綿は洗った果物を持ってリビングへ運び、にっこりと微笑みながら挨拶した。「おじさんおばさん、おじいちゃんおばあちゃん、こんにちは!」皆が綿を眺めながら言った。「おお、綿ちゃんか。久しぶりにおじいさんの家で会ったね!」「そうですね、私も何年かぶりに家っです。おじいちゃんおばあちゃん、昔と変わらず若々しいですね」綿はにっこり笑い、甘い口調でみんなを喜ばせた。皆はハハハと笑った。千恵子は綿を見つめ、心から嬉しそうだった。「こっちに座りなさい」千恵子が手招きした。綿は素直に頷き、千恵子の隣に座った。そのとき、隣に座っていたおばあさんが言った。「綿ちゃん、あんた昔はよくうちの武志と遊んでたね。今でも連絡取ってる?」綿はすぐに首を振った。「もうずいぶん前に連絡しなくなりました」「そうなの……」おばあさんは少し残念そうだった。綿は容姿も性格も申し分なく、家柄も申し分なかった。綿を気にかける家は数えきれないほどあった。それなのに、彼女の恋愛はいつもどこか危なっかしかった。「皆さん、どうぞご自由にお話を」綿はにっこりと笑い、場を和ませた。すぐにまた皆の会話が盛り上がり始めた。千恵子は手が空いた隙に、綿に小声で話しかけた。「年明けから、研究所の事業、動き出すんでしょ?」綿は頷きながら、研究所のグループチャットをチェックしていた。みんなSH2Nに対してどんどん自信を持つようになっていた。その熱気に、綿も嬉しくなった。彼女は思い切って、グループに十数個のお年玉をばら撒いた。グループチャットは一気にお祭り騒ぎになり、「これこそが本当の祝日だ!」と皆が歓声を上げた。その盛り上がりに引き寄せられるように、徹も現れ、いくつかお年玉を配った。みんな「ボスたち、最高!」と感謝のメッセージを送った。綿はふとあることを思い出し、頬杖をついて、何気なくスクリーンショットを撮った。そして、それを輝明に送った。綿「この投資家さん、新年よ?お年玉、配らないの?」すぐに、輝明から40万円の送金が届いた。40万円は彼にとっての限界額ではなく、単なる一回の送金制限だった。さらに、彼は四回も追加送金した。輝明「足りる?」綿はしばし沈黙した。くそ、金を紙屑みたいに扱いやがって、腹立つ。一気に160万円。気が狂い
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