The creature inside me

The creature inside me

last updateLast Updated : 2022-08-20
By:  LivCompleted
Language: English
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A story about a boy who lives in a human orphanage and doesn't know about his different nature. He can smell, hear as see things with supernatural abilities. He is 20 years old and is dying of an unidentified disease. No doctor seems to find the cause or origin of the disease and no medicine seems to work on the boy. He accepts his fate and waits for the death to knock at his door. But when the son of one of the most honorable and wealthy donor of the orphanage comes for exception that's when his life starts to take a turn. He seems to know about the boy, more than the boy knows himself. A journey of a boy trying to find the creature he thinks lives inside him and understanding that creature....

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Chapter 1

Prologue

「先輩、私、あなたと一緒に海外へ研修に行くことに決めた」

電話の向こうで、今井佑樹(いまい ゆうき)は小森伊織(こもり いおり)がようやく下した決断を聞き、抑えきれない興奮を覚えた。ただ、少し冷静になって、彼は躊躇いながら口を開いた。

「伊織、本当に考えたのか?今回、行ったら三年から五年、いやもっと長く滞在するかもしれないんだぞ。君には家庭がある。ご主人は……同意してくれるのか?」

伊織はわずかに言葉に詰まり、唇の端を自嘲気味に歪めた。

川井彰紀(かわい あきのり)か……

彼が自分がすぐに海外に行き、完全に縁を切ろうとしていることを知ったら、きっと心底、喜ぶだろうな。

伊織は心に湧き上がる苦い思いを必死に押し殺し、言った。

「大丈夫だ、先輩。これは私自身のこと。彼とは関係ない」

その口調は冷たく、電話で話題にのぼった「彼」とはまるで無関係であるかのようだった。

かつて、二人の関係はこんな風ではなかったのに。

伊織は電話を切り、ぼんやりと寝室の壁にかかった結婚写真を見つめた。

彰紀が彼女の腰を抱き、普段は冷たい印象の整った顔にも、ほのかな笑みが浮かんでいた。

結婚式の日、彼は言った。

「結婚は一生のことだ。伊織、二人でちゃんとやっていこう」

伊織と彰紀は幼なじみだった。彼女はごく小さい頃から、このクールで無口な隣家の兄を好きで、あらゆる手を尽くして想いを伝えようとした。

しかし、彰紀の心は動かなかった。伊織がまさに諦めかけていたその時、彼は突然、結婚を申し込んだのだった。

伊織は嬉しさのあまり涙を流した。長い苦労の末に、ついに報われたのだと思ったのだ。

結婚後、彼は彼女に優しかった。以前のような冷たさはなく、むしろ甘やかし、寛大な態度が増えていた。

あの頃を思い出す。伊織がとてつもなく高価なダイヤモンドのネックレスを欲しがった時、家族は皆、買うことを許さなかった。彰紀がそれを知ると、何も言わず、数日後にはそのネックレスを枕元に置いてくれたのだった。

「俺の妻が欲しいと言うものなら、何だって手に入るさ」

その夜、彼女は感動のあまり涙があふれ、男の唇を激しく奪うようにキスした。彼は拒まず、むしろそのキスを深めた。

伊織は、二人がこのまま幸せな時間を続けていけるのだと、本気で信じていた。

それが、三ヶ月前に、彰紀の初恋の人、沢田涼子(さわだ りょうこ)が突然帰国し、離婚届けを携えて現れるまでは。

伊織はその時、初めて理解した。なぜ彰紀が突然、自分に結婚を申し込んだのかを。それはついに彼女の一途な思いに打たれたからではなかった。

ただ……彼が愛したあの女性が結婚したからに過ぎなかったのだ。

そうした思いが頭をよぎり、伊織の涙がぽろぽろとこぼれ落ちた。胸が締め付けられるように痛む。寝室のドアがいつ開いたのか、彼女は全く気づいていなかった。

涙でぼやけた視界の中で、伊織ははっとした。ふと見ると、そこには眉をひそめ、明らかに苛立っている夫の姿があった。

「また、何を泣いているんだ?」

「言っただろう?涼子は離婚したばかりで、状態がとても悪いんだ。彼女のそばに誰かいてやる必要がある。お前はいつもこの件で、理不尽なわがままを言わないでくれないか?」

彰紀は疲れたように眉間を押さえ、伊織を慰めようと近づく気配すら見せなかった。

彼は振り返り、スーツケースに何枚かの服を詰めると、ファスナーを閉め、また出て行こうとした。

どこへ行くのか、いつ戻るのか——伊織に一言も告げることはなかった。

わざわざ聞くまでもなかった。涼子が帰国し、軽いうつ病と診断されて以来、彰紀はほとんど毎日、彼女のそばにいた。

今回帰宅したのも、おそらく着替えを取るためだけだったのだ。

伊織は初めて、これまでのように走り寄って彼の腰を抱き、「行かないで、自分の夫が他の女性のそばにいるのが嫌なの」と泣きながら懇願しなかった。

彼女はただ、その場に立ち尽くし、男の背中が遠ざかっていくのを見つめていた。

もう、この結婚も、ここで終わりを迎えるのだと、彼女は悟ったのだった。

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