Ace of Spades

Ace of Spades

last updateTerakhir Diperbarui : 2024-01-12
Oleh:  Kay SpencerOngoing
Bahasa: English
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Ace runs a criminal organization with his siblings, trained to be unfeeling until he meets Tess. She disappears without a trace, only to come back years later with a daughter he never knew existed. With threats left at Tess's door about her daughter, she has no choice but to return to the Deck Fortress and beg Ace for help. Will the past be too much for them to overcome? Can they eliminate the threat that lingers over them?

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Bab 1

Running Home

「膣を広げる手術は、受けられますか。

夫のものが、その……大きくて。少し、つらいんです」

目の前にいる患者は、愛らしい顔立ちをしていた。

私、香取星乃(かとり ほしの)は少し面食らった。

手術を希望して診察に来る患者は少なくない。けれど、その多くは膣縮小術か、処女膜再生手術を望んでいる。

自分から膣拡張術を受けたいと言い出す患者は、めったにいない。

問診を終え、私は彼女を診察した。

狭窄気味ではある。けれど、手術を勧めるほどではなかった。

一度考え直してみてはどうかと伝えると、彼女は首を横に振った。

「夫のものが……本当に大きいんです。それに、私を傷つけるのが怖いみたいで、いつもすごく我慢してくれていて。

そんなふうに苦しんでいるところを、見ていたくないんです。先生、できるだけ早く手術をお願いできませんか」

その言葉を聞いた瞬間、私は反射的に御堂蓮司(みどう れんじ)のことを思い出した。

彼も、その点では驚くほどで、何度か私を傷つけたことがある。

頬が熱くなる。

私は慌てて余計な考えを振り払い、彼女の手術日を調整することにした。

そのとき、不意に診察室のドアが開いた。

ひとりの男が、大股で入ってくる。

声をかけようとした瞬間、彼女がその胸に飛び込んだ。

「あなた!」

抱き合う二人を目の前にして、私の身体から少しずつ血の気が引いていく。

彼女が口にしていた「あなた」は、私と結婚して二年になる夫でもあった。

蓮司は夏目萌々(なつめ もも)を見つめ、きつく眉を寄せた。

「秘書が偶然、病院で君を見かけなかったら、俺に黙って手術を受けるつもりだったのか?

言っただろう。俺のことなんかどうでもいい。俺のために、自分の体を傷つけるな」

萌々は拗ねたような声を出した。

「でも、あなたが毎回あんなにつらそうに我慢しているのを見ると、胸が痛いの」

蓮司はそっと萌々の頬に触れた。その声は、信じられないほど優しかった。

「ばかだな。萌々がそばにいてくれるだけで、俺はもう十分だ。

そんな欲なんて、君に比べれば何の意味もない。一生我慢したっていい」

萌々は感極まって涙をこぼした。

二人は、周囲など目に入っていない様子で愛を確かめ合っていた。

蓮司の目には萌々しか映っていない。私がそこにいることにさえ、気づいていなかった。

私はその場に立ち尽くしていた。まるで、場違いな第三者みたいに。

つい昨夜まで、彼は私に身を寄せ、耳元で甘く囁いていた。

体を重ね、何度も激しく私を求めた。

それなのに今、彼は別の女のためなら、一生我慢したっていいと言っている。

「行こう。家に帰るぞ」

蓮司は萌々の手を引いて出ていこうとした。

けれど、萌々はその場に立ち止まった。

「あなた。私、やっぱり手術を受けたいの」

彼女は少し恥ずかしそうに口を開いた。

「あなたに気持ちよくなってほしいし……それに、私、あなたとの赤ちゃんも欲しい」

蓮司はきっぱりと拒んだ。

「それでも、君の体を傷つけるわけにはいかない」

二人が押し問答をしているうちに、机の上のペンが何かの拍子に床へ落ちた。

蓮司がこちらを振り返る。

青ざめた私と目が合った瞬間、彼の瞳が大きく揺れた。

けれど数秒後には、もういつもの表情に戻っていた。

「いい子だから、もう帰ろう」

蓮司は萌々を連れて出ていった。

私は椅子に崩れ落ち、全身がこわばったまま動けなかった。

胸の奥に綿を詰め込まれたみたいに、息苦しくて痛い。

蓮司が浮気をするなんて、考えたこともなかった。

けれど現実は、何の前触れもなく、こうして目の前に突きつけられた。

私は顔を覆った。涙が勝手にあふれ出して、止まらない。

そのとき、不意にドアがノックされた。

外の看護師が、診察の再開を促している。

私は慌てて涙を拭い、すべての感情を押し殺して診察を続けた。

ようやく交代の時間まで耐え抜き、感覚のない体を引きずるようにして家へ帰った。

部屋の中は真っ暗だった。

明かりをつけようとした瞬間、背後から温かな体が密着してきた。

鼻先をかすめたのは、よく知った匂いだった。

蓮司だった。

彼は私に反応する隙も与えず、私をソファに押し倒した。

自分の浮気を私に見られたあとだというのに、彼は一言の説明もしない。

ただ、欲をぶつけようとしている。

私は必死にもがいた。

「触らないで!」

蓮司は簡単に私の両手を押さえ込んだ。

「嫌なのか?」

私は信じられない思いで彼を見た。

声まで震えていた。

「蓮司、私に説明することがあるんじゃないの?」

どうしてこんなに冷静でいられるのだろう。まるで、何も起きていないみたいに。

蓮司は眉をひそめて私を見た。声はやけに落ち着いていた。

「萌々のことなら、お前には関係ない。今までどおりでいい」

自分の耳を疑った。

「な、何を言ってるの?」

「萌々の体じゃ、俺は満たされない。それに、妊娠にも向かない体質だ。お前は何も知らなかった。そういうことにしておけ。俺たちは今までどおりでいい」

そう言って、彼はスマホを取り出した。

次の瞬間、私のスマホに一億円の送金通知が届いた。

「仕事を辞めろ」

私は口を開いたまま、声を出すことさえできなかった。

そのとき、彼のスマホが突然鳴った。

蓮司は私の上から身を起こし、声色を一瞬で柔らかくした。

「ああ、すぐ行く」

電話を切るなり、彼は大股で出ていった。

私はその場に呆然と座り込んだまま、胸の奥がじわじわと冷えていくのを感じていた。

電話の向こうにいたのが萌々だということは、わかっていた。

涙は尽きることなく流れ続けた。

私はスマホを手に取り、ある番号へ電話をかけた。

「離婚協議書の作成をお願いしたいんです」

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