Chapter: 第134話 <第四部>お目当て ~シルベリオSide~ お待たせしました!! 第四部開始になります~~帝国の人間もちょこちょこ関わってきますので、まずはシルベリオSideからになります!^^ よろしくお願いいたします~~m(__)m ~・~・~・~・~ 初夏の夜風は実に気持ちがいい。少し長めの髪を温い風が通り過ぎるのをバルコニーに立ちながら堪能する。 「そろそろお部屋へお戻りください。御身に何かあれば大変な事になります、シルベリオ様」 セリスの小言が止まらない。 私自身は前皇帝の四男として生まれ、特に何も期待されずに育った事から、年を重ねて身分で縛られるようになる事など想像もしていなかった。 何故か身体能力だけはずば抜けて高く、自分の肉体を磨けば磨くほど武勲を挙げた事で帝国での影響力が強くなっていき、結果このような身分になっただけだ。 帝国では世襲制ではなく、力のある者がトップに立つ。 私の代わりなどどこにでもいるという事だ。 無論私より影響力のある人物が出てきた場合は、皇帝の座を追われる事もあるだろう。 そうなったらなったで隠居し、自由気ままに過ごそうと考えているので、皆が思う程自分の身分にこだわってはいない。 今回の旅も好きに動きたいがためにツェットリーニ王国に来たのもあるが、ここに来た目的は色々ある。 まずはリドメキシアの秘薬の件で世話になった、オーレンブルク公爵に会ってみたかった事。 やり手の元王弟殿下はどのような人物か、非常に興味があったのだ。 私に対してフェンデルバーグ公爵をこちらに渡さない為に堂々と交渉してきた男……結果フェンデルバーグ公爵は失脚し、ツェットリーニ王国での裁きを受ける事となった。 エデンに手を出し、密かに流通させたフェンデルバーグ公爵。 ヤツを徹底的に潰してやろうと考えていたのに、我々の思惑は空振りになる。 そしてその婚約者であるクリスティーナ・ヴァッセルが白の魔女だというのだから、なかなかに興味深い話
Last Updated: 2026-09-22
Chapter: 第133話 <第三部・完>望んでいた出会い ~???Side~ ――――ツェットリーニ王国・王都リベルタス―――― 私は、オーレンブルク公爵から借りた馬を走らせ、なんとか王都に着いたので連れを探すべく馬から降りた。 「王都と言っても広いからな……まずは宿屋を探すか」 馬を伴いながら歩いていると、遠くから連れと思われる人物が3人ほど、私に向かって走ってくる姿を確認する。 「シベリオ様、やっと見つけましたぞ!!ご勝手な行動はお控えください!」 ずんぐりむっくりで少し歩いただけで息を切らしている男は、イースナビア帝国の内務大臣を務めるモスキート・アラベスタだ。 「モスキート、お前の声は本当に頭に響く」 「モスキート様のご心痛もお察しください。このような事が度々あっては我々の心の臓がもちませぬ」 モスキートに次いで小言を言ってくるのは、帝国騎士団長を務めるバズズ・モンテティード。 「本来なら一人で行く予定だったものをそなた達が勝手についてきたのだろう」 「あなた様に何かあったら、どうされるのです?!」 今度はセリスまで小言が止まらない。 「お前まで。ちょっと顔を見てみたかっただけだ。オーレンブルク公爵という男の顔をな」 「それは私が詳しく報告いたしましたでしょう」 「詳しくな……実に的確な報告だったぞ。すぐに本人だと分かった」 私がニヤニヤとそう言うと、セリスはほんのり顔を赤くし、少し俯く。 セリスのように強く美しい女性をあっという間に惚れさせてしまうとはな……しかも公爵位に収まっているが王族に生まれた者が、見ず知らずの男を助けてしまうなんて聞いた事がない。 「やはり、あの男は面白いぞ、セリス」 「まさか閣下に何かなさったのですか?!」 顔を真っ青にするセリスに、事の経緯
Last Updated: 2026-09-21
