フリマアプリで不要になった家具を出品していると、ある女の子から値下げ交渉のダイレクトメッセージが届いた。【すみません、もう少し安くなりませんか?まだ学生なんですけど、ルームシェアしていた友達とトラブルになって学生寮を出ちゃって。彼氏が部屋を探してくれたんです。彼はお金持ちだし、卒業したら結婚しようって言ってくれてるんですけど、あんまり負担をかけたくなくて。500円安くしてくれませんか?直接引き取りに行きます!】大学時代に結城景虎(ゆうき かげとら)と付き合っていた頃、たった100円を節約するために2時間もシェアサイクルを漕いだことを思い出した。今はただの平凡な会社員だが、それでも学生よりは経済的に少しマシだ。私はつい同情して、その値下げを承諾した。その日の夜、マンションのエントランスに二人の人影が現れた。女の子は誇らしげな顔をしている。「私って買い物上手でしょ?一万円もしないで、新品同様の洗濯機が買えちゃった!」男は甘やかすような表情を浮かべていた。「はいはい、俺の柚乃が一番すごいよ。でも、俺が稼いでいるのはお前を養うためなんだから、無理して節約なんてしなくていいんだぞ。お前の旦那さんは結城グループの社長なんだから、いくらでも養ってやれる。こんな苦労は今回だけにしてくれよ」男が笑みを浮かべて顔を上げた瞬間、視線が交差して、私はその場に立ち尽くした。そこにいたのは、出張手当が3倍になるからと、3ヶ月間の地方出張に行っているはずの私の彼氏、結城景虎だった。……静寂が包み込む中、景虎の顔に明らかな動揺と驚きが浮かぶのを、私ははっきりと見た。私、鳴海凛(なるみ りん)が口を開きかけた瞬間、景虎の警告するような鋭い視線が飛んできた。星野柚乃(ほしの ゆの)は私たちの異変に気づかず、甘えるように唇を尖らせた。「寄生虫みたいになるのは嫌だもん!将来捨てられたらどうするの?ちょっと、どこ見てるの?私の話聞いてる?」景虎は我に返り、柚乃の頭を撫でた。「お前を捨てるわけないだろ」景虎の視線を追って、柚乃は私の横にある洗濯機を見た。「機能に問題はないですよね?」私はハッと我に返り、作り笑いを浮かべて商品の説明をした。突然、景虎が口を開いた。「どうして家具を売る?お金に困って
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