My Boss, My Saviour, My Lover

My Boss, My Saviour, My Lover

last updateLast Updated : 2026-02-09
By:  Cadi ValeOngoing
Language: English
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Freshly 21 and free from her father’s clutches, Rae Buxton lands her first big girl job as a CEO’s assistant. But on her very first day she runs into a problem…she’s already fallen into bed with her new boss! Caleb Wolfe is hot, moody, and a perpetual bachelor. Accidentally sleeping with his newly hired PA wasn’t in his grand plan…and neither was this budding obsession with her.

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Chapter 1

1

汚れた部屋。手足を縛られ身動きの取れない私の目の前には一人の女と男が立っている。男は深くフードを被っており顔は確認できないが手には真っ黒なチャカが握られている。

私の服は自身の血で汚れ、頭から流れる血で視界はどんどん悪くなる。

冷え切った身体と鼻孔を刺激する血の匂いが死へのカウントダウンが刻一刻と迫っているのを実感させる。

「はぁ、はぁ……貴方達私が誰か分かっているの!?」

散々殴られ、蹴られた私は残り少ない体力を使い二人に吠えた。

私の問いに二人は不敵に笑った。

「痛ッ!?」

「貴方が誰かって? |桔梗《ききょう》組若頭、|皐月慎吾《さつきしんご》の妻……皐月|七瀬《ななせ》でしょう?」

女は私の髪を鷲掴みにして至近距離でそう答えた。

女の顔に見覚えは無い。一体この女は誰なの……。

「なら私をこんな風にしたら桔梗組が黙ってるはずがないって分かるでしょ!」

桔梗組は極道三大組織の一つ。

その中でも桔梗組は東京の殆どをシマとしている最大の極道組織。

「……もしかして|南雲《なぐも》組!?」

南雲組は桔梗組と同じ極道三大組織の一つ。

そして桔梗組とは東京の土地や利権等で長年敵対している組織。

私を拉致して何かの交渉材料にでもするつもりなのかしら。でも殺したら交渉材料にならない……何が狙いなの。

「ふふ、確かにここは南雲組のシマの建物……でもね、私は南雲組の人間でも雇われた身でもないわ」

「じゃ、じゃあ貴方は誰なの……」

「どうせ死ぬのに知る必要なんてあるのかしら」

そう言って女は男からチャカと光り物を受け取り私の目の前でゆっくりと抜いた。

そして私の首にドスを当て「特別に選ばせてあげる、ドスかチャカどっちで逝きたい?」と聞いてきた。

首からはわずかに血が滴り落ち間近に迫る死に呼吸が早くなるのが分かる。

「い、今なら命だけは見逃してあげる……私を殺せば慎吾さんが黙ってないわ。桔梗組を敵に回すのがどういう意味なのか分かってないわけじゃないでしょ! 桔梗組を敵にする覚悟が貴方達にあるの?」

私を殺せばこの女もそこに居る男も死ぬ。それもただ死ぬだけじゃない。死にたくても中々死ねない程の拷問を受けながら殺される。

桔梗組と南雲組だけは敵に回すな。この言葉は古くから長年言われている言葉。

構成員の数も武闘派の質も他の組とは一つ……いや二つは群を抜けている。

南雲組でもないとしたらもう一つの|天鬼《あまき》組? いや、そんなはずはない。天鬼組とは今は友好関係を築いている。私をこんな風にしても天鬼組にはメリットが微塵も無い。

じゃあ一体どの組織が……。

「慎吾さんが黙ってない……ね~」

女は私の首からドスを離し不敵に見下ろしてくる。

そして私のスマホを目の前に差し出してきた。

「慎吾さんが助けてくれるなら電話で助けを求めたら?」

続けて女はここの住所を教えてきた。

両手を縛られている私は身体を捻りながらスマホの通話ボタンを押す。

「……な、なんで…………」

目を見開きながら震えた声を発する私を見て女は高らかに笑う。

「嘘でしょ……なんで、なんであんたのスマホが鳴っているのよ!」

フードを被った男からスマホの鳴る音が聞こえる。

たまたま……そう、たまたま同じタイミングで誰かがあの男に電話を掛けただけ。

「偶然だと思うなら通話を切ってみたらどう?」

そうだ、今通話を切っても音が鳴りやまなければただの偶然。

でも――

「なんで……」

音は鳴りやんだ。

「嘘よ! 誰か別の人がタイミングを見計らって電話を鳴らしているに決まってるわ!」

「信じられないのも無理はないわ。でもこれが現実。ほら、大人しく死んでいれば辛い現実を知ることなくあの世に逝けたのに」

血と涙が混じった液体が私の口に入り込んでくる。

そんな私に男がゆっくりと近づいてくる。

「やめて、来ないで!」

男は私の目の前に座り込むと、ゆっくりとフードを上げた。

男の顔を見た私は胸が抉られ、鷲掴みにされている感覚に襲われる。次第に呼吸が困難になりその場で倒れこんだ。

女は慎吾さんにくっ付き「私達の関係に貴方は邪魔なの。だから消えて」と言い私に銃口を向ける。

「そう言う事だ。お前には悪いが最後まで利用させてもらう」

「利用……」

「ここは南雲組のシマの建物。そこで俺の妻……いや。元妻であるお前の死体が見つかったらどうなると思う」

その言葉で全てが理解できた。

「私の死を南雲組になすりつけて大義名分を桔梗組に持たせるってわけ」

「南雲組は長年目障りな存在なんだ。今時任侠だけでやっていける訳がないのにな。でも他の組の目もある。大義名分がなければ動くにも動けない。だから俺達の大義名分になってくれ」

「いくらここが南雲組のシマだからって南雲組が私を殺した証拠なんて無いじゃない!」

「そんな物は必要ない。必要なのは南雲組のシマでお前が死体で見つかる事。そして目撃者が一人もいない事だ。俺達がお前を殺した証拠さえなければそれで良いんだよ」

慎吾は私に銃口を向け「ドスに比べたらチャカは少ない痛みで逝ける。弾が貫通すればだが」と言った。

「ああ、冥土の土産にお前の知らない桔梗組の本当の顔を教えてやる。何故俺達が南雲組の土地を奪いたがっていると思う?」

「そ……そんなの知らない……何も話さなかったじゃない!」

「知る必要は無かったからな。俺達裏稼業は政治とも大きな関係がある。そうすると自然と情報が来るんだよ、数百億が動く再開発の話が」

「そ、そんな事で私を……」

「それだけじゃないがな。後は来世に期待しろ」

そしてゆっくりと引き金を引いた。

乾いた銃声と共に私の胸にコツンと軽く叩かれたような感覚を覚えた。

視線を下に向けると私の胸から血が噴き出しているのが分かった。

ああ、私死ぬんだ。

一瞬にして私の周りは血だまりができて胸が焼けるような痛みに襲われた。

意識がどんどんと遠ざかっていく。

私が最期に見た光景は、私に銃口を向ける最愛の人だった。

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