Chapter: 第132話 望まぬ出会い ~ドミニクSide~ 兄上との話が思いの外早く終わったので、まだお昼前に帰る事になり、ティナがいない邸に帰ると思うと少し寂しい気持ちになる。 帰りの馬車で先ほどの会話を思い返し、溜息をついた。 どうする事がティナの幸せなのだろうか――――彼女の幸せを考えるなら、私が王族に戻るのは悪手だ。 きっと自分のせいで私が望まぬ選択をしたと自らを責めるだろうし、兄上達に迷惑をかけてしまう事にも心を痛める彼女の姿が目に浮かぶ。 ティナは自分の事よりも周りの幸せを願う人だから。 国々の争いが始まろうものなら、国を出て一人ひっそりと生きる事を選択するかもしれない。 そうなったらもちろん私も一緒に行く覚悟はあるが、それで各国が諦めてくれるとも思えず…………また始祖の白の魔女であるエスメラルダ様のように悲劇を繰り返す事になったらと思うと、決断しきれない自分もいる。 終わりの見えない試行錯誤を繰り返していると、突然馬車がガタンッと揺れ、停車した。 「何事だ?」 この街道は比較的整備されているので、このように揺れるほど荒れてはいない。 まさか野盗か何かか? するとすぐに御者が扉の外に駆けてきて、状況を説明してきた。 「申し訳ございません!街道の真ん中に人が倒れておりまして、停車いたしました」 「まさか轢いてしまったのか?!息は?」 「今診てみます……!」 「いや、いい。私もいこう」 すぐに馬車から降りて、倒れている人物に駆け寄った。 「我々の馬車が轢いたのではないのだな?」 「は、はい!まだ明るい時間なので轢かなくて済みました……遠目から何かがあるのが見え、人だと分かって急停止しましたので」 これが夜なら間違いなく気付かずに轢いてしまっていただろう。 このような道に行き
Last Updated: 2026-09-20
Chapter: 第131話 ティナのために出来る事 ~ドミニクSide~ 『カルロ様、私にとってドミニク様はかけがえのないお方ですが、そのご家族の陛下や王妃殿下、王太子殿下やシェリアン様も私の両親も皆、私にとっては大切な方々です。そして――――』 『まだお会いしたばかりですけど、あなた様も大切な家族になります。何か私にお手伝い出来るがあればおっしゃってください。きっとここにお母様がいらっしゃっても同じ事を仰ってくださるはずです』 私の頭に昨夜の嫌な予感が過ぎっていく……彼女は優し過ぎるから、自分の身を顧みずにすぐに手を差し伸べてしまうんだ。 「これは面白くなってきたではないか。お人好しもここまでいくとお主も大変だな」 「………………っ」 私の顔を見ながらニヤリと笑われてしまう。 そこへラディが飛んで来て『ドミニク殿もティナ様になんとか言ってください!』と私を二人の元へ引っ張っていった。 このままでは会話を聞いていた事がバレて…………悶々としている私の目に、テーブルの上で手を握り合う2人の姿が目に入ってきたのだった。 ~・~・~・~・~ 結局オブシダン様が、自身の力を使ってアロッサ村での真実を見せてくれる、という話でお茶会はお開きになる。 そして翌日、私はティナと別行動で王宮に行き、兄上の執務室へと向かった。 アロッサ村に向かう事と、そこでその日の真実を黒の魔女が見せてくれるという話をしておかなくてはならない。 真実が分かれば、国としても色々と動いていかなくてはならないからだ。 「そうか。シェリアンのこれからにも関わる事だ、私も行こう」 「しかし兄上……」 「父親として、国王としても見届けなくてはならない」 兄上は複雑な表情をしているものの、瞳の奥には決意がにじみ出ていた。 こ
Last Updated: 2026-09-19
Chapter: 第130話 オブシダン様の企み ~ドミニクSide~ 翌日、我が家に小さな来訪者が来ていた。 なぜかディエゴが料理を提供していて、美味しそうにもぐもぐと食べる姿は、普通の幼女にしか見えない。 「ディエゴ、いつから我が邸のホールは勝手に他人が入り込めるようになったのだ?」 「も、申し訳ございません、旦那様!変な力を使われて体が勝手に……!」 ディエゴに魔力を使って料理を作らせていたとは……私は溜息をつきながら、ティナとオブシダン様との様子を見守る事にした。 ティナは始祖の白の魔女ではないにしても、記憶があるせいもあって、2人の間には私では踏み込めない空気感というものがある。 その事自体は微笑ましくもあるのだが、時折ティナがとても遠い存在のように思えて少し不安を覚える時もあった。 オブシダン様は我々の話に耳を傾けながら、奇妙な事を言い始める。 「クリス。