Semua Bab 寄るな、触れるな、隣のファンタジア~変人上等!? 巻き込み婚~: Bab 71 - Bab 80

90 Bab

●一回目の初夜よりもえげつないぞ?

「どうする、大智? これで終わる気か?」あっ、ズルい。終わる気がまったくないクセに、俺に決めさせようとしてくる。言わせんな、恥ずかしいだろ……って羞恥で悶える俺を見たいんだろ。分かってんだからな。どうせ終わらせようとしたら、奥を揺すってグズグズにして、やめないでって強請らせるに決まってる。多分、どっちの世界でもコイツのことを一番よく分かっているのは俺だ。……分からせられたっていうのが正しいけれど。分かってるからこそ、ケイロの意表を突きたくなる。俺はニッと歯を見せて笑うと、ケイロの胸にそっと手を当てた。「……ああ、やっぱり。心臓バクバク鳴ってるな……そんなに俺のこと好きか?」羞恥のボールをケイロに投げ返してやる。いつもと違う俺の反応に、ケイロの目が一瞬だけ丸くなり、眼差しがさらに熱くなった。「そうだな。愛してる」「躊躇なしでサラッと言いやがって……じゃあ左手、ちょっとこっちに寄越せよ」俺に促されて、ケイロが左手を俺の顔近くに差し出す。その手を取ると、俺はケイロの薬指で輝く婚華の指輪に口づけた。「ケイロ、俺も愛してる……から、終わるなよ。離さずにもっと――あぁ……ッ」人の話を最後まで聞かずに、ケイロが俺の最奥を貫く。今まで我慢していたものを一気に吐き出すかのように、ケイロの動きが激しい。挿れただけで大きくイくほど快楽ザコと化した体は、しきりに絶頂を繰り返して歓喜に乱れる。中がギュウギュウと締め付けるのも構わず、ケイロは俺を穿ち続けて――深々と貫きながら熱を注ぐ。挿入だけでは届かない所まで満たされた気がした途端、俺は腕と脚の両方でケイロにしがみついていた。「んんんンン――……ッッ! ……ぁ…&h
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-13
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俺は何も分かっていなかった

   ◇ ◇ ◇ 改めてケイロと結婚してしまった俺は、今まで慣れ親しんだ世界を離れて新世界へ――行くと思ってたけど、引き続きこっちで学生生活を送ることになった。 理由は色々あるみたいだが、一番の理由は百彩の輝石を回復させるために、まだしばらくこっちで力を充填する必要があるから。 輝石は今、マイラットが舞野先生として勤務する司書室で、有名な野球選手のサインボールの中で休んでいる。 そしてケイロたちはマイラットを見張るため、引き続き校内関係者として過ごし続けることになった。 てっきり多忙な日々が始まると思っていたのに、蓋を開ければ今までの日常が続くだけ。 肩透かしを食らった気分だったが、最後まで高校生活は楽しめるらしいので、それは素直に嬉しかった。 ただ、ひとつだけ変わったことがある。 授業中に精霊を使役してマイラットの捜索をしなくても良くなったケイロは、よく寝るようになった。 アシュナムさんの授業の時は露骨に寝る。他の先生の時でも、教科書を見るフリをして寝ている。さすがに心配になって、休み時間の時に尋ねてみた。「大丈夫か百谷? 寝る暇がないほど忙しいのか?」 俺の声掛けに、ケイロはニヤリと笑いながら耳打ちして教えてくれた。「夜まで力を温存させているだけだ。明日は休み……今夜は楽しみにしていろ」 目的はそれかぁぁっ! あと、学校で近づくな……体が火照るからぁ……。 心配して損した。ケイロが俺と再婚できて嬉しいのは分かったけど、もういい加減に落ち着いて欲しい。あと、俺の体がいつまで経ってもケイロに近づかれると反応して辛い。いつか教室でボロを出して、みんなから変人認定されそうで怖った。 俺たちのやり取りをおかしく思うヤツはいなかったと思う。 ただ、事情を知る悠だけは、大変だなあ……という同情の眼差しを送っていた。 昼休みが終わって、午後の授業が始まる。 隣の席で開始早々ケイロが欠伸をして、目
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-14
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今日は地獄の三者面談

