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Tubling
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Romances de Tubling

匂いフェチの変態公爵様に執着されていると思っていたら、どうやら私フェチだったようです。

匂いフェチの変態公爵様に執着されていると思っていたら、どうやら私フェチだったようです。

三日に一回の更新です。 シャルロッテ・オーランドルフ辺境伯令嬢は兄と共に辺境伯騎士団に所属していた。 軍の規律を守り、日々鍛錬に励みながら隊長にまで上りつめた男勝り。 対して兄の親友であるアルフレッド・カレフスキー公爵は、たびたび辺境伯領を訪ねて来ては彼女に構ってきて匂いを嗅いでくる変態公爵だった。 しかしどうやらアルフレッドと距離が近いのは自分だけではないらしい。 気持ちが晴れないシャルロッテは、アルフレッドと関わらない為に隣国との軍事演習に行く事を父に申請する。 事実を知ったアルフレッドが国王陛下の生誕祭で取った行動とは? 堅物女騎士が匂いフェチの変態公爵に快楽で堕とされる、ただただ甘いお話です。
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Chapter: 三十一話 奔放な幼馴染ラザロフ・バネス
 「此度の演習には隣国バネージ王国の第二王子も視察に来る。くれぐれもご無礼のないようにな」 「第二王子が?」 朝の食事後にお父様から執務室に呼ばれ、驚きの情報を告げられる。 今回の軍事演習には第二騎士団と第三騎士団が行く事になっているので、私の隣りには第三騎士団隊長のラザロフ・バネス隊長が立っていた。 彼とは幼い頃から切磋琢磨してきた間柄だけれど、その甘いマスクで女性が寄ってくるからなのかどうにも女性関係が軽く、トラブルが絶えない。 今回の演習では女性騎士は少ないとは言え……毎回私が仲裁に入らなくてはならないので、今回もそのような事がなければいいのだけれど。 しかもバネージ王国の第二王子が来るというのだから醜態を晒さないようにラザロフを見張っておかなくては……! 私が決意を新たにしている横で、ラザロフがお父様に質問をし始めた。  「しかし団長、なぜ第二王子がいらっしゃるんです?今回はオーランドルフ辺境伯軍との軍事演習ではないですか。国と国との軍事演習ではないのに」 確かにそうだ。 バネージ王国からは正規の王国軍がやってはくるものの小隊で、それほど大きな規模ではない。 王国の王族が顔を出すほどのものとは思えないのだけれど……まさか——。 「バネージ王国は我が辺境伯軍を取り込みたいのですか?」 私の言葉に執務室には瞬時に緊張が走る。 お父様の横にいるバックバーグ副騎士団長も厳しい表情をしているので、私の言葉の通りなのだろう。 「我が辺境伯軍は国の大事な国境を守っている要でもある。そこと近付きたい国が多々あるのは確かだ……今回のように王族を送り込み、明確に意思表示してくる国はなかなかないがな」 お父様の言葉にゴクリと喉が鳴る。 恐らくお父様のもとへは多方面から様々な話が来ているのだろう。 お父様としても私が我が国の公爵に嫁ぎ、しっかりと国内で繋がりを持ってもらいたかったに違いない——。 それなのに私の意思を尊重してくれていたのだから、両親の気持ちにじんわりと胸が温かくなる。 他国に付け入られないように気を付けなくては。 「私としても自国以外に忠義を尽くす気はない。そういう意思も込めて軍事演習には私は同行せず、副騎士団長のバックバーグに行ってもらう……トップ同士が相まみえるとあらぬ疑いがかかるからな」 「団長の代理、しかと努め
Última atualização: 2026-07-01
Chapter: 三十話 愛の贈り物
 馬車に揺られている間、フレド様は私を膝の上に乗せてずっと離さず、身の置き所がなくてどうすればいいか分からなかった。 でも当の本人はそんな事お構いなくご機嫌で、鼻歌交じりだ。 「フレド様……さすがに膝の上は恥ずかしすぎます」 「照れてるの?」 「違います! これではまるで子供扱いではありませんかっ」 「違うよ。 これは君と片時も離れたくないという意思の表れだよ」  「…………っ」 フレド様は歯の浮くような事を言われれば私が了承すると思っているに違いない。 実際に言い返せないのだから自分も大概かもしれないとげんなりする。 早くオーランドルフ城に着いてほしいと願いながら馬車に揺られること3時間ほどで辺境伯領に入り、馬車はオーランドルフ城の門前でゆっくりと停車したのだった。 「どうやら到着したようですね」 「楽しい時間はあっという間だな……早く軍事演習の日が来てほしいよ」 「フレド様……準備などをしていたらあっという間です。 当日に会えるのを楽しみにしていますので」 少しの間離れ離れになるだけで肩を落とす彼を見て、思わずクスリと笑ってしまう。 自分のことをこれほどに愛してくれる人はフレド様しかいないわね。 私の前でだけ感情をあらわにする彼……可愛い人——。 私も同じだという気持ちを込めて、フレド様の頬にキスをした。 ちゅっ。  馬車の中に乾いた音が響く。 私が自分からする事はほとんどないので、目の前の愛する人はとても驚いて目を見開いている。 「一カ月後、城でお待ちしております」 「シャーリー……そうだ、これを君に」