最初にお主に会った時に気付き、聞こうと思っておったのだが、お主の魔力、まだ封印されているのは何か術でもかけられたのか?」 私とティナは確かに結ばれ、彼女の記憶も力も全て解放されたものだとばかり思っていたのに。 そこでティナは今までの経緯を全てオブシダン様に説明し始めた。 始祖の白の魔女が殺された経緯も含めて――――話を聞いていく内にどんどんオブシダン様の表情が曇っていく。 彼女の中で始祖の白の魔女は、子供を生み、力が受け継がれた後に寿命で亡くなったと思っていたのかもしれない。 「しかし、まぁ……愚かな人間どもめ、魔女の血に不老不死の効果だと?バカげた噂を流しおって……」 ――――ゴゴゴゴゴゴゴッ―――― 突然邸が揺れ、地鳴りのような音が響き渡る。 怒りだ。 これは始祖の白の魔女が殺されてしまった事への……どちらかと言うと黒の魔女は人の欲につけ込む印象が
Last Updated: 2026-09-18
Chapter: 第129話 ※悲喜こもごも2 ~ドミニクSide~ それは悪魔のような甘美な囁き。 理性を保ち、しっかりしろという自分と、このまま快楽に身を委ねてしまえという自分がせめぎ合っているところだったのに。 「…………っ!」 彼女の誘惑にすっかり悪魔が勝ち、何もかも委ねてしまう事にしたのだった。 その日のティナはとても積極的で、私の口を塞ぎながら手で私の熱棒を可愛がる。 手の動きはたどたどしくもあるけれど、愛する人に触られていると思うと快感も何倍にも膨れ上がっていく。 彼女の細い指で私の先端をカリカリと刺激してきた時は、一瞬眩暈がするほどの快感が襲ってきた。 「ふっ、ぁあ……っ」 「ドミニク様……ココ、気持ちいい?」 「ぅあっ、……う、ん…………いぃっ……」 本当に、どこでこんな事を覚えたの? 口から何度も出そうになる言葉を飲み込み、彼女の手の動きに意識を集中させた。 柔らかい舌が首筋を舐めていき、もっとしてほしいと言わんばかりに腰が勝手に動いていく。 もう先端部分の布は湿ってきているのが目に入り、ズボンから出して自分で弄ってしまいたい気持ちに駆られていた。 しかしまだ彼女の責め苦は止まらず、今度はシャツの上から私の胸を食んだ。 「あっ、ソコ…………ッ、だめ……っぁあ!」 このままだと、ズボンの中に出してしまう……! 私の気持ちなどお構いなしに彼女の小さな唇は、胸の先端をさらにちゅうぅぅっと強く吸い上げてきた。 「あ゙、あ゙ッ、ぁあ!」 声が…&h
Last Updated: 2026-09-17
Chapter: 三十一話 奔放な幼馴染ラザロフ・バネス 「此度の演習には隣国バネージ王国の第二王子も視察に来る。くれぐれもご無礼のないようにな」 「第二王子が?」 朝の食事後にお父様から執務室に呼ばれ、驚きの情報を告げられる。 今回の軍事演習には第二騎士団と第三騎士団が行く事になっているので、私の隣りには第三騎士団隊長のラザロフ・バネス隊長が立っていた。 彼とは幼い頃から切磋琢磨してきた間柄だけれど、その甘いマスクで女性が寄ってくるからなのかどうにも女性関係が軽く、トラブルが絶えない。 今回の演習では女性騎士は少ないとは言え……毎回私が仲裁に入らなくてはならないので、今回もそのような事がなければいいのだけれど。 しかもバネージ王国の第二王子が来るというのだから醜態を晒さないようにラザロフを見張っておかなくては……! 私が決意を新たにしている横で、ラザロフがお父様に質問をし始めた。 「しかし団長、なぜ第二王子がいらっしゃるんです?今回はオーランドルフ辺境伯軍との軍事演習ではないですか。国と国との軍事演習ではないのに」 確かにそうだ。 バネージ王国からは正規の王国軍がやってはくるものの小隊で、それほど大きな規模ではない。 王国の王族が顔を出すほどのものとは思えないのだけれど……まさか——。 「バネージ王国は我が辺境伯軍を取り込みたいのですか?」 私の言葉に執務室には瞬時に緊張が走る。 お父様の横にいるバックバーグ副騎士団長も厳しい表情をしているので、私の言葉の通りなのだろう。 「我が辺境伯軍は国の大事な国境を守っている要でもある。そこと近付きたい国が多々あるのは確かだ……今回のように王族を送り込み、明確に意思表示してくる国はなかなかないがな」 お父様の言葉にゴクリと喉が鳴る。 恐らくお父様のもとへは多方面から様々な話が来ているのだろう。 お父様としても私が我が国の公爵に嫁ぎ、しっかりと国内で繋がりを持ってもらいたかったに違いない——。 それなのに私の意思を尊重してくれていたのだから、両親の気持ちにじんわりと胸が温かくなる。 他国に付け入られないように気を付けなくては。 「私としても自国以外に忠義を尽くす気はない。そういう意思も込めて軍事演習には私は同行せず、副騎士団長のバックバーグに行ってもらう……トップ同士が相まみえるとあらぬ疑いがかかるからな」 「団長の代理、しかと努め