◇◇◇前から薄々気づいていたし、担任からも事前通告されていたから、ちょっとは覚悟できていた。でも当日を迎えて、教室の前の廊下に並んだ椅子に母さんと座って待つ間。バックン、バックン。今まで生きてきた中で味わったことのない、心臓の重い鼓動が胸に響いていた。じんわりと手の平に嫌な汗が滲む。口の中が乾いて、唇も喉も貼り付いた感覚がして不快だ。今すぐここから逃げ出したい。だけど、そんなことをすれば事態は悪化するしかない。この世界の人間には見えない金色の指輪が、俺の左薬指でキラリと光る。逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ……って、子供の頃に見たアニメの主人公みたいに自分に言い聞かせて、担任に呼ばれるのを待つ。……そういえば、あのアニメも強制巻き込まれ理不尽展開だったよなー。前に見た時は、主人公なら逃げるなよって無責任に思ってた。でも今はあの主人公の気持ちが痛いほどよく分かる。逃げたいよな。自分が望んでこうなったんじゃないし。まあ最終的にはあの主人公も俺も、理不尽に巻き込まれた道を突き進む選択をしたんだけどな。ガラリ、と先に入っていたクラスメートと保護者が出てくる。教室から「坂宮さん、どうぞ」という担任の低い声が飛んでくる。「さあ行くわよ、大智」立ち上がった母さんに遅れて、「う、うん」と俺も立ち上がり、一緒に教室へと入っていく。さあ、今日は地獄の三者面談だ。担任と向き合って俺と母さんが座ると、いつもは快活に上がった担任の眉が、気難しげに眉間に寄った。「坂宮さん……大智君ですが、三年の中間テストから調子が悪く、期末はさらに赤点が増えてしまい――このままでは希望の大学に進学は難しいかと――」「そうですよね……食事以外は部屋に籠もって勉強していたみたいですし、前までリビングでやっていたゲームすら最近は手をつけてなくて――」…&hellip
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-15
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母さんは平凡?

◇◇◇三者面談を終えて、俺はぐったりしながら母さんと家路につく。ああ……魂が口から半分くらい出てる気がする。精霊じゃないから魂なんて見えないけど。でもなんか体がそんな気になってる。取り敢えず赤点補習を受けて、二学期から挽回すればいいって話には落ち着いた。でも根本の問題にはまったく関係ないんだよなあ。極端なことを言ってしまえば、補習なんか無視して、二学期も赤点祭りで、高校退学になったって俺の将来には関係ない。就職先と言っていいか分からないけれど、もうケイロの嫁で確定しちゃったし。だけど――。俺はチラリと隣を歩く母さんを見やる。家族をどう説得すればいいんだ?そのままありのままを話したって、絶対に信じてもらえない。だって我が家はただの一般家庭だ。ケイロと出会わなかったら、この世界のこの国じゃあ珍しくない平凡な生活が続いていたはず。俺の父さんはいつも出張ばかりでなかなか帰ってこないけど、定期的に連絡はくれるし、二十歳になったら俺と飲み交わす酒を楽しみしてるような地味で地道な人だ。母さんは俺を寂しがらせないよう、明るく元気に生きてる――無理はまったくしてないっぽいから、たぶん素だと思うけど――言うことは言うし、容赦ないところもあるしっかり者だ。二人とも特別な力なんてないし、異世界? ナニそれ美味しいの? な人種だ。信じる信じない以前に、まず状況を丁寧に説明しても、理解してくれない可能性のほうが高い。どうやって誤魔化せばいいんだ……?この件についてはケイロたちを頼っても混乱させるだけだろうし、俺がどうにかしなくちゃいけない問題なんだよなあ。はあぁぁ……と思わず溜め息が出てしまう。その時、「……ねえ、大智」母さんが隣から俺の顔を覗き込みながら話しかけてきた。「怒らないから、何か事情があるなら教えてね」「母さん……」「高校は義務教育じゃないんだし、どんな成績でも大智の自己責任……って思ってるけど、最近今までと様子が違うなーって気になってたから」不甲斐ない成績だったのに、怒る訳でもなく不安を見せる訳でもなく、母さんはニッと笑って力こぶを作る。「何かやりたいことがあるなら、胸を張って。赤点取っても大智のやりたいことができるなら、それでいいんだから」……前言撤回。母さんはちょっと平凡じゃないかもしれない。この世界の誰もが踏み出したこと
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-16
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俺のツッコミが止まらない

