夫は「女性の体液にアレルギー」だと言い張っていた。女性の肌に少しでも触れると、たちまち赤く腫れ上がるらしい。結婚して3年、私たちは一度も夜の営みがなく、子供すら体外受精で作った。3度の失敗を経て、私はようやく妊娠することができた。しかし、退院の日、ある動画が送られてきた。その動画の中で、夫は様々な体位で激しく別の女性と絡み合っていた。彼の肌は綺麗なままで、相手が胸元につけたキスマーク以外、赤く腫れている箇所など一つもなかった。ふと顔を上げると、夫がうつむき加減で私のためにリンゴの皮をむいてくれている。マスクをつけ、シャツのボタンは一番上まで留め、手袋までした完全武装の姿だった。動画の撮影日時は、つい昨日のこと。私は震える手で彼のボタンを外そうと手を伸ばしたが、バシッと激しく払いのけられた。「触るな!近づくな!」彼の目は、まるで汚物でも見るかのようだった。私はついに悟った。彼がアレルギーだったのは女性の体液ではなく、私そのものだったのだ。彼が着替えにトイレへ行った隙に、私は5年間封印していた番号に電話をかけた。相手はすぐに出て、言った。「今どこにいる?すぐに行く」--周防明良(すおう あきら)は着替えを終えて出てくると、さっき私が触れた服をゴミ箱へためらいなく捨てた。私は彼を止めようとした。「それ、誕生日にプレゼントした服よ。まだ一度しか着てないのに」「お前が触ったからね。いくら洗ってもお前の匂いが残る。もういらないよ」と、明良は淡々と言い放った。私の落ち込んだ様子に気づいたのか、明良は口調を和らげた。「澪(みお)、分かってるだろ?俺は女に触れられない体質なんだ。妊娠したばかりなんだから、落ち込まないで。お腹の子に障るよ」慰めるつもりなのか、明良は医療用手袋の上からさらに冬用の分厚い手袋をはめ、哀れむように私の頭をポンポンと撫でた。だが、その仕草こそが、私をさらに打ちのめした。私は彼の手を振り払い、喉が詰まるような声で言った。「明良、あなたにとって私は汚い存在なの?」明良は一瞬呆気にとられ、眉をわずかにひそめた。「澪、お前が妊娠で大変なのは分かってる。でも俺だって仕事で疲れてるんだ。わがまま言うのはやめてくれ」明良は上場企業の社長で、確かに忙しい。昨日私が手術台に上がった時でさ
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