遥の頬が赤く染まった。跳ね上がる鼓動を必死に抑え込む。「でも……」湊は不機嫌そうに遮った。「今さら何だ。どうせ見たことがある。このドレスの代金だと思え」彼女は背を向け、着ていたドレスを脱ぎ捨てた。新しいドレスを手に取るには、やはり振り返らなければならない。湊は水を一口飲み、胸の奥で燻る熱を鎮めた。彼女は昔と変わらず、雪のように白かった。太ももにある小さなハート型の痣も、記憶のままだ。下着はセットではなかったが、ドレスのラインに響かないよう、Tバックを身につけていた。肌を覆う面積は、無いに等しい。湊は氷水をさらに一口、喉に流し込んだ。下腹部に、小さな手術痕があった。おそらく、出産の時のものだろう。彼女が他の男のために子供を産んだのだと想像すると、胸の奥が焼けるように痛んだ。スマホが鳴った。蓮からだ。湊は遥に着替えを続けるよう目で合図し、電話に出た。だが、視線は彼女の肌に吸い寄せられたまま、片時も離れない。「……もしもし」その声はひどく掠れていて、まるで檻の中の獣が理性を保とうと必死に耐えているようだった。「お楽しみ中か?すげぇ声だぞ。かけ直そうか?」「ふざけるな、何だ?」「週末帰国するから、飯でもどうだ?」湊は少し考えて承諾したが、蓮は話を続けた。「この前お前が言ってたこと、あれから考えてみたんだが。好きでもない相手と、どうやって四年近くも付き合ったんだ?脅されたわけじゃあるまいし」脅されたわけではない。自分は正気のつもりで、泥沼へと沈んでいったのだ。この部屋で、彼女は何度も服を脱いだ。だがそれ以上に、湊が遥を思う時、脳裏に浮かぶのはいつもあの時の事だ。彼がバイト先の会社から出てくると、入り口で手持ち無沙汰に待っていた彼女が、彼を見つけた瞬間に目を輝かせる姿だ。その瞳は、満天の星のように輝いていた。眩しいほどに、真っ直ぐに。付き合っていた頃、彼女の愛は俺だけに向いていたわけではなかったのかもしれない。あの星のように輝く光が、他の誰かにも向けられていたのだと思ったら、ドス黒い嫉妬が胸の奥で渦巻き、全身を掻きむしられるような衝動に駆られる。湊は眉間を揉んだ。「他には?」「帰ったら、お前のラングラー貸してくれ」「
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