◇◇◇夕食を終えて自分の部屋に戻る――フリをして、魔法の白いモヤモヤを通ってケイロの部屋に向かう。相変わらずの殺風景な部屋に、ケイロの姿はなかった。 まだアシュナムさんたちといるのか? と思ってリビングに行ってみると、優雅にソファの上で脚を組みながら、食後のコーヒーを口にするケイロがいた。「よっ、ケイロ。お前も夕飯終わったところか?」俺が姿を現しても一切驚かず、ケイロはコーヒーを嗜みながらフッと笑う。「ああ。もう少し休んでからお前の部屋に行こうと思っていたが……俺を待ち切れずに自分から来るほどだ。我慢の限界なら、今すぐ部屋に行くぞ」「バカ野郎っ! お前が触ってこなかったら、そんな万年発情期変態なんかにならねーよ!」思わず俺は全力でケイロにツッコむ。 まったく……コイツの中の俺って、どれだけエロまみれの快楽ザコな認識なんだ? しかもまだ目が笑ってやがる。後で思い知らせてやる気でいっぱいだ。夜はまた抱き潰されコース確定か……と心の中で遠い目をしてから、俺はケイロの向かい側のソファに座る。なぜ隣に座らないんだ? とケイロが目を据わらせて不満そうに睨んでくる。お前の隣は体が疼くから落ち着いて話ができないんだよ! と俺は視線を合わせ、目を据わらせて無言の反論をした後に本題を切り出した。「ちょっと、家族のことで相談したいことがあって……」「ほう……あの快活で社交スキルの高い母親に、俺たちのことを感づかれたか?」「感づかれてたら、こんなに落ち着いて相談できないし……うう、想像しただけで恥ずかしさで死にたくなってくる……」たぶん初めての彼女ができて童貞卒業したって母さんにバレても、恥ずかしさでしばらく昇天しそうだ。でも異世界の王子と即結婚してパクッと頂かれて生涯童貞確定で、絶賛抱かれまくりの溺愛生活を送ってますなんて知られた日には……マジでポックリ逝きそうな気がする。俺は一旦首を振って、想像してしまったもしもの未来を頭から追い出す。 それから大きく息をついてから話を戻した。「俺さ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-17
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それができたらこんなに悩まねぇよ!

「実は俺とケイロのことを、家族にどう伝えればいいかって悩んでて……できれば異世界のことは隠しつつ、俺がケイロについていって家から離れても安心してもらえるようにしたくて……何か良い案ありますか?」俺の相談にソーアさんが腕を組み、ウーンと唸り出す。「それは難問ですね。私たちの世界のことを言わずに、ここから離れることを安心してもらう……そもそも親は子どもを心配するものですし、嘘をついて行き場所を伝えてしまうと、それが偽りと分かってしまった日には大騒ぎになりそうですし」「確かに……うちの母さん、行動が早いからなあ。嘘って分かったら自分で場所を確かめに行きつつ、警察に連絡して捜索願い出しそう」「ネットのニュースでこの世界のことを毎日学んでいますが、最近はSNSという疑似魔法ツールで顔も知らない相手と連絡を取り、言葉巧みに外の国に連れ出して悪事を働かせる事例もありますからね……下手な嘘や隠し事は避けたほうがいいかと」SNSは疑似魔法か……ケイロたちから見ればそうだよなあ。こっちの世界のことを俺がレクチャーしたり、自主勉強したりして、ソーアさんはかなり馴染んだと思う。でもたまに異世界の価値観が混じって、その感覚の違いが新鮮だったりする。ケイロと違って、ソーアさんはこっちの世界に合わせて真面目に考えてくれる。ありがたい存在だと思うけれども、悩ましいことに答えが出ない。俺もつられてウーンと唸りながら考えてしまう。そんな俺たちを、ケイロはコーヒーを口にしながら呆れたように見ていた。「何を言っても心配されるなら、最初から本当のことを言ってしまえばよくないか?」「それができたらこんなに悩まねぇよ!」ああ、誰もがケイロみたいに開き直って生きられないんだからな……お前のその言葉、パンがなければお菓子を食べればいいのよ的なヤツだからな。後でケイロの部屋で説教だな、と考えているところで、今度はアシュナム
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-18
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赤点補習中のオアシス