Última atualização: 2026-06-28
Chapter: 二十九話 ※夢から覚めても一緒に
 まだ大きい……ソレを見ているだけでお腹の奥が疼いて仕方ない。  「フレドさま……」 「はぁ……シャーリー、ありがとう。 すっごく気持ち良かったよ」 「よかった」 自分が気持ちよくしてあげられた事が嬉しくて、思わず顔が緩んでしまう。 もうかれこれ三日間ずっと肌を重ね、お互いを気持ちよくし合っているけれど、まだまだ彼を求める気持ちが膨らむばかりで自分でも驚いてしまう。 ドキドキしながら立ち上がると、フレド様に腰を引かれてぴったりと肌が密着する。 「あ……っ」 「そんな可愛い顔、反則だから」 「んっ」 すぐに唇が重なり、舌がねじ込まれた。 どんな顔なのか分からないけれど、愛おしむように味わうように舌を吸い上げられ、唾液までも貪られていく。 「ふぅっ……んくっ……」  下腹部には硬くなった男根が主張するようにそそり勃ち、私に押し付けている。 もう挿入れたい……ソレがほしい……手でやわやわと触れると、ビクビクと反応し、さらに硬くなった。 そんな反応すらも愛おしい。 そのまま手で彼の熱棒を蜜口にあてがうと、秘書から卑猥な水音がしてきた。 「はぁ……フレドさま……もうほしぃ……っ」 「ごめんね、待たせて。 今あげるから」 そう言った瞬間、両足を持ち上げられ、抱きかかえられる体勢のまま彼の楔が蜜口に侵入してきた。 「ひっ、あっ、それ、だめぇぇっ」 「だめじゃないでしょ。 きもちいい、でしょ?」 「あっ、あっ、
Última atualização: 2026-05-26
Chapter: 二十八話 ※三日目の朝はおねだり合戦
 この別荘に来て三日目――――小鳥の鳴き声で目覚めた。 後ろから私をガッチリと抱きしめるフレド様の腕。 彼の胸板が背中に当たり、その存在に朝から胸が高鳴る。 ああ、このまま時が止まればいいのに――。 あまりにも隔絶された世界に自分とフレド様しかいないような気持ちになってくる。 もうこのまま二人だけの世界で生きようか。 そんな気持ちにさせられるから、ここは危険かもしれない。 そして朝だからか、彼の硬いモノが私の臀部に当たっていて、また知らずに下半身が疼いてきてしまう。 散々開発された体はすぐに反応してしまい、アソコが湿り気を帯びてきているのが分かって膝を擦り合わせた。 朝からなんてはしたないの……少し頭を冷やそう。 そっと彼の腕から逃れ、ベッドを降りて窓際まで移動する。 外は見渡す限り森が広がっていて、木々の合間から朝日が差し込んでいるのが美しかった。 今日は夜までに邸に帰らなくては。 一瞬寂しく感じたけれど、気持ちを振り払うように視線を下げると、後ろから愛する人の腕が私をすっぽりと包み込んだ。  「シャーリー……おはよう」 「おはようございます……起こしてしまいましたか?」 「いや、君のせいじゃないよ。 いないとすぐに目覚めてしまうから」 「フレド様……またそういう事を。 ズルいです」 「だって本当のことだから」 この人は本当にズルい。 そんな事を言われれば私が離れがたくなるのを分かっていて言っているのよね。 実際、今も胸がギュッと締め付けられ、そばにいてあげたい気持ちでいっぱいなんだもの。 それに――――。 「フレド様……」 「ん?」 「あの……お尻に&
Última atualização: 2026-05-23
Chapter: 二十七話 ※浴室で淫らに絡み合い
