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20. 犠牲

Penulis: Mr.Z
last update Terakhir Diperbarui: 2025-04-10 18:00:07

 耳鳴りがするほどの轟音が響き、その溜まった一撃が俺に放たれた事から始まった。

「ちッ⋯⋯! アイツは一旦俺がやるッ! 二人はあっちをッ!!」

 ズノウで張っていた≪虹女神の七断層≫のうち、二層が破裂し、身体に戦慄が走る。背中を伝う死だけが、ただ俺を突き動かした。

 間髪をいれず、また轟音が鳴り響き、ヤツの銃に禍々しいモノが溜まっていく。次は一気に周囲の空気が熱くなり、強烈な熱線のようなのが来る気配があった。

 この少しの猶予を見逃さなかった俺は、即座に脳内でズノウを一つ選ぶと、俺の身体は勝手に動き始めた。長く伸びた形状に変形した銃剣は、まるで大砲のようになり、両手で持つ必要がでてきた。

 大きく丸み帯びた銃口。そこにいろんな色の光が瞬時に溜まると、ヤツに向かって一気に放たれた。≪壊滅虹一波(アークデストラクション・ワン)≫は下から二番目にあったため、相当威力は高いはず。

 これが一発でヤツを貫通し、タキシード風の黒い悪魔の方の腕を吹き飛ばした。一丁の巨大銃とともに、一瞬で霧のように消えていく。俺はその威力を見て、アオさんの言葉がフラッシュバックした。

『それは本来、この"UnRuleの一番最後の敵"に装備されるはずだったもの。君が選ばれたのは偶然なんかじゃない。UnRule配布アンドロイド内に、眼を検知するようにしていたからね。勝手で悪いけど、僕たちは全て賭けてるんだ、なぁユエ』

 これならやれる、こんなヤツで終われる訳がない。アイツは銃撃戦を不利と感じたのか、途端に巨大剣へと切り替えてきた。この時、ヤツは大きな空振りをした。これが"違和感のある空振り"だとは思った。今の攻撃はなんだったんだ?

 俺の身体に何も無い。というか、もしかして俺に対してじゃなかった⋯⋯? 刹那、後ろを向く。ヤツの視線上にいるのは、俺とアオさんのはずだ。

「アオさんッ! 大丈夫で」

 自分が何を見ているのか分からなかった。誰かがバラバラにされており、体の破片が幾つも飛び散っていた。鮮血に染まっていく東京駅。俺は誰を見ている?

 見てはいけないものを見ているのだけは感じた、第六感がそう発する。あの"散らばった破片の正体"。転がった頭がこっちを向いた瞬間、それは判明した。

「⋯⋯アオ⋯⋯さん⋯⋯?」

「⋯⋯さ⋯⋯き⋯⋯へ」

 そんな訳がない。さっきまで話していたんだ。ギリギリまで後ろにも下
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