◇◇◇悩みは解決することなく、俺は地獄の夏休みに突入した。三年生で赤点祭り。先生たちの危機感は俺が思った以上に強くて、それはもう手取り足取り懇切丁寧に教えてくれた。見捨てずにやってくれてありがたいなーとは思う。だけど……悪いと思ってるけど……勘弁してくれ~~~~って心の中で泣くばかりだった。外は連日の猛暑。数人しかいない教室はクーラーがしっかり効いて快適ではあったけど、みんな遊んでるのに毎日勉強三昧はしんどい。そんな俺のオアシスは、補習後に立ち寄る司書室だった。「大智、お疲れー。今日もいっぱい頑張ったみたいだね」顔を出すと、いつも悠がにこやかに俺を労ってくれる。悠は毎日司書室に来ているが、赤点補習は一切ない。俺と違って優秀だから、赤点どころか学年上位の成績をキープしている。……俺よりも前に異世界の事情に巻き込まれて、振り回されてるのに、成績下がらないって凄いぞ、悠。こっちの人間にはまったく分からないだろうけれど、俺は自分の知っているヤツの中で一番凄いヤツだって認識になった。赤点なしってマジでスゲーよ……うう、その頭、今だけ俺と入れ替えて欲しい……。ヨロヨロしながら俺が近くの椅子に座ると、軽く苦笑しながらマイラットがコーヒーを淹れてきてくれた。「お疲れ様です、大智様。毎日勉学に励まれるお姿を拝見できて、とても嬉しく思います」一見するとボサボサ髪の冴えない容姿だけど、にこやかに微笑むその顔は朗らかながら凛々しい。司書の舞野先生の体に入っているマイラット。舞野先生とはあまり面識がなかったからよく覚えていないけれど、今はいつも姿勢が正しくて、軍人のアシュナムさんと通じるものがある。髪型と服装を整えたらカッコよくなるだろうなあ――そんな人が悠の旦那。流れで俺に忠誠を誓うことになって、こうやって仕える言動を目の当たりにして、悠としては複雑な
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-19
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輝石の暇つぶしに遊ばれてるような……

「荷が重すぎるって……! そしてやっぱり肝心なことは言わねーのな、ケイロのヤツ……」ケイロにも考えがあってのことかもしれないけど、ちゃんと言ってくれよぉ……王子と王様は差があり過ぎるだろうが。テーブルに突っ伏しながら嘆いていると、どこからともなく重々しい声が聞こえてきた。『困っておるようだな、坂宮大智』声がした方を向けば、司書室の棚に飾られている有名選手のサイン入りボールが虹色の微光をまとっている。事情を知らないヤツなら驚くかもしれないが、俺たちは既に把握済み。誰も驚きはしない――中に入っている百彩の輝石に顔を向け、俺は大きなため息をついた。「そうなんだよ……ケイロが王様になるかも、なんて考えもしなかったから……ますます親に言えなくなる……」『王族になりたくないというのだな。うむ、分かった。ならば離婚一択だな』「なんで百彩の輝石は俺とケイロを離婚させたがるんだよぉ……仲直りして再婚した新婚を別れさせようとしないでくれよ……」泣き言で弱々しい声を出しながらも、俺はしっかり百彩の輝石にツッコむ。ケイロたちがこっちの世界に来た目的だった、持ち去られた秘宝・百彩の輝石。みんなが輝石の力をバンバン使いまくっているせいで、力が枯れそうだからとマイラットに頼んで避難してきたっていう事情がある。そんでもって、精霊と意思疎通ができて王族の精も受けてるからって、異世界の精霊たちの酷使をどうにかして欲しいと頼まれている。こっちも責任重大だ。平凡男子には荷が重い。……でも精霊たちは可愛いし、懐いてるし、力になってくれたし、どうにかしてやりたい。だから分不相応な重荷をいくつも背負うハメになって、心からぶへーってなってるけど、どれも嫌だとは口にしない。「……分かって
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-20
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ケイロの買い出し?

