All Chapters of 拝啓ご主人様 捨てられたのはあなたです: Chapter 1 - Chapter 10

37 Chapters

第一話 不意打ちの離婚届

テーブルに置かれた一枚の紙は、私に重い現実を突きつけた。「このマンションは売却した。今月中に出て行ってくれ」私は彼の言葉が理解できず、ダイニングテーブルの下で握った手が震えた。指先が冷たく、爪が掌に食い込む痛みさえ感じない。私は何か彼の機嫌を損なうことをしたのだろうか? 朝食の味噌汁が薄すぎたとか、洗濯物の畳み方が雑だったとか、そんな些細なことで三年を終わらせるはずがない。離婚届には楠木健吾のサインが力強く記入され、血のように赤い印鑑が捺されていた。朱の色が妙に鮮やかで、紙の白さを汚しているように見えた。「どういうこと? 訳がわからないわ」顔を上げると氷のように冷ややかな目が私を見下ろしていた。いつもは優しく細められるその瞳が、今は鋭い刃となって私の胸を抉る。昨日まで同じテーブルで朝を迎え、夜は肩を寄せ合って眠った男とは思えない。「冴子、聞こえなかったのか? 今月中に出て行けと言っているんだ」声は低く、感情の起伏を欠いていた。まるで天気予報でも告げるような平板さだ。昨日までの平穏な日常が足元から崩れてゆくのを感じた。キッチンのカウンターに並ぶ二人分のマグカップ、ソファに残る彼の匂い、玄関に揃えて置いた靴、すべてが急に他人事のように遠のいていく。理由もわからないまま三年間の結婚生活に終止符を打てというのか。私は目の前に置かれたボールペンと印鑑、ご丁寧に用意された朱肉を凝視した。朱肉の蓋が半開きで、小さな鏡のように光を反射している。「理由を言って頂戴……納得出来ない限り、私はこれにサインしない」「……」沈黙が部屋を満たした。時計の秒針がカチカチと音を立てるたび、私の心臓が締めつけられる。健吾は窓の外を見据えたまま、唇を結んでいる。冷たい空気とは裏腹に、優しい陽光がリビングに降り注いだ。三年前、ここでプロポーズされた時も同じ光だった。あの時は笑顔で「ずっと一緒にいよう」と言ったのに。私は震える指で離婚届を手に取った。紙は意外に重く、指先に冷たさが染み込む。欄外に走り書きされた「財産分与なし」の文字が目に入り、息が詰まった。三年間、専業主婦として尽くしてきた家事、健吾の帰りを待つ孤独な夜、すべてが無意味だったのか。「ねえ、健吾」声が掠れた。「せめて……最後に、ちゃんと話してくれない?」彼はゆっくりと振り返った。だが、その瞳にはもう、私の居場所
last updateLast Updated : 2025-10-23
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第二話 火傷の痛み

相変わらず七海は「痛いよ、お義兄ちゃん……」と涙で黒曜石のような瞳を濡らしている。その声は、まるで子猫が怯えたように震え、砂糖菓子が崩れるような脆さだった。顔面蒼白になった健吾は、辿々しい手付きで彼女の小指の先に軟膏を塗り、まるで命を救う外科医のような真剣さで包帯を巻いている。額には汗まで滲み、眉間に刻まれたシワはまるで核戦争のボタンを押す大統領のようだ。私は笑いを堪えるのに必死だった。いや、天下の楠木グループのCEOが、こんなことで取り乱すなんて……紅茶で指先を濡らしただけで、まるで七海が毒蛇に噛まれたかのような必死の形相だ。健吾の普段の冷静沈着な姿はどこへやら。会議室で億単位の契約を軽やかにまとめ上げる男が、今はまるで車の多重事故に巻き込まれた新米ドライバーのように狼狽えている。七海はといえば、その口元は「お義兄ちゃんは私のものよ」と言わんばかりに歪んでいる。その視線に、私はソファの背に身を沈め、温くなった紅茶のカップを手にさらに笑いを堪えた。こんな滑稽な光景、滅多にお目にかかれない。「健吾、ちょっと出掛けてくるわ」健吾はこの一大事にどこに行くのか、と言わんばかりに私を睨みつけた。その鋭い視線は、まるで私が楠木グループの機密書類を持ち出す裏切り者であるかのようだ。ワンピースの裾を捲り上げ、太ももの火傷を見せつける。熱い紅茶を浴びた私の脚には、赤みを帯びた水膨れが痛々しく浮かんでいた。健吾の表情が一瞬、強張った。普段はどんな危機にも動じない彼の瞳に、ほんの一瞬、狼狽の色が過ぎる。私はその隙を見逃さず、内心で小さくほくそ笑んだ。「うちの外科医は使いものにならないから病院に行くの……お二人で、ごゆっくり」わざと軽い口調で言い放つ。「冴子」と、低く抑えた彼の声には、どこか引き止めるような響きがあったが、私は意に介さずショルダーバッグを肩に掛けた。タクシーアプリで配車を依頼すると、程なくして黒塗りのタクシーが静かな住宅街に滑り込んできた。後部座席のドアが開き、脚を庇うように乗り込もうとした私は、ふと一縷の望みを掛けて十五階のベランダを見上げた。そこに健吾の姿があるかもしれないと、どこかで期待していたのだ。だが、ガラス扉の向こうは静寂に包まれ、彼の影すらなかった。かすかな失望が胸をよぎる。タクシーのエンジン音が低く響く中、私はドアを閉め、運転手に病院の名前を告げ
last updateLast Updated : 2025-10-24
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第三話 眩しい朝の憎しみ

