『The Hitchhiker's Guide to the Galaxy』のラジオドラマ版は、宇宙を舞台にした究極の馬鹿騒ぎを音声だけで表現した傑作です。主人公アーサー・デントが巻き込まれる事件の数々は、どれもこれも理屈では説明できない馬鹿げたものばかり。たとえば、宇宙最悪の詩を朗読するだけで人が死ぬとか、タオルが最も有用なアイテムだとか。
『モンティ・パイソン』の影響を受けたコメディオーディオブック『The Complete and Utter History of Britain』は、歴史的事実を意図的にデタラメに解釈するという形式で笑いを提供します。ナレーターの演技が絶妙で、教科書的な知識をあえて無視した荒唐無稽なストーリーが展開されます。
捨てられるテーマを深く掘り下げた作品なら、'The Book Thief'のオーディオブックが強く印象に残っている。ナチスドイツ時代を背景に、養父母に捨てられた少女の成長を描く物語で、朗読者の感情豊かな演技が孤独感を一層際立たせる。
特に、主人公が本を盗む行為を通じて精神的な拠り所を見つける過程は、捨てられた者が新たな価値観を構築する姿と重なる。背景の戦争描写と個人の悲哀が絡み合い、単なる喪失物語を超えた深みがある。雨の音をBGMに使った章など、音響効果も秀逸で没入感が違う。