All Chapters of 初恋を忘れられないあなたへ、継母なんてもうごめん: Chapter 141

「真理さん、外には女性客用の席はありませんよ」真理は歯を食いしばり、踏み出そうとした足を止めた。作り笑いを浮かべ、平静を装って口を開いた。「昨日は彩乃に、本当にお世話になったわ」詩織の眉間に冷たい影が落ちる。「真理さんが彩乃に感謝すべきことって、それだけですか？」身分差がある相手に、詩織は遠回しな物言いをしなかった。力があるのなら、嫌いな者を押さえつけて何が悪い。先祖代々の積み重ねを無にしてしまうのか。真理は、詩織がここまで真っ向から突いてくるとは思ってもみなかった。あまりに容赦がない。「その……そのお話は、ちょっと理解しかねます。普段、彩乃とはほとんど接点がありませんので」真理