All Chapters of 婚約破棄したら殿下は狼男だった。: Chapter 21 - Chapter 24

24 Chapters

21.バイトちゃん3号

 エヴァンス嬢は強かった。昔、私はライルに負けちゃったんだよなぁ。その後のブロック様のおかげでライルよりも序列は上になったけど。 それにしても…エヴァンス嬢、眼力が半端ないわ。「まぁ、ライル様がお腹を見せてくれていますわ」「撫でてあげると喜ぶわよ?」「…そんな痴女のような真似」 恥じらうようなエヴァンス嬢は可愛いと思いますけど、私はその痴女のような真似をためらうことなく、全力で撫でてました……。 元の姿に戻った時、やはりライルは凹んでいた。「なんなの?ライル。昔はよく私と遊んでいたじゃない。今更よ」「成人してからの重みを感じているのです」  そんななので、ライルとエヴァンス嬢は正式に婚約をすることとなりました。「私もライル様をモデルとした縫いぐるみを作った方がいいのかしら?」「そんな趣味は母上だけでいい!」 あ、そんな趣味とか言われた……。バイトちゃん・改、返してくれないのに。「あー、でも。私達に子供が出来た時にその子に縫いぐるみを渡せたらと思います」「……」 それ以来ウォルフォード王国では王家に嫁いだものは、王家にて御子に自作の縫いぐるみを渡すという事が慣習化されました。 それによってウォルフォード王国の貴族の令嬢の嗜みとして縫いぐるみの作製が必須となりましたが、何故王家に嫁いだものが御子に自作の縫いぐるみを渡すのかは伝わりませんでした。 結局、エヴァンス嬢の気持ちを受け入れるような形となったライルは自分がモデルとなり、バイトちゃん3号を作る事となりました。「バイトちゃん3号は私が作製します!」 というエヴァンス嬢の情熱には負けてしまう。エヴァンス嬢には快くライルが協力するようで、簡単に狼化し、人に戻った時には筋肉の付き方などアドバイスをしていました。 私にはスパルタだったのに、エヴァンス嬢には甘いなぁと見ていました。微笑ましいです。 ライルの優しいアドバイスとエヴァンス嬢の情熱でバイトちゃん3号は予想よりも早く完成しました。「あら、これは二人にさっさと結婚してしまえという事かしら?」 と、私が言うと二人とも俯いて赤面してしまいました。ライルにいたっては精神が乱れまくって、狼化するようですがこの場にはライルよりも序列が下の者はいません。 ブロック様に私、エヴァンス嬢。そしてライルですので序列でライルが下となります
last updateLast Updated : 2025-11-18
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22.ライルの結婚

 ライルとエヴァンス嬢の結婚式はあの黄ばんだドレスではなく、真新しい真っ白のドレスを着てもらう事にしました。 代々伝わってもらうのは、婚約指輪にしましょうと王妃殿下と相談しました。「結婚後は結婚指輪をするでしょうから、婚約指輪は王家の宝物庫にでも入れておけばいいのよ」と、王妃殿下は仰っていました。豪気な方だなぁといつも思います。 私もエヴァンス嬢に‘お義母様’って呼ばれたいなぁ。などと思うのですね。これは義母の心というものでしょうか? あ、そうそうガードナー伯爵家ですが、長年に渡りエヴァンス嬢を虐げてきたという事実を突き止め、降爵ということになりました。今は子爵家でしたか?領地経営も碌にしていなかったことが発覚し、領地が没収され領地の少ない子爵家となっているハズです。  エヴァンス嬢は後ろ盾が弱くなるかと思いますが、そこは王家ですいつの間にやらエヴァンス嬢は王国内の公爵家の養子となっていました。 公爵家は王家との関りが強いといいますが、このようなことをしているからでしょうか?公爵家に臣下として下っているという話は聞いた事がありません。 ブロック様はどこで仔狼化する赤子を見たのでしょう?方便でしょうか?ライルが仔狼の姿となりモフモフできたので満足ですけれど。 ライルはドレス姿のエヴァンス嬢を見て、ドキドキしたようです。 結婚式の参列者が王家の事情を知っている人間のみだけなのがよかったです。 このままだとライルが狼になってしまいます。「ライル、精神を何とか集中するのよ!完全に狼化しては式が数時間中断よ!」 と、私はライルに声をかけました。 ライルは本当に真面目に育ちました。犬耳と尻尾で耐えています。可愛いんですけど?モフモフしたい……。 隣でブロック様に咳払いをされてしまいました。「父上、アレはツッコミを入れていいものでしょうか?」「騎士道としてはどうかと思うが、ここは見守らなくてはならない」 ガイヤード様も大変なようです。 ガイヤード様もシルフ様も結婚してはいるけれど、奥様は王家の事情をご存じないので結婚式には参列を許可されていません。お二人の奥様を見たかったので、ライルの結婚の際にお会いしたかったのに残念です。「ライル様。お可愛らしい姿ですよ?」「精神を集中しているんだ。今は話しかけないでくれ!」 式は滞りなく終わりました
last updateLast Updated : 2025-11-19
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23.夫婦のカタチ