空調に揺れるカーテンの陽光に瞼を開くと、そこは消毒薬の匂いが漂うベッドの上だった。 「あぁ、そうだったわ」 楠木グループの威信をかけた特別室は、重厚な胡桃材の家具と淡いベージュの壁紙で彩られ、高級ホテルのスイートルームのような気品を漂わせていた。レースのドレープが窓辺で柔らかな影を描き、朝の陽光がその隙間から零れ落ちる。 だが、その優雅な光景は、一人の朝の寂しさを和らげるにはあまりにも頼りなかった。当然のように健吾の姿はなく、胸の奥から大きなため息が漏れた。まるで私の存在が、この広々とした部屋の中でかすかな残響に過ぎないかのようだった。 そこへ、ドアを軽やかにノックする音が響いた。「もしかしたら健吾かも」と、淡い期待が一瞬だけ心を過る。私は掠れた声で「……はい」と応えた。だが、ドアの向こうに現れたのは、朝食を載せたトレイを手に微笑む看護師だった。白いユニフォームが朝日を反射し、彼女の穏やかな笑顔が一層眩しく見えた。「お加減はいかがですか?」と尋ねる声に、私は力なく頷き、トレイを受け取った。 健吾には昨夜、LINEメッセージで一泊入院することを伝えた。既読のマークはついたが、返信はなかった。「ブロックされていないだけましね……」と、半ば自嘲するように呟きな
last updateLast Updated : 2025-10-25
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第四話 焦げたオムレツ

静かな住宅街に黒いタクシーがボディを朝陽に輝かせて滑り込む。聳え立つ十五階建てのマンションは、まるで私の孤独を見透かすように冷たく佇んでいた。タクシーのドアを閉め、ショルダーバッグを肩にかけ直すと、足元のハイヒールが舗装路に軽い音を立てる。郵便ポストに目をやると、健吾のブラックカードの支払い明細書が無造作に投函されていた。封筒の角が少し折れ、まるでこの家の不協和音を象徴しているようだ。私は直感的にそれを手に取り、ショルダーバッグの奥に押し込んだ。知らなくていい真実がそこに書かれているかもしれないのに、なぜか今はそれが必要な気がした。 大理石のエレベーターホールにハイヒールの音が鋭く響く。鏡張りの壁に映る私の姿は、どこかよそよそしく、まるで別人がこれから戦場に赴くかのようだった。私は見たくもない光景を目の当たりにするために、ためらいながらもエレベーターのボタンを押した。 「……まだいるのかしら……いるわよね」 独り言が小さく漏れる。静かな機械音が響くエレベーターの箱の中で、七海という外来生物の存在に眉間にシワを寄せた。彼女の黒曜石のような瞳、健吾を絡め取る甘い声が、頭の中でこだまする。上昇するエレベーターの窓から見下ろす街の景色は、まるで私の心のように遠く、冷たく広がっていた。十五階に近づくにつれ、胸の鼓動が速くなる。あの部屋で、健吾と七海がどんな時間を過ごしているのか。ドアが開く瞬間、私は息を呑み、ショルダーバッグを握る手に力を込めた。登記簿謄本の重みが、私の決意を静かに支えている。 
last updateLast Updated : 2025-10-26
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第五話 抱き合う兄と妹

