Todos los capítulos de 荒れていく彼の心を見送って: Capítulo 11

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第11話

個展の最終日の夕方。私はひとり、ギャラリーの展示室の中央に佇んでいた。ショーケースの中で、「はじめてのであい」がスポットライトの光を吸い込んで、静かに煌めいている。その横の展示プレートには、私がこう綴った。【7歳のときに出会った、ある人へ。その人はとても長い間、私の心という部屋に住んでいました。やがて彼は、そこから出ていきました。今、その空になった部屋には、私自身が住んでいます】ゆっくりと踵を返して外へ出ると、外はもうすっかり暗くなっていて、通りにはぽつぽつと街灯が灯り始めていた。駐車場に向かいながら、出口付近に、彼の車が停まっているのが見えた。大河が、車のドアに寄りかかるようにして立っていた。ずいぶん前からそこで待っていたのだろう、身を包むグレーのコートは、やはりあの日のままだった。私は逃げず、まっすぐ彼の元へと歩み寄った。「……実里」「久しぶり」「展示、見せてもらったよ。すごく良かった。中央のあのネックレスの前に、気づいたら見入ってしまっていた」「ありがとう」ふたりの間に、静かな沈黙が降りた。先にその静寂を破ったのは、大河のほうだった。「……この一年、元気にしてた?」「まあまあ、それなりに。そっちは?」「なんとか、やってるよ」一瞬で、嘘だとわかった。彼は、以前よりさらに痩せこけていた。頬骨が痛々しく浮き上がり、かつて私を真っ直ぐに捉えていた瞳には、もう何の光も宿っていない。けれど――中に着た白いシャツには、シワひとつなく綺麗にアイロンがかけられていた。襟はぴたりと伸びて、袖口のカフスも完璧に揃っている。私がこれまでの人生でずっと彼に覚えていてほしかったことを、大河はようやく覚えたのだ。私という存在を失ってから。「じゃあ、私はもう行くね」「……ああ」大河がきびすを返し、力ない足取りで車へと数歩歩き出す。私はその後ろ姿をじっと見つめていた。擦り切れたコートの裾が、冬の夜風に揺れる。「……大河」彼が、弾かれたように振り返った。私はゆっくりと歩み寄り、大河の目の前で足を止めた。「最後に。一度だけ」大河は戸惑い、それから右手を差し出した。差し出されたその指先は、小刻みに震えていた。私の指先が、大河の掌にそっと触れる。静かに、目を閉じた。触れた
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