 シルフ様のところに行きました。シルフ様も見目がよろしいのですからこのような場所では女性が寄ってきそうな感じがしますが、シルフ様の付近がなんだか冷たい空気なのでちかよりがたいのでしょうか?私は構わずに行きます。「シルフ様、ごきげんよう。奥様は一緒ではないのですか?ああ、アレならそこら辺にいるだろう」 なに?その投げやり。「夫婦は一緒だと思ったのですが?」「貴女は今まさに、ブロック様と別行動をしてるじゃありませんか?」 何も言えません。「放っておいていいのですか?」「私は、ナイジェル家に子孫が残ればいいのです」「奥様がふらふらとどこの馬の骨かとわからない男の子供を妊娠するかもわかりませんよ?」「ああ、それは大丈夫です。護衛のフリして、監視をしていますから」 コワっ。「おそくなりましたが、王子殿下のご成婚おめでとうございます」「ありがとうございます。当の二人は疲れたんでしょうね。とっくに別室に下がってますよ」 いろいろと夫婦の形というのはあるものだと思いました。貴族ならばこのような場所ならばともにいると思ったのですが、己を思えば別行動をしているのでなんとも言えないですね。「あ、ブロック様!ガイヤード様の奥様には会えました。二人はラブラブですね。シルフ様は子孫が残ればいい。と言ってますがどうなんでしょう?」「シルフの愛のカタチがあれなんだろう。あれでも奥さんを大事にしているんだ。貴族ならこういう場ではラブラブしておいて、一歩家に帰れば触らないでみたいな夫婦だってあるから、一概にどうとか言えないぞ」 はぁ、難しいんだなぁ。今度王妃様とエヴァンス嬢とお話しよう。 その頃、別室の二人は大変なことになっていました。「きゃ~、ライル様可愛い‼‼ドレスが汚れちゃうじゃないですか、汚れてもいい服に着替えるので待っててくださいね!」 ライルは待ての状態で待つことになりました。 ――――ここに汚れてもいい服あるかな?うーん、バスローブしかないけど何もきてないよりいいよね…。「お待たせ~」「何て格好をしているんだ?」「それはライル様の方ですよ!ご自分の格好を見て下さい!」 ライルは狼化から人に戻った時に服を着るのを忘れていました。「まだ、バスローブがありましたからそちらを着るなりしてください!」 バスローブを着た若い男女が二人……。「な
last updateLast Updated : 2025-11-20
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24.お茶会

 昔は王妃殿下に媚薬を盛られたりしたなぁ。懐かしい思い出よね。でも、それでライルを授かったんだからそれもアリかしら? あ、エヴァンス嬢と王妃様にお茶のお誘いの手紙を出さないと!議題は『夫婦のカタチ』よ! 王妃様……エヴァンス嬢に媚薬盛らないわよね?あの二人は若いからそのうち子供出来ると思うけど。「王太子妃殿下?いらっしゃいますか?エヴァンスです」 あらまあ他人行儀。「やだわ、エヴァンス嬢。‘お義母様’って呼んでよ~。王太子妃殿下なんて長いじゃない!で、どうしたの?」 やや赤面した感じね。「あのー。新婚というのはどういう感じなのですか?」「私も昔王妃殿下に聞いたわ~。誰しもが通る道って感じね。王妃殿下は毎日陛下が尻尾とか耳とか出して途中で完全に狼化しないかドキドキだったみたいよ。で、朝に人の姿でスヤスヤ寝てる姿を見ると安心するんですって。私もそんな感じかなぁ」「そういうもんなのですか?」「そういうもののようよ。他に何か質問はある?」「新婚期間てどのくらいなのですか?」「一般的には3か月って言われてるけど、人それぞれかなぁ?私はそのくらいだったけど、淡白な人だったら初夜で終わりって人もいるかも」「それはそれで新婚なのに……ってなりますね」「あ、そういえば私とエヴァンス嬢と王妃殿下でお茶会しようと思ってお誘いの手紙を送ったんだけど届いているかしら?新婚さんだからってライルが握りつぶしてたりしないわよね?」「ライル様ならあり得るかもです。独占欲が強いようで……」 赤面で恥ずかしがるエヴァンス嬢は可愛いわね。ライルの気持ちもわかるけど、母の気持ちもわかってほしいわ。エヴァンス嬢をいびろうとしているわけじゃないし。「口頭で伝えるわ。来月の3日に王宮の庭でお茶会をします。是非参加してください。ライルが不参加の返事を出している可能性もあるわね」 ライルの独占欲なんかきつそう。しかも今は新婚だし。「あ、無理しなくていいからね!ライルと仲良くしてね!仲良くしてくれてありがとう」 あのテーマならエヴァンス嬢がいなくてもいいのよね。むしろ新婚さんに聞かせる話の内容じゃないのかも『夫婦のカタチ』。   お茶会でやっぱり王妃殿下はエヴァンス嬢のお茶に媚薬を盛るつもりだったみたいで、彼女の不参加に残念そうでした。「ライルとエヴァンス嬢の披露宴の時
last updateLast Updated : 2025-11-21
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