には、自分の立場をもう少し理解してもらう必要がある。「お利口でない育児嚢」である彼に。