 少し振り向いて触れるだけのキスをする。 目を見開き驚いた表情の彼……そんな表情も可愛い。 思わずクスッと笑うと、顔を引き寄せられて深い口付けとなっていくのは必然だった。 体中泡や水分でまみれ、口付けしている口内は互いの唾液が入り混じり、どこもかしこも濡れながら互いの存在が溶け合っているかのようで――――このまま一つになってしまえたらいいのに。 拙い舌使いで彼の唾液を貪る。 「んっ、んんっ……ふぁ……」 やがて彼の腰が律動を始め、私の中の気持ちいい箇所を的確に刺激し始める。 ゆっくりと味わうような動きにもどかしさが募る。 もっと強い刺激が欲しくて、襞が彼の熱に絡みついて――もっと、もっととおねだりしているかのようだった。 「シャーリー……ッ、そんなに締め付けたら、すぐにイってしまう……」 「ごめんなさ……ぃ……っ、だって……っ」 「煽った君が悪いんだからね」 フレド様は私の腰をガッチリと掴み、すぐに律動は激しさを増し、浴室内にパンッパンッと腰を打ち付ける音が響き渡る。   「ああっ、あんっ、あっ、きもち……いぃっ!」 「シャーリーッ……君の中が熱くて……もっていかれそうだっ」 「はっ、あっ、もう、イクッ……イっちゃ…………~~~っ!!」 あっという間に快感の渦に呑まれ、目の前が弾けてしまう。 同時に彼も果てたのか、中がじんわり温かくなっていった。 もうずっと気持ちいいが続いていて、どれだけ体を重ねても足
Última atualização: 2026-05-20
Chapter: 二十六話 ※あいしています
 カーテンを閉め切っているせいもあり、ふと目覚めたけれど、今が何時なのかが分からない。 けれど体はぐったりと疲れ切っていて、起き上がる事が出来ずにいた。 昨夜は散々彼の好きなように抱かれ、腕には縛られた跡が薄っすら残っている。 独占欲の証だと言わんばかりに。 それを見てキュンとしてしまうのだから、私もたいがいだと呆れてしまう。 隣では瞳と同じアイスブルーの長い髪がサラリと揺れ、穏やかな寝息を立てながら最愛の人が眠っていた。 フレド様も疲れているわよね……あんな激しく……激しく求められて―――― 思い出しただけで体が熱くなってしまう。 私の体はどうしてしまったのだろう。 フレド様を知る前はこんなに熱を持ち、疼く事もなかったのに。 昨夜、あれほど抱かれたのに、もう恋しくなっている。 こんなだらしなく淫らな女だと思われたくない。煩悩を振り切るように彼の腕からスルリと抜け、ベトベトした体を洗い流そうとベッドから下りた。 足音を立てずに歩いていたはずなのに、後ろから声が聞こえてくる。 「シャーリー、どこへ行くつもり?」 「フレド様!お目覚めでしたか、おはようございます。少し飲み物を飲みに……」 お風呂まで一緒に入ると言われそうで、本当の事を言えずに咄嗟に嘘を付いてしまう。 さすがに一緒に入るのは恥ずかしすぎるわ。 でもしっかりとフレド様に見透かされ、一緒に浴室へと向かう事となったのだった。 ~・~・~・~・~・~ 「君の体を洗う事が出来るなんて幸せだな」 「私は物凄く恥ずかしいです……!」 「あれほど深く愛し合ったのに、まだ恥ずかしがるの?」 「そういう問題じゃありません!恋人に体を洗われるというのは……ッ」 泡を体にぬりな
Última atualização: 2026-05-17
愛人を孕ませた婚約者に捨てられましたが、初恋の寡夫公爵に溺愛され始めたら元婚約者が狂いました

愛人を孕ませた婚約者に捨てられましたが、初恋の寡夫公爵に溺愛され始めたら元婚約者が狂いました

「真実の愛を見つけた。婚約を破棄してほしい」 王宮の夜会で、婚約者はそう言った。 しかも隣には、彼の子を宿した女。 伯爵令嬢クリスティーナは衆人環視の中で捨てられ、誰もが彼女の涙を想像したが――むしろ、心の底からほっとしていた。 本当はずっと好きな人がいたから。 その夜からすべてが変わっていく。 「もう遠慮しない。君を俺のものにする」 初恋相手の公爵は、彼女だけに甘く囁く。 一方で元婚約者は、彼女が他の男に愛され始めた途端に狂ったように追いかけてくる。 「やっぱり君を手放したくない」 遅い。 しかも彼女は伝説の魔女の血を引く存在だったのだ。 婚約破棄された令嬢の人生は甘く淫らに花開き、危険をはらみながら逆転していく。
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Chapter: 第93話 事件のその後
 私の大きなお腹の音を聞いて大笑いされた後、リジーやノエルが入ってきて私の身支度を一通りしてくれたので、ホールに移動する事にした。 テーブルにはすでに食事が並べられ、豪華な料理の数々に目移りしてしまう。 相変わらず料理長のディエゴが作る料理は本当に美味しいものばかりで幸せ……私がいつ起きてくるかも分からないのに、こんなに用意しておいてくれたのかしら。 「ディエゴ、いつもありがとう。とっても美味しいわ」 「勿体ないお言葉にございます……!!」 「ティナが美味しい美味しいって食べるから、ディエゴは毎日張り切って作ってくれるんだよ。ちょっと作り過ぎなくらい」 「まぁ!ふふっ、私は当たり前の事を言ってるだけですわ。だって本当に美味しいから」 私たちが歓談しながら午餐をいただいていると、執事のグラースがやってきて、私にも聞こえるように話し始めた。 「旦那様、只今王宮から使者が参りまして、陛下が明日にでも王宮に来てもらいたいとの事ですが、いかがいたしましょうか」 昨日の事について、陛下もドミニク様にお話があるのね。 