Last Updated: 2026-07-01
Chapter: 三十話 愛の贈り物 馬車に揺られている間、フレド様は私を膝の上に乗せてずっと離さず、身の置き所がなくてどうすればいいか分からなかった。 でも当の本人はそんな事お構いなくご機嫌で、鼻歌交じりだ。 「フレド様……さすがに膝の上は恥ずかしすぎます」 「照れてるの?」 「違います! これではまるで子供扱いではありませんかっ」 「違うよ。 これは君と片時も離れたくないという意思の表れだよ」 「…………っ」 フレド様は歯の浮くような事を言われれば私が了承すると思っているに違いない。 実際に言い返せないのだから自分も大概かもしれないとげんなりする。 早くオーランドルフ城に着いてほしいと願いながら馬車に揺られること3時間ほどで辺境伯領に入り、馬車はオーランドルフ城の門前でゆっくりと停車したのだった。 「どうやら到着したようですね」 「楽しい時間はあっという間だな……早く軍事演習の日が来てほしいよ」 「フレド様……準備などをしていたらあっという間です。 当日に会えるのを楽しみにしていますので」 少しの間離れ離れになるだけで肩を落とす彼を見て、思わずクスリと笑ってしまう。 自分のことをこれほどに愛してくれる人はフレド様しかいないわね。 私の前でだけ感情をあらわにする彼……可愛い人——。 私も同じだという気持ちを込めて、フレド様の頬にキスをした。 ちゅっ。 馬車の中に乾いた音が響く。 私が自分からする事はほとんどないので、目の前の愛する人はとても驚いて目を見開いている。 「一カ月後、城でお待ちしております」 「シャーリー……そうだ、これを君に」
Last Updated: 2026-06-28
Chapter: 二十九話 ※夢から覚めても一緒に まだ大きい……ソレを見ているだけでお腹の奥が疼いて仕方ない。 「フレドさま……」 「はぁ……シャーリー、ありがとう。 すっごく気持ち良かったよ」 「よかった」 自分が気持ちよくしてあげられた事が嬉しくて、思わず顔が緩んでしまう。 もうかれこれ三日間ずっと肌を重ね、お互いを気持ちよくし合っているけれど、まだまだ彼を求める気持ちが膨らむばかりで自分でも驚いてしまう。 ドキドキしながら立ち上がると、フレド様に腰を引かれてぴったりと肌が密着する。 「あ……っ」 「そんな可愛い顔、反則だから」 「んっ」 すぐに唇が重なり、舌がねじ込まれた。 どんな顔なのか分からないけれど、愛おしむように味わうように舌を吸い上げられ、唾液までも貪られていく。 「ふぅっ……んくっ……」 下腹部には硬くなった男根が主張するようにそそり勃ち、私に押し付けている。 もう挿入れたい……ソレがほしい……手でやわやわと触れると、ビクビクと反応し、さらに硬くなった。 そんな反応すらも愛おしい。 そのまま手で彼の熱棒を蜜口にあてがうと、秘書から卑猥な水音がしてきた。 「はぁ……フレドさま……もうほしぃ……っ」 「ごめんね、待たせて。 今あげるから」 そう言った瞬間、両足を持ち上げられ、抱きかかえられる体勢のまま彼の楔が蜜口に侵入してきた。 「ひっ、あっ、それ、だめぇぇっ」 「だめじゃないでしょ。 きもちいい、でしょ?」 「あっ、あっ、
Last Updated: 2026-05-26