◇◇◇午後の補習も終えて、俺はぐったりしながら帰路につく。夕方が近いけれどまだ空は明るく、アスファルトからムワッと漂ってくる熱気が息苦しい。補習で疲れたっていうのもあるけど、しばらく悩んでいるせいで頭がヘトヘトだ。早く家に帰って休みたい……。リビングのソファで、ぐてーんと横になってアイス食いたいなあ。……そういえば、ケイロの国にも夏ってあるのか?剣と魔法と精霊が当たり前の世界だから、ここよりは暑くないような気がする。でも湿気は凄そうな気が――。取り留めのないことを考えながら歩いていると、「こんな時間まで補習とやらを受けてたのか、大智」突然隣からケイロの声が聞こえてきて、思わずビクッと俺の肩が跳ねた。「い、いつの間に……っ!? 急にそばで話しかけてくるなよ、ビックリするだろ」条件反射で声から離れるように横に跳んで顔を向けると、隣で買い物袋を持ったケイロが不本意そうに目を据わらせていた。「我が嫁を見かけて声をかけることの何が悪い?」「……普通は悪くねぇけど、俺らは例外だろ……近くに寄られたら体がまともじゃなくなるんだから」実は最近はケイロに視線を向けられるだけで体が疼く。どんどんいやらしさが増している体が情けないやら、呆れるやら、さらに酷くなったらどうしようと心配するやらで、俺の心の中がグチャグチャだ。責任取れって怒鳴りたくなっちまうけど、結婚しちゃってるから既に責任は取ってるし、口にしたが最後、抱き潰されコース突入が確定しちまう。グッと本音を堪えてから、俺は気を紛らわすために別の話を振る。「ところでお前が買い物してくるって珍しいな。買い出しってアシュナムさんかソーヤさんの役目じゃないのか?」俺の問いかけに、なぜかケイロが得意げに笑う。「普通はそうだな。だが、これは特別だ」「特別?」
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-21
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俺、パラレルワールドに迷い込んじゃった?

「今戻った。頼まれたものを買ってきたぞ」いつも通りの偉そうな物言いをしながら、ケイロが堂々と俺ん家の玄関で靴を脱ぎ、中へ上がってしまう。これは……いったいどういうことだ?目の前の光景が信じられなくて呆然としてから、俺はハッと我に返る。慌てて靴を脱いで、前に倒れそうになりながらケイロに追いつくと、勢いよく肩を掴んで歩みを止めてやった。「何をするんだ大智? 痛いだろ」「いや、お前、だって……ここ、俺の家だぞ? お前の家は隣りだろうが」「……どうした? 突然当たり前のことを言い出して……そんなこと、言われずとも分かっている」うう、ケイロの肩掴んでると力が抜ける……気を抜いたら廊下に座り込んで、発情期の猫みたいに身悶えそうだ。だけど俺は腹に力を入れて、根性で体の疼きを抑え込んで、ケイロを先に行かせまいとする。まったく理解できないと怪訝そうにするケイロに、俺はボソッと囁いた。「リビングのほうに行ったら、母さんと鉢合わせするぞ。お前が顔出したらビックリして、帰った後に興奮してお前のことあれやこれや俺に聞いてくると思うから――」俺の家はリビングとキッチンの間にカウンターがあるタイプで、どっちもよく見える。もしケイロがリビングに入ったら、隣の塩対応イケメン男子がやってきたーって、母さん大興奮間違いなし。そんでもって、俺とケイロの距離感が実は近いってすぐに見抜いて、積極的にご近所付き合いしようとするハズ。となれば、まだまだ隙だらけの百谷一家だ。母さんに異世界の何かを見られかねない。俺はもう巻き込まれて手遅れだからしょうがない。でも母さんまで巻き込むのはゴメンだ! 絶対阻止だ!俺の中でエロい疼きよりも、使命感のほうが上回る。グググ……っとケイロの肩に指を食い込ませ続けていたら、ドアの向こうから声が飛んできた。「あら、おかえり圭次
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-22
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