まだ一夜が明けたばかりで事件の事後処理などが沢山あるでしょうし、あれほどの事をしたフェンデルバーグ公爵だけれど、彼は仕事面ではとても優秀だったから、その穴は大きい。 陛下も日々のお仕事に加えて……ですもの、ドミニク様の助けが必要なのかもしれない。 「ドミニク様、きっと今の陛下にはドミニク様のお力が必要なんだと思いますわ」 「……そうだね、バタバタしているだろうし顔を出すよ。ティナも一緒に行こう」 「私も、ですか?」 私は驚いて目を見開く。 私が行っても何も役には立たない気がするのだけれど……でも私はホールで力を使ってしまったのだし、陛下とお話しておいた方がいいかもしれない。
Última atualização: 2026-08-06
Chapter: 第92話 ※互いの存在を確かめるように
 「ドミニク様、愛してます」 「うん、私も……」  ドミニク様は自身の目の前にある双丘をやわやわと触り心地を確かめるように揉みながら舌を這わせ、そこにもキスをしていく。 「この柔らかい白い肌も、君の細い指も、美しい髪も」 私の全てにちゅっちゅっとキスをしながら愛を囁いていく。 彼の唇が触れた部分が熱を帯びていき、じんわりと幸せが染みわたっていく気がした。 それと同時に熱は疼きに変わっていく。 やがて彼に愛された痕が体のそこかしこに付いていくのを見ていると、なかなか触ってくれない胸の先端に刺激が欲しくて自分からおねだりしてしまっていた。 「ドム、先も触ってぇ……」  「上手におねだり出来る君も、愛してるよ」  せっかくお願いしたにも関わらず、私に軽いキスをしたドミニク様は、私を後ろ向きにした後、後ろから乳房を触り始めた。 「顔が見えない方が、イケナイ事をしているように感じない?」  「そ、んなこと…………っ」  私の反論も虚しく、彼に後ろから乳房を持ち上げられ、全然触ってくれなかった先端を摘み、カリカリと弄り出す。  「はぁぁ……あっ、きもち……いぃ……っふ、ああ……!」 ずっと焦らされている状態だった私は、この甘い刺激にすっかり身を委ねてしまう。 「あっ、いい……っあ、う……っ」  やがて上体は仰け反り、もっと触ってほしいと言わんばかりに彼の手に乳首を押し付けるような形になっていった。 彼の指の動きはより強度が増し、先端が硬く腫れているかのように
Última atualização: 2026-08-05
Chapter: 第91話 <第三部>待ちわびた知らせ~カルロ王子Side~ / クリスティーナSide
  クリスティーナ親子や始祖の魔女の過去に迫る第三部<白と黒の魔女編>スタートです! よろしくお願いいたします ~・~・~・~・~   ――――東の大陸中央に位置するカラドゥス王国―――― 夜空を見上げながら、少し欠けている月を仰ぎ、いつくるやも分からない知らせを待つ。 今日も来ない、か。 グラスを片手に溜息を1つ吐いた。 すると遠くから、王族の伝書鳩がやってくる姿が飛び込んでくる。 私は歓喜に震え、その知らせを性急に読み始めた。 紙を持つ手が震える……そこには、ついに長年待ち望んでいた内容が書かれていたのだった。 「やっと……やっとだ…………」  うわ言のように呟く私を聞き慣れた声が現実に戻していく。  「……カルロ王子殿下、そのような薄着でバルコニーに立たれましては、お風邪を召してしまわれますぞ」  「まったく、私をいくつだと思っているのだ」 「おいくつになられましても、御身は我が国で最も大切なお方の一人である事をお忘れになりますな」 「口うるさい爺のおかげで、せっかくの朗報が薄れてしまうではないか」 今日は満月ではないが、月の輝きが増しているように感じた……何か良い知らせがやってくるかもしれない予感がしていたが、ツェットリーニ王国から伝書鳩がもたらしてくれた知らせは、それ以上のものだった。 長年探していたものが見つかり、後ろに輝く月さえも私を祝福しているように感じる―――― 「ようやく見つかった……やはりツェットリーニ王国が隠していたようだ」  私の言葉に爺が目を見開いて反応する。  「む?……まさか、白の魔女の行方が分かったのですかな?」 「そうだ、長かった……すぐに迎えに行く。白の魔女は我が国の……我が一族の血を引く者なのだから」 知らせを握り締め、まだ見ぬ魔女へと思いを馳せながらブロンドの髪をかき上げた。 ツェットリーニ王国は長年の我が国の追及を逃れながらひた隠し、ずっと手の内に収めていたのだ。  現国王は分からぬが、先王は知っていたに違いない――――  この落とし前はつけてもらわねばならないな。  そして白の魔女…………クリスティーナ・ヴァッセルはこのカラドゥス王国第二王子である私の妃になるべき女性。 王太子である兄上に先を越されるわけにはいかない。  夜着を