Chapter: 二十八話 ※三日目の朝はおねだり合戦 この別荘に来て三日目――――小鳥の鳴き声で目覚めた。 後ろから私をガッチリと抱きしめるフレド様の腕。 彼の胸板が背中に当たり、その存在に朝から胸が高鳴る。 ああ、このまま時が止まればいいのに――。 あまりにも隔絶された世界に自分とフレド様しかいないような気持ちになってくる。 もうこのまま二人だけの世界で生きようか。 そんな気持ちにさせられるから、ここは危険かもしれない。 そして朝だからか、彼の硬いモノが私の臀部に当たっていて、また知らずに下半身が疼いてきてしまう。 散々開発された体はすぐに反応してしまい、アソコが湿り気を帯びてきているのが分かって膝を擦り合わせた。 朝からなんてはしたないの……少し頭を冷やそう。 そっと彼の腕から逃れ、ベッドを降りて窓際まで移動する。 外は見渡す限り森が広がっていて、木々の合間から朝日が差し込んでいるのが美しかった。 今日は夜までに邸に帰らなくては。 一瞬寂しく感じたけれど、気持ちを振り払うように視線を下げると、後ろから愛する人の腕が私をすっぽりと包み込んだ。 「シャーリー……おはよう」 「おはようございます……起こしてしまいましたか?」 「いや、君のせいじゃないよ。 いないとすぐに目覚めてしまうから」 「フレド様……またそういう事を。 ズルいです」 「だって本当のことだから」 この人は本当にズルい。 そんな事を言われれば私が離れがたくなるのを分かっていて言っているのよね。 実際、今も胸がギュッと締め付けられ、そばにいてあげたい気持ちでいっぱいなんだもの。 それに――――。 「フレド様……」 「ん?」 「あの……お尻に&
Last Updated: 2026-05-23
Chapter: 二十七話 ※浴室で淫らに絡み合い 少し振り向いて触れるだけのキスをする。 目を見開き驚いた表情の彼……そんな表情も可愛い。 思わずクスッと笑うと、顔を引き寄せられて深い口付けとなっていくのは必然だった。 体中泡や水分でまみれ、口付けしている口内は互いの唾液が入り混じり、どこもかしこも濡れながら互いの存在が溶け合っているかのようで――――このまま一つになってしまえたらいいのに。 拙い舌使いで彼の唾液を貪る。 「んっ、んんっ……ふぁ……」 やがて彼の腰が律動を始め、私の中の気持ちいい箇所を的確に刺激し始める。 ゆっくりと味わうような動きにもどかしさが募る。 もっと強い刺激が欲しくて、襞が彼の熱に絡みついて――もっと、もっととおねだりしているかのようだった。 「シャーリー……ッ、そんなに締め付けたら、すぐにイってしまう……」 「ごめんなさ……ぃ……っ、だって……っ」 「煽った君が悪いんだからね」 フレド様は私の腰をガッチリと掴み、すぐに律動は激しさを増し、浴室内にパンッパンッと腰を打ち付ける音が響き渡る。 「ああっ、あんっ、あっ、きもち……いぃっ!」 「シャーリーッ……君の中が熱くて……もっていかれそうだっ」 「はっ、あっ、もう、イクッ……イっちゃ…………~~~っ!!」 あっという間に快感の渦に呑まれ、目の前が弾けてしまう。 同時に彼も果てたのか、中がじんわり温かくなっていった。 もうずっと気持ちいいが続いていて、どれだけ体を重ねても足
Last Updated: 2026-05-20
Chapter: 二十六話 ※あいしています カーテンを閉め切っているせいもあり、ふと目覚めたけれど、今が何時なのかが分からない。 けれど体はぐったりと疲れ切っていて、起き上がる事が出来ずにいた。 昨夜は散々彼の好きなように抱かれ、腕には縛られた跡が薄っすら残っている。 独占欲の証だと言わんばかりに。 それを見てキュンとしてしまうのだから、私もたいがいだと呆れてしまう。 隣では瞳と同じアイスブルーの長い髪がサラリと揺れ、穏やかな寝息を立てながら最愛の人が眠っていた。 フレド様も疲れているわよね……あんな激しく……激しく求められて―――― 思い出しただけで体が熱くなってしまう。 私の体はどうしてしまったのだろう。 フレド様を知る前はこんなに熱を持ち、疼く事もなかったのに。 昨夜、あれほど抱かれたのに、もう恋しくなっている。 こんなだらしなく淫らな女だと思われたくない。煩悩を振り切るように彼の腕からスルリと抜け、ベトベトした体を洗い流そうとベッドから下りた。 足音を立てずに歩いていたはずなのに、後ろから声が聞こえてくる。 「シャーリー、どこへ行くつもり?」 「フレド様!お目覚めでしたか、おはようございます。少し飲み物を飲みに……」 お風呂まで一緒に入ると言われそうで、本当の事を言えずに咄嗟に嘘を付いてしまう。 さすがに一緒に入るのは恥ずかしすぎるわ。 でもしっかりとフレド様に見透かされ、一緒に浴室へと向かう事となったのだった。 ~・~・~・~・~・~ 「君の体を洗う事が出来るなんて幸せだな」 「私は物凄く恥ずかしいです……!」 「あれほど深く愛し合ったのに、まだ恥ずかしがるの?」 「そういう問題じゃありません!恋人に体を洗われるというのは……ッ」 泡を体にぬりな