 エプロンを腰に巻いてキッチンで洗い物をする健吾、ソファに身を沈め素知らぬ顔でテレビを見つめる七海。まるで滑稽な小劇場を傍観しているような感覚に陥った私は、情けなさと裏切りの重さでその場に崩れそうになった。だが、ショルダーバッグの中でかすかに擦れるマンションの登記簿謄本の重みが、私の足を踏み止めた。   この家は私のものだ。たとえ心が砕けても、これだけは守り抜く。私は気を取り直し、着替えをしようとベッドルームに向かった。だが、ドアを開けた瞬間、乱れたシーツの跡が目に飛び込み、胸が凍りついた。シーツの皺は、まるで昨夜の秘密を嘲笑うようにそこにあった。   私は慌てて踵を返し、ゲストルームへと早足で向かった。緊張でこめかみが締め付けられ、悍ましさで胸がざわついた。「……やっぱり」と呟く声が、震える唇から漏れた。ゲストルームのベッドは真っ新で、七海が眠った形跡はどこにもなかった。妻からのLINEを無視した夫は、夫婦のベッドで義妹と抱き合い熱い夜を過ごしていたのだ。   吐き気が喉を締め付け、私はトイレに駆け込んだ。冷たいタイルの床に手をつき、便器に蹲る。三年間の結婚生活が、一夜にして汚れた吐瀉物のように吐き出された。キッチンのシンクに立つ健吾からは、労りの言葉一つない。彼の不器用なオムレツも、ケチャップの真っ赤なハートも、全てが虚構だった。私は惨めさに涙した。涙は床に落ち、消毒薬の匂いと混じり合う。 
last updateLast Updated : 2025-10-27
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第六話 楠木家の秘密

 子猫のように怯える七海を宥めようと、健吾がエプロンを無造作に外し、その華奢な身体を優しく抱きしめた。泡のついた手が彼女の背をそっと撫で、まるで壊れ物を扱うような慎重さだった。私はその抱擁を目の当たりにし、後頭部を鈍器で殴られたような衝撃を受けた。胸の奥で何かが音を立てて砕け、喉に熱い塊が詰まる。   「大丈夫だ」と健吾の低く落ち着いた声が響き、七海が「だって……!」と震える声で縋るのが聞こえた。   その親密な光景は、私の三年間の結婚生活を一瞬で灰に変えた。ショルダーバッグの中で、登記簿謄本の紙が私の決意を静かに支えているのに、足元が揺らぐ。健吾はこのマンションを売り払っていたのだから、計画的な彼のことだ、次の住まいを七海のためにすでに決めているに違いない。私の知らぬ間に、彼の心は完全に彼女に奪われていたのだ。リビングの空気が重く、テレビの音が遠くで虚しく響く。私は洗面所の鏡に映る自分の顔を見た。そこには、怒りと悲しみに歪んだ女がいたが、その瞳にはまだ消えぬ闘志が宿っていた。「この家は私のものよ」と、声を絞り出すように呟いた。   「七海、祖父さんの家に行こう」と健吾が静かに言うと、彼女は息を止めた。黒曜石のような瞳を見開き、まるで恐怖に捕らわれた小動物のように首を激しく振った。   
last updateLast Updated : 2025-10-28
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第七話 憎悪の裁ち鋏

健吾は私の心を鋭利な刃物で切り刻み、奈落の底へと突き落とした。七海から身体を離した彼は、ベッドルームから二つのキャリーケースを無言で運び出してきた。一つは七海らしい可愛らしいパールピンク、もう一つは健吾の冷徹な決意を映すような艶消しの闇夜の黒だった。「どこに行くの?」と、私の声は思わず震えた。健吾はジャケットを羽織り、七海の華奢な肩に綿毛のような白いカーディガンをそっと掛けた。その仕草は、かつて私に向けられた優しさと同じで、胸に冷たい棘が刺さる。 彼は振り返り、「お前が出て行けと言うから……出て行く」と、低く唸るような声で私を睨みつけた。その瞳には、楠木グループのCEOとしての傲慢さと、七海を守る揺るがぬ決意が宿っていた。七海は「お祖父様のところは嫌!」と、怯えた子猫のように健吾の腕に縋りついた。だが、健吾は落ち着いた声で「どこかのホテルに泊まろう」と彼女の肩を抱き、まるで私など存在しないかのようにリビングを横切った。 キャリーケースの車輪が大理石の床を滑る音が、耳に痛いほど響く。玄関のドアが閉まる音が響くと、足元から力が抜け、ソファに崩れ落ちた。三年間の結婚生活が、キャリーケースの車輪の音とともに遠ざかっていく。 「……はぁ」 目頭が熱くなり、頬を涙が伝った。これで終わりなのか……? 私は空っぽになったリビングを見回しながら、掠れた声で小さく呟いた。健吾と七海の足音が消えた静寂は、ま
last updateLast Updated : 2025-10-29
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第八話 幸せな日々を処分する