Última atualização: 2026-08-02
Chapter: 第90話 どうぞそちらもお幸せに<第2部・完>
 「う……う………………うわぁぁぁああああ!!!」  突然ヤヌシュが頭を抱えて奇声をあげた。 そして黒の魔女を恨みがこもった目で睨むと、彼女に向かって突進したので黒の魔女はヒラリとかわし、ヤヌシュはただ床に転がり込んでしまう。  「最後の足搔きというわけか?」  黒の魔女は、実に楽しいと言わんばかりの表情でヤヌシュの方を見ると、彼の手には小さな布袋が握り締められていた。  「しまった、それは……!」 「ふふ、ふははは!!最初にお前を見た時、玄関でこの布袋に魔法具のような物を入れているのを見てから、ずっと手に入れる機会を待っていた!この中の物を使えば…………」  ヤヌシュは袋の中身を探り、見覚えのある小瓶を見つけて歓喜する。 あれは……先ほどの惚れ薬とは少し違う形状だけれど、黒の魔女の魔力が込められているわ。  「ヤヌシュ、それはあなたが持っていたものとは違うものだけど、強い魔力が込められているから危険よ!」 「そうか、クリスには分かるんだね……強い魔力が込められているなら……」 「やめろ!それの中身は……!!」  黒の魔女の制止など全く耳に入っていないヤヌシュは、中に入っていた1つの小瓶の蓋を開け、一気に飲み干してしまう。 薬の中身も分からないのに飲んで大丈夫なの?私はドミニク様と目を合わせ、ヤヌシュの方へとまた視線を戻した。  「まったく……お主ほどの欲深い人間はそうそうおらぬぞ。まぁその欲が身を滅ぼすのだが」 「なに?…………う?……ぐ、あ……ああ゙あ゙…………ああぁぁぁ!!」   「ヤヌシュ!!」  突然苦しみ出したヤヌシュに向かって名前を呼んでみたものの、体を悶絶させながら床に転がってしまい、身を縮こまらせて苦しみに耐えている姿に駆け寄ろうとした私をドミニク様が制止したのだった。 そして顔を上げ、こちらを向き、涙を流しながら手を伸ばし、助けを懇願してくる。
Última atualização: 2026-07-31
Chapter: 第89話 黒の魔女
 「う、わ、ああぁぁぁぁぁ薬が!!せっかくもらった薬がぁぁああ何て事を!!!」 『自業自得です!』 乱れるヤヌシュを見ながら、ラディが私の手の平で意気揚々と鼻息を荒くした。 ヤヌシュは液体が滲みこんだ箇所を爪でガリガリと引っかき、指先から血が滲み出ていてもお構いなしに何とか液体を取り出せないかと引っかき続けている。 「薬、薬……黒の魔女様!薬を!!もう一度くださいぃぃぃ!!!」 相変わらず半狂乱になりながら床で叫んでいるヤヌシュが、ここにいるはずもない存在の黒の魔女に向かってお願いを始めたのだった。 私とドミニク様とラディは目を合わせ、何を言っているのだろうと唖然としてしまう。 『このような場所に黒の魔女様がいらっしゃるわけがありません』 「そう、よね……私もそう思うのだけど…………」 何となく嫌な予感がする。そして嫌な気配も――――私のその予感はすぐに的中し、ヤヌシュの言葉に応えるかのように室内には声だけが響き渡った。 『――――……ヤヌシュ、お主は失敗したようだな。見守っていると申したのに……不甲斐ない奴め』 「く、黒の魔女様ぁぁお助けください!!惚れ薬が割れてしまって!」 これはどういう状況なのだろう。 頭に直接響いてくる声……ドミニク様もラディも驚き過ぎて、皆言葉が出てこない状況だった。 にわかには本物だと信じがたいと思いつつも、この声からは懐かしいような暗い闇のような言い知れぬ気配を感じる。 おそらく本物の黒の魔女――――やはり存在していたのね。 私はひとまず二人のやり取りがどうなっていくのか、状況を見守ってみる事にしたのだった。 『ふん。そう何度も貴重な薬を渡す事は出来ぬ
Última atualização: 2026-07-30
Chapter: 第88話 ドミニク様の怒り
  「ラディ!大丈夫?動いてはダメよ、今癒すから……」 『ぐぅ……ティナ様、申し訳ございません……今お力を使ってはあなた様が…………』 このまま力を使い切ったらまた意識を失ってしまうかもしれない。 その間に惚れ薬を飲まされたらと考えると怖いけれど、ラディをこのままにはしておけないわ。 私は力を使おうと体の魔力に意識を集中し始めた――――なんとか体全体が光り始め、ラディの傷が少しずつ回復していく。 そしてそんな私をヤヌシュが、ジッと見つめていた。 「綺麗…………女神様みたい……」 うっとりとした表情で呟き、こちらに近づいてきて後ろから抱きしめられてしまう。 「な、何をするの!ヤヌシュ、離して……!ラディを救いたいの!」 「力を使えばいいよ。使い切ったらまた気を失うだろうから、君はそのまま僕のものになる」 『ぐっ……そんな事は私がさせませぬぞ…………っ』 ラディはまだ回復しきれていないので、うまく動く事が出来ずに悔しさを滲ませていた。  早くラディを回復させたいのに、後ろのヤヌシュの存在に全く集中出来ずに力を使う事が出来ない。 それにドミニク様以外の男性に抱きしめられる事に嫌悪感しかない私は、とにかくこの腕から逃れたかった……でも意外にも力が強くて振りほどけないわ。 「ヤヌシュ、お願いだから……!」 私がもがきながらそう言って振り返ると、彼の顔が目の前にあり、危うく唇が触れてしまいそうだった。 急いで顔を背けたものの、ヤヌ