Last Updated: 2026-05-17
Chapter: 五十一話 <最終話>ここから… 旅の支度はセリーヌや邸の者が全て整えてくれたので、私自身は特に何も用意するものもなく、あとはジークが来るのを待つのみといった感じだった。 イルボーネの街は王家が管理している街なので王族が立ち寄る事も考えて美しい邸が建てられている。 今回は私とジークが婚約した事がすぐに発表されたので、新婚旅行みたいに二人で旅行に出るといった名目らしい。 この発表もとても速やかだったので、お父様と陛下がどこまで知っていたのだろうかと疑念が生まれる。 もう二人とも絶対確信犯だわ。 ジークが私を好きで、こういう流れになるだろうと想定してイルボーネの街に行けと言ったのね。 その通りになるのは少しばかり癪だけど、ジークと婚約したのは素直に嬉しかった。それを公表してくれた事も。 私はこの世界では悪女的な立場だし、彼と婚約出来るとは思っていなかったから。 ジークは光の王子と言われるほど国民のイメージもクリアで素晴らしく、そんな彼と結ばれるのはどこかの国の王女とか、国にとって有益な相手じゃなければいけないと誰もが思っている。 まさか陛下が私との婚約を許可するとは思わなかった――――私が聖なる力を持っていたからなのかもしれないけど。 この力にも感謝しながら使わなきゃね。 「お嬢様、準備完了です!」 「ありがとう、セリーヌ。あなたも来てくれるの?」 「もちろんですよ~~お嬢様の行くところ、セリーヌありです!地獄の果てまでお供いたしますっ」 「ふふっ、ありがとう」 地獄は嫌だけど、セリーヌが来てくれるのは本当に嬉しいし安心する。 そうこうしているうちにジークが到着したのでエントランスホールを出ると、門の前には王族専用の馬車が停まっていて、彼と婚約出来たのだなとヒシヒシと実感する。 婚約した2人が乗る馬車だから外装も美しいわね……ジークは人目につかずに行きたい感じだったから質素な馬車かと思っていたのだけど、陛下にダメだと言われたのかしら。 「
Last Updated: 2026-04-21
Chapter: 五十話 後夜祭の時間に花火を見ながら 「いつまで触っているつもりですか……」 「まぁそう怒るな。減るものでもあるまい」 陛下が苦笑いをしながらそう言うと、ジークが陛下の腕をつかんで私の口から陛下の手を引き離した。 今日は学園祭という事もあってジークも理事長としてではなく変装して参加している為、滅多に見る事が出来ない吸血鬼姿を披露していた。 ピエロと吸血鬼…………とうてい親子には見えない2人だけど、やり取りを見ていると親子なんだなぁと思う瞬間が度々見られて、思わずクスッと笑ってしまう。 どちらかというと陛下はダンティエス校長と性格が似ているように感じるので、兄弟のやり取りみたいに見えるわ。 「減る減らないの問題ではありません。そもそもあなたは……」 「分かった、分かった。まったくそなたといい、ダンティエスといい、その執着する気質は誰に似たのか…………」 「あなたでしょう」 「………………」 なんだか陛下が押されているような。 そんな事より執着って誰が誰に――――私?ジークが私に執着しているという事?二人のやり取りを見ながらそんな事を考えていると、途端に顔に熱が集まってきた。 本当に?だとしたら嬉し過ぎるのだけど……考えれば考えるほど顔が熱くなってくる。 「ディア?凄い顔が赤いぞっ!熱は…………ないようだな。ひとまず外に出よう」 「え、ええ……そうね」 「あなたは速やかに帰るように。きっと王宮の者たちもあなたの行方が分からなくて大騒ぎになっていると思いますよ」 「ははっ、そうだと面白いがな」 ピ
Last Updated: 2026-04-20
