夫である九条蓮(くじょう れん)と、彼が支援していた女子大生が、インスタにウェディングフォトを投稿したあの日。私はいつものようにヒステリーを起こすこともなく、ただその投稿に「いいね」を押した。そして、「お似合いの二人ね。心から祝福する」とコメントを残した。界隈の人間は皆、私のことを「愛人の横暴を許す、最も情けない妻」だと噂した。一週間後、帰宅した彼は私にこう言い訳をした。「ただの芝居だよ。彼女の祖父が病気で、死ぬ前に孫娘の花嫁姿が見たいって言うからさ」私は静かに頷いた。「本気になんてしてないわ。あなたのこと、信じてるもの」前世の私は、この日、結婚式場に乗り込んで大暴れし、彼らの式を台無しにした。蓮はその報復として、私の両親が経営する会社を徹底的に追い込み、破産した両親はビルから飛び降りた。そして私自身も、彼の手によって精神病院へ送られ、廃人同様になるまで折檻された。だから、二度目の人生となる今回は、彼の愛など乞い求めない。ただ、その財産だけを狙うことにした。彼が浮気をするたびに、私は彼名義の資産の一部を移動させる。チャンスはあと三回。それが終われば、彼はすべてを失うことになる。……「信じてるわ」私、篠宮玲奈(しのみや れいな)は蓮を見つめ、静かな口調で言った。蓮はその言葉を聞くと、私の表情をじっくりと探るように見た。私が本当に怒っていないと分かると、ひそめた眉はようやく緩めた。彼は笑って私の肩を抱いた。「玲奈、理解してくれて嬉しいよ。莉子のやつ、悪ふざけが過ぎるところがあるし、祖父の容態も悪いから、僕としても断りきれなくてね」私は従順に彼の胸に寄り添いながら、心の中では冷ややかに笑っていた。美山莉子(みやま りこ)。前世で私は、彼のこの「断りきれない」という言い訳を理解できず、式場に乗り込んで大騒ぎをした。彼は莉子の機嫌を取るために、私の実家の会社を狂ったように攻撃し、両親を自殺に追い込んだ。私は無理やり精神病院に入院させられ、薬漬けにされ、電気ショックを受け、職員に殴打された。たまに面会に来る莉子は、蓮の腕に抱かれながら、まるで野良犬でも見るような目で私を嘲笑った。最期は、凍えるような冬の夜に孤独に死んだ。だから、死に戻った初日から、私は水面下で彼名義の資産
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