Última atualização: 2026-07-29
孤独な悪女は堅物王太子に溺愛される~犬猿の仲でしたがうっかり誘惑しちゃってたみたいで乙女ゲーム的な展開が待っていました~

孤独な悪女は堅物王太子に溺愛される~犬猿の仲でしたがうっかり誘惑しちゃってたみたいで乙女ゲーム的な展開が待っていました~

目覚めると、大好きなアクションゲームの世界が広がっていた。 「ドロテア魔法学園~unlimited~」 登場キャラクターの悪女先生クラウディアに転生してしまった私。 数々の男性を誘惑する彼女はシグムント王太子殿下と犬猿の仲。でもお見舞いの日から殿下の様子がおかしい。 超がつくほど堅物で厳しい人が「怪我はないか?」と耳元で囁いてくる。 仲良くなれそう? 新たな力に目覚めたり、モフモフの可愛い生き物がいたり…でも学園には魔の手が忍び寄ってきていた。 可愛い生徒を守るのは先生の役目。 悪は根絶やしにさせていただきます! 溺愛あり、モフモフあり、戦いあり…ゲームの世界で自身の運命と闘う、異世界恋愛ファンタジーです。
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Chapter: 五十一話 <最終話>ここから…
 旅の支度はセリーヌや邸の者が全て整えてくれたので、私自身は特に何も用意するものもなく、あとはジークが来るのを待つのみといった感じだった。 イルボーネの街は王家が管理している街なので王族が立ち寄る事も考えて美しい邸が建てられている。 今回は私とジークが婚約した事がすぐに発表されたので、新婚旅行みたいに二人で旅行に出るといった名目らしい。 この発表もとても速やかだったので、お父様と陛下がどこまで知っていたのだろうかと疑念が生まれる。 もう二人とも絶対確信犯だわ。 ジークが私を好きで、こういう流れになるだろうと想定してイルボーネの街に行けと言ったのね。 その通りになるのは少しばかり癪だけど、ジークと婚約したのは素直に嬉しかった。それを公表してくれた事も。 私はこの世界では悪女的な立場だし、彼と婚約出来るとは思っていなかったから。 ジークは光の王子と言われるほど国民のイメージもクリアで素晴らしく、そんな彼と結ばれるのはどこかの国の王女とか、国にとって有益な相手じゃなければいけないと誰もが思っている。 まさか陛下が私との婚約を許可するとは思わなかった――――私が聖なる力を持っていたからなのかもしれないけど。 この力にも感謝しながら使わなきゃね。 「お嬢様、準備完了です!」 「ありがとう、セリーヌ。あなたも来てくれるの?」 「もちろんですよ~~お嬢様の行くところ、セリーヌありです!地獄の果てまでお供いたしますっ」 「ふふっ、ありがとう」 地獄は嫌だけど、セリーヌが来てくれるのは本当に嬉しいし安心する。 そうこうしているうちにジークが到着したのでエントランスホールを出ると、門の前には王族専用の馬車が停まっていて、彼と婚約出来たのだなとヒシヒシと実感する。 婚約した2人が乗る馬車だから外装も美しいわね……ジークは人目につかずに行きたい感じだったから質素な馬車かと思っていたのだけど、陛下にダメだと言われたのかしら。 「
Última atualização: 2026-04-21
Chapter: 五十話 後夜祭の時間に花火を見ながら
 「いつまで触っているつもりですか……」 「まぁそう怒るな。減るものでもあるまい」 陛下が苦笑いをしながらそう言うと、ジークが陛下の腕をつかんで私の口から陛下の手を引き離した。 今日は学園祭という事もあってジークも理事長としてではなく変装して参加している為、滅多に見る事が出来ない吸血鬼姿を披露していた。  ピエロと吸血鬼…………とうてい親子には見えない2人だけど、やり取りを見ていると親子なんだなぁと思う瞬間が度々見られて、思わずクスッと笑ってしまう。 どちらかというと陛下はダンティエス校長と性格が似ているように感じるので、兄弟のやり取りみたいに見えるわ。 「減る減らないの問題ではありません。そもそもあなたは……」 「分かった、分かった。まったくそなたといい、ダンティエスといい、その執着する気質は誰に似たのか…………」 「あなたでしょう」 「………………」 なんだか陛下が押されているような。 そんな事より執着って誰が誰に――――私?ジークが私に執着しているという事?二人のやり取りを見ながらそんな事を考えていると、途端に顔に熱が集まってきた。 本当に?だとしたら嬉し過ぎるのだけど……考えれば考えるほど顔が熱くなってくる。 「ディア?凄い顔が赤いぞっ!熱は…………ないようだな。ひとまず外に出よう」 「え、ええ……そうね」 「あなたは速やかに帰るように。きっと王宮の者たちもあなたの行方が分からなくて大騒ぎになっていると思いますよ」 「ははっ、そうだと面白いがな」 ピ