Chapter: 四十九話 学園祭開幕 あの騒動の後、生徒たちは門の前に全員避難されていて誰一人けが人はなかった。でも大きな揺れに怯えている生徒もいたので、ひとまず皆帰宅させる事になったのだ。 そして三日間学園がお休みになり、その間に国王陛下から隣国の山々で活火山が噴火した為に起きた地震だと民に知らされ、理由が分かると安心したのか生徒たちも休み明けからいつものように学園に通い、穏やかな日常が戻ってきた。 魔王が復活していたなんてまさか言えないわよね…………そして撃退したなんてどうやって伝えればいいのやら。 自然災害は神の怒りだとも言われがちな世界なので、きっと全ての不安は払拭しきれてはいないのでしょうけど、怯えてばかりいられないものね。 私をおびき寄せる為にカリプソ先生に操られていた生徒たちは、記憶が途切れ途切れだったものの、魔物化していた後遺症などもなく保健室で目覚めた後、元気に帰っていった。 しかし魔物化していた事で身体に何らかの影響があっては危険なので、念のため数日は健康調査が必要となったのだ。 カリプソ先生はというと、今回の騒動や私を突き落とした時など記憶がなかったわけではないので、無罪放免というわけにはいかず……公爵家を敵にまわしたという事も相まって学園を去る事が決定し、子爵家はお家取り潰しになり、国外追放が決まった。 カリプソ先生のお父様である子爵が王族派から教会側の人間になっていた事が露見したのも大きく、陛下の信頼を一気に失墜してしまった為、恩赦する事もできず…………後味の悪い終わりになってしまったわ。 カリプソ先生は学園が休みの間に跡形もなくいなくなり、その後どうなったかは分からない。 そんな中、学園の生徒たちは元気に学園祭の準備を進めていて、あっという間に一カ月の月日は過ぎていった。 私の身辺はというとそれほど慌ただしくなることもなく……逆に恐いくらいだわ。 私の魔法が知れ渡れば色々と動きが出てくるのではと思って
Last Updated: 2026-04-19
Chapter: 四十八話 陛下の思惑 ~シグムントSide~ 魔王を撃退した翌日―――― 父である国王陛下が待つ執務室へと向かいながら、昨日の出来事について考えていた。 彼女が放った聖魔法は確かに魔王を撃退したはずだ……これから魔物が消えていき、この世界も平和になっていくだろう。 私はと言うと、倒れ込む彼女を労うので精一杯だった事を思い出し、魔王の足元にも及ばない自分自身に対して情けない気持ちでいっぱいになる。 もっと自分を鍛え直さなくてはな。 彼女の隣りに立つに相応しい人間になる為にも―――― 魔王と戦っていて学園の方は先生たちにまかせっきりになってしまったが、あれほどまでの衝撃が学園を襲い、生徒たちの中にも怯えている者も多数いたので、3日間は学園を休園する事になった。 民にも何かしらの知らせを発布せねば収まらないだろう。 しかし魔王が降臨したなどと知らせをすれば、たちまち混乱をまねく事は目に見えているので、対応については慎重に進めなければならない。 そんな事を考えていると、いつの間にか国王陛下の執務室の前に着いていたので、衛兵に目配せをして扉をノックする。 ――――コンコン―――― 「陛下、シグムントが参りました」 「入りなさい」 「失礼いたします」と声をかけながら扉を開き、中に入るとやはりロヴェーヌ公爵もその場にいて、二人ともお待ちかねといった感じだった。 「よく来たな、昨日の事はすでに我々の耳に入っている。そなたもその話をしにきたのだろう?」 「はい……父上は我々が何と対峙したのかもご存じで?」 「………………」 父上は無言だったが私の顔を見据えていたので、それだけで全て分かっているのだなと察しがついた。恐らく父上のこの表情の意味はそれだけではないはず。 「…
Last Updated: 2026-04-18