 「もしもし、引越しの見積もりをお願いしたいの」と、私は電話越しに淡々と告げた。健吾と七海を見送った後、リビングの静寂に立ち尽くしながら、引越し業者に三年間の思い出の処分を依頼した。   健吾と寛いだ胡桃材のソファ、結婚記念日にワインを傾けたマホガニーのテーブル、そして愛を確かめ合ったクイーンサイズのベッド……今となっては、それらはただの大型ゴミに過ぎなかった。シーツの残骸が床に散らばる中、私の目は怒りに思えていた。彼らがどんなに親密に抱き合おうと、私の存在を消し去ることはできない。   家具の送り先は健吾の実家……七海が怯えて嫌がったお祖父様の屋敷だ。これまで私たちは、仲睦まじい夫婦として羨望の眼差しを浴びてきた。お祖父様は私を実の孫のように可愛がり、楠木家の自慢の若夫婦に目を細めてきた。   だが、ある日突然、屋敷に彼が買い与えた家具が山のように運ばれてきたらどうなるだろう。厳格なお祖父様は度肝を抜かれ、顔を真っ赤にして怒鳴り散らすかもしれない。そして、住処を失った健吾と、イギリスにいるはずの七海が肩を寄せて現れたら、烈火の如く二人を責め立てるだろう。考えただけで、冷たい笑みが唇に浮かぶ。   私は窓の外に広がる街を見下ろした。リビングの空気はまだ
last updateLast Updated : 2025-10-30
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第九話 過去と現在が交わる時

 一億五千万円の預金通帳は私を自由にした。このマンションの購入など、広大な財の海に浮かぶ一滴に過ぎなかった。私はベランダのソファに身を預け、シャトー・ラフィット・ロートシルトのコルク栓を静かに抜いた。1990年のフランスの香りが、深く重い果実の息吹とともに漂う。フルボディの赤ワインは、舌を滑るように喉へと落ち、まるで私の勝利を祝福するかのようだった。   「これは前哨戦の前祝いよ」と、独り呟き、グラスを傾ける。   眼下に広がる煌びやかな夜景は、まるで私の決意を映し出す宝石の海だ。健吾はこの素晴らしい景色を棄て、震える子猫のような七海と見窄らしい未来を選んだ。熱い一夜から始まった三年間の結婚生活……その幸せが濃密であればあるほど、色褪せた瞬間に憎しみへと変わった。かつて彼の不器用なオムレツに笑い、ケチャップのハートに心を温めた私が、今は冷たい復讐の炎を燃やす。   私はシリンダーキーのカタログ雑誌を手に取り、まるで魔法の書物を読むように目を輝かせ、ゆっくりとページを捲った。次は、マンションの部屋のシリンダーキーの取り替えと、指紋認証の不効化の手続きだ。健吾が私の不在時に忍び込み、年金手帳や保険証書を持ち出す可能性は排除しなければならない。彼の手が私の財産に触れることなど、決して許さない。全てを金庫の奥に仕舞い込み、彼が私に平伏すまで一歩も譲らない。  &n
last updateLast Updated : 2025-10-31
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第十話 謎の文字

 相馬の銀縁眼鏡にキャンドルの柔らかな光が揺れ、その奥には厳しくも優しい視線があった。私はピノ・ノワールの深い果実の香りを堪能し、空になったグラスをそっとテーブルに置いて微笑んだ。   「ええ、そうなの……私の人生を賭けているの」と、声を低くして告げた。   健吾の裏切り、七海との親密な関係、このマンションを守るための戦い……全てを賭けた私の決意を、相馬なら理解してくれると信じていた。彼は髪を掻き上げ、肘をついて軽く身を乗り出した。「楠木家のことを調べて来たよ」と、口角を小さく上げ、落ち着いた声で言った。その一言に、かつての少年の面影と、弁護士としての鋭い機転が重なる。   相馬はバッグから一冊のファイルを滑らかに取り出し、テーブルの上に置いた。「冴子ちゃんのご主人……健吾さんのご両親の自動車事故に不審な点がある」と、彼はファイルに挟まれた付箋のページを広げ、私の前に差し出した。「どう言うこと?」と、私は思わず身を乗り出し、眉間にシワを寄せた。相馬の思いも寄らぬ言葉は、まるで私の復讐の炎に新たな火種を投じたようだった。   キャンドルの光がファイルの白い紙に揺れ、黒インクで書かれた文字が不気味に浮かび上がる。健吾の両親の事故
last updateLast Updated : 2025-11-01
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