Última atualização: 2026-04-20
Chapter: 四十九話 学園祭開幕
 あの騒動の後、生徒たちは門の前に全員避難されていて誰一人けが人はなかった。でも大きな揺れに怯えている生徒もいたので、ひとまず皆帰宅させる事になったのだ。 そして三日間学園がお休みになり、その間に国王陛下から隣国の山々で活火山が噴火した為に起きた地震だと民に知らされ、理由が分かると安心したのか生徒たちも休み明けからいつものように学園に通い、穏やかな日常が戻ってきた。 魔王が復活していたなんてまさか言えないわよね…………そして撃退したなんてどうやって伝えればいいのやら。 自然災害は神の怒りだとも言われがちな世界なので、きっと全ての不安は払拭しきれてはいないのでしょうけど、怯えてばかりいられないものね。 私をおびき寄せる為にカリプソ先生に操られていた生徒たちは、記憶が途切れ途切れだったものの、魔物化していた後遺症などもなく保健室で目覚めた後、元気に帰っていった。 しかし魔物化していた事で身体に何らかの影響があっては危険なので、念のため数日は健康調査が必要となったのだ。  カリプソ先生はというと、今回の騒動や私を突き落とした時など記憶がなかったわけではないので、無罪放免というわけにはいかず……公爵家を敵にまわしたという事も相まって学園を去る事が決定し、子爵家はお家取り潰しになり、国外追放が決まった。 カリプソ先生のお父様である子爵が王族派から教会側の人間になっていた事が露見したのも大きく、陛下の信頼を一気に失墜してしまった為、恩赦する事もできず…………後味の悪い終わりになってしまったわ。 カリプソ先生は学園が休みの間に跡形もなくいなくなり、その後どうなったかは分からない。 そんな中、学園の生徒たちは元気に学園祭の準備を進めていて、あっという間に一カ月の月日は過ぎていった。 私の身辺はというとそれほど慌ただしくなることもなく……逆に恐いくらいだわ。 私の魔法が知れ渡れば色々と動きが出てくるのではと思って
Última atualização: 2026-04-19
Chapter: 四十八話 陛下の思惑 ~シグムントSide~
 魔王を撃退した翌日―――― 父である国王陛下が待つ執務室へと向かいながら、昨日の出来事について考えていた。 彼女が放った聖魔法は確かに魔王を撃退したはずだ……これから魔物が消えていき、この世界も平和になっていくだろう。 私はと言うと、倒れ込む彼女を労うので精一杯だった事を思い出し、魔王の足元にも及ばない自分自身に対して情けない気持ちでいっぱいになる。  もっと自分を鍛え直さなくてはな。 彼女の隣りに立つに相応しい人間になる為にも――――  魔王と戦っていて学園の方は先生たちにまかせっきりになってしまったが、あれほどまでの衝撃が学園を襲い、生徒たちの中にも怯えている者も多数いたので、3日間は学園を休園する事になった。 民にも何かしらの知らせを発布せねば収まらないだろう。 しかし魔王が降臨したなどと知らせをすれば、たちまち混乱をまねく事は目に見えているので、対応については慎重に進めなければならない。 そんな事を考えていると、いつの間にか国王陛下の執務室の前に着いていたので、衛兵に目配せをして扉をノックする。 ――――コンコン―――― 「陛下、シグムントが参りました」 「入りなさい」 「失礼いたします」と声をかけながら扉を開き、中に入るとやはりロヴェーヌ公爵もその場にいて、二人ともお待ちかねといった感じだった。 「よく来たな、昨日の事はすでに我々の耳に入っている。そなたもその話をしにきたのだろう?」 「はい……父上は我々が何と対峙したのかもご存じで?」 「………………」 父上は無言だったが私の顔を見据えていたので、それだけで全て分かっているのだなと察しがついた。恐らく父上のこの表情の意味はそれだけではないはず。 「…
Última atualização: 2026-04-18
Chapter: 四十七話 ミシェルの素顔 ~ダンティエスSide4~