Chapter: 四十七話 ミシェルの素顔 ~ダンティエスSide4~ 階段を上りかけていたミシェルは手すりにしがみついて必死に耐えていたので駆けつけて支えてあげた。 これほどまでに大きな力とは……何が起こっているんだ? 「校長!このように大きな力……先ほど森に入っていったクラウディア先生に何かあったのでは?!すぐ近くで感じます……!」 「ああ、クラウディア先生と違う力を感じる……兄上に知らせなければ!」 私がそう言って今度こそ理事長室に行こうとすると、生徒たちの悲鳴がどんどん増していく。 私たちでも混乱するのだから生徒たちがパニックになるのも無理はない。学園は安全だと皆思っているし、この地で何事かが起こるとは誰も思っていなかっただろうから―――― 「その前に生徒たちを避難させなければならないな」 「あ、理事長!」 ミシェルの言葉に階段の上を見上げると兄上が急いで下りてきているところで、私たちは協力して生徒たちを避難させる事にしたのだった。 でも兄上の顔を見ていると今すぐにでも駆けつけたいだろうに、真面目で頑固な兄上は必死にその気持ちを押し殺しているのが手に取るように分かる。 物凄く苦しい顔をしているにも関わらず必死に生徒を誘導する姿を見ていられなくなって「兄上は行かなければならないところがあるでしょ」と声をかけた。 「しかし私は王太子でありこの学園の理事長でもあるのだ。生徒を放って駆けつけるなど……」 兄上らしい堅物な考えを披露してきて若干イラっとしたので、ほんの少し挑発してみる。 「そんな事を言ってる場合?!何かあれば……」 「何かあれば、だと?」 この時、自分の言葉を人生で一番後悔したかもしれない。兄上からとてつもない力溢れ出し、魔力が暴走しそうになってしまったのだ。 クラウディア先生に何かあればって想像しただけでこんな状態なのに、どうしてこの人は………………すると我々のやり取りを見ていたミシェルが、突然水魔法で兄上の人形のようなものを作り出した。 「ミシェル、君って…………凄く器用なんだね」 「校長、お褒めにあずかり光栄です。どうです?理事長は2人も要りませんので、あなたは用済みですからとっとと森に行った方がいいかと」 「ミシェル!兄上になんて言葉をっ」 とっても素直な物言いはミシェルの良いところだとは思うけど、不敬が過ぎると心配になっ
Last Updated: 2026-03-26
Chapter: 四十六話 敗者の美学 ~ダンティエスSide 3~ 王宮で父上やロヴェーヌ公爵、兄上と話をした後から―――――― おかしな噂を耳にする事が多く、俺はとても戸惑っていた。 というのも兄上がカリプソ先生と良い仲になっていて、生徒に見られるような場所でキスをしていたというものだ。 自慢ではないが、兄上の事は嫌というほどよく分かっているつもりだし、だからこそ絶対に人目につくところでそんな事をするような人間ではないので、どうしてそのような噂が広まっているのか不思議で仕方なかった。 しかし、よく分かっていると思っていたのに、俺の目にカリプソ先生と仲良く話している兄上の姿が目に入ってくる。 なぜだ?カリプソ先生と兄上は何のつながりもないはず……兄上はカリプソ先生のように噂好きでねっとりとした女性は苦手だったはずだ。 絶対に相手にしないタイプなのに近頃は見かける度に本当に一緒にいる。そして距離も近い―――― こんなところをクラウディア先生が見たらどう思うか……そして案の定、2人を見ているクラウディア先生はとても辛そうだった。 好きな女性にこんな表情をさせるなんて、本当に兄上らしくない。 クラウディア先生の辛そうな顔を見ていたれなくなり、学園の裏側にあるいつもの庭園へと誘った。そこなら兄上たちを見ないで済むだろうし、気分転換にもなる。 庭園の花達に囲まれているクラウディア先生は女神のようで………… 「学園祭が終わるまででいいんだ、俺にもチャンスをくれない?クラウディア先生の心に入り込むチャンスがほしいんだ」 思わず本音がもれてしまい、少し頑張らせてほしいとお願いした。 優しい彼女は俺の願いを聞き届けてくれて、その場で返事はしないという選択をしてくれる。 結果は分かっていても、この件に関しては俺の気持ちを尊重してくれた事がとても嬉しかったし救われる気持ちだった。 でも課外授業へ一緒に行った時に聖なる力を使うクラウディア先生を見て、何故だかとても遠い存在に思えた――――俺とクラウディア先生が肩を並べて歩いているところが想像できない。 課外授業から戻ってきて、どう見ても想い合っている二人を目の当たりにして、やっと自覚する事が出来た。この気持ちは恋ではなく憧れだったのだと。 幼い頃、声をかける事も出来ずに物陰から兄上と遊ぶクラウディア先生を見ていた時から、2人と肩を並べたい、俺の事も受け入
Last Updated: 2025-12-07