 階段を上りかけていたミシェルは手すりにしがみついて必死に耐えていたので駆けつけて支えてあげた。 これほどまでに大きな力とは……何が起こっているんだ?  「校長!このように大きな力……先ほど森に入っていったクラウディア先生に何かあったのでは?!すぐ近くで感じます……!」 「ああ、クラウディア先生と違う力を感じる……兄上に知らせなければ!」   私がそう言って今度こそ理事長室に行こうとすると、生徒たちの悲鳴がどんどん増していく。 私たちでも混乱するのだから生徒たちがパニックになるのも無理はない。学園は安全だと皆思っているし、この地で何事かが起こるとは誰も思っていなかっただろうから――――  「その前に生徒たちを避難させなければならないな」 「あ、理事長!」  ミシェルの言葉に階段の上を見上げると兄上が急いで下りてきているところで、私たちは協力して生徒たちを避難させる事にしたのだった。 でも兄上の顔を見ていると今すぐにでも駆けつけたいだろうに、真面目で頑固な兄上は必死にその気持ちを押し殺しているのが手に取るように分かる。  物凄く苦しい顔をしているにも関わらず必死に生徒を誘導する姿を見ていられなくなって「兄上は行かなければならないところがあるでしょ」と声をかけた。  「しかし私は王太子でありこの学園の理事長でもあるのだ。生徒を放って駆けつけるなど……」  兄上らしい堅物な考えを披露してきて若干イラっとしたので、ほんの少し挑発してみる。   「そんな事を言ってる場合?!何かあれば……」 「何かあれば、だと?」  この時、自分の言葉を人生で一番後悔したかもしれない。兄上からとてつもない力溢れ出し、魔力が暴走しそうになってしまったのだ。 クラウディア先生に何かあればって想像しただけでこんな状態なのに、どうしてこの人は………………すると我々のやり取りを見ていたミシェルが、突然水魔法で兄上の人形のようなものを作り出した。  「ミシェル、君って…………凄く器用なんだね」 「校長、お褒めにあずかり光栄です。どうです?理事長は2人も要りませんので、あなたは用済みですからとっとと森に行った方がいいかと」 「ミシェル!兄上になんて言葉をっ」  とっても素直な物言いはミシェルの良いところだとは思うけど、不敬が過ぎると心配になっ
Última atualização: 2026-03-26
Chapter: 四十六話 敗者の美学 ~ダンティエスSide 3~
 王宮で父上やロヴェーヌ公爵、兄上と話をした後から――――――  おかしな噂を耳にする事が多く、俺はとても戸惑っていた。 というのも兄上がカリプソ先生と良い仲になっていて、生徒に見られるような場所でキスをしていたというものだ。 自慢ではないが、兄上の事は嫌というほどよく分かっているつもりだし、だからこそ絶対に人目につくところでそんな事をするような人間ではないので、どうしてそのような噂が広まっているのか不思議で仕方なかった。 しかし、よく分かっていると思っていたのに、俺の目にカリプソ先生と仲良く話している兄上の姿が目に入ってくる。  なぜだ?カリプソ先生と兄上は何のつながりもないはず……兄上はカリプソ先生のように噂好きでねっとりとした女性は苦手だったはずだ。 絶対に相手にしないタイプなのに近頃は見かける度に本当に一緒にいる。そして距離も近い――――  こんなところをクラウディア先生が見たらどう思うか……そして案の定、2人を見ているクラウディア先生はとても辛そうだった。 好きな女性にこんな表情をさせるなんて、本当に兄上らしくない。 クラウディア先生の辛そうな顔を見ていたれなくなり、学園の裏側にあるいつもの庭園へと誘った。そこなら兄上たちを見ないで済むだろうし、気分転換にもなる。  庭園の花達に囲まれているクラウディア先生は女神のようで………… 「学園祭が終わるまででいいんだ、俺にもチャンスをくれない?クラウディア先生の心に入り込むチャンスがほしいんだ」 思わず本音がもれてしまい、少し頑張らせてほしいとお願いした。 優しい彼女は俺の願いを聞き届けてくれて、その場で返事はしないという選択をしてくれる。 結果は分かっていても、この件に関しては俺の気持ちを尊重してくれた事がとても嬉しかったし救われる気持ちだった。 でも課外授業へ一緒に行った時に聖なる力を使うクラウディア先生を見て、何故だかとても遠い存在に思えた――――俺とクラウディア先生が肩を並べて歩いているところが想像できない。 課外授業から戻ってきて、どう見ても想い合っている二人を目の当たりにして、やっと自覚する事が出来た。この気持ちは恋ではなく憧れだったのだと。 幼い頃、声をかける事も出来ずに物陰から兄上と遊ぶクラウディア先生を見ていた時から、2人と肩を並べたい、俺の事も受け入
Última atualização